初めてポスターを作るには、企画からデザイン、レイアウト、印刷までの一連の手順を理解することが重要です。
本記事では、人を惹きつけるポスター作成の基本から、初心者でも実践できるデザインのコツまでを詳しく解説します。
良いポスターを作るための基本的なルールやポイントを押さえることで、伝えたい情報が効果的に伝わり、見る人の心に残る仕上がりになります。
これらの手順とコツを参考に、魅力的なポスター作成に挑戦してみてください。

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ポスター作成を始める前に押さえるべき3つの基本
効果的なポスターを作るためには、デザイン作業に着手する前に、企画段階のポイントをしっかりと押さえることが不可欠です。
誰に何を伝えたいのかという目的を明確にし、ターゲットの心に響く要素を考え、掲載情報を整理するという3つの基本ルールを守ることで、デザインの方向性が定まります。
この事前の準備が良いポスター制作の土台となり、伝えたいメッセージが的確に伝わる、いい仕上がりにつながります。
ポスターで「誰に」「何を」伝えたいか目的を明確にする
ポスター制作の最初のステップは、その目的を具体的に設定することです。
例えば、イベントの集客、商品の販促、選挙活動、あるいは学会での研究発表など、用途によって伝えるべき情報の中身や表現方法は大きく異なります。
映画や観光地の魅力を伝えたいのか、飲食店の新メニューや祭りの告知をしたいのか、ターゲットとなる「誰」に向けて「何」を最も伝えたいのかを絞り込みます。
チラシやweb媒体とは異なり、一瞬で人々の注意を引く必要があるため、目的が明確であるほど、デザインの方向性も定まりやすくなります。
展示会や販促キャンペーンなど、具体的なシーンを想定して目的を整理することが、効果的なポスター作りの第一歩です。
ターゲットに響くキャッチコピーとメイン画像を考える
ポスターの目的とターゲットが定まったら、次にその顔となるキャッチコピーとメインビジュアルを考えます。
キャッチコピーは、ターゲットの興味を一瞬で引きつけ、内容を読み進めてもらうための重要な要素です。
簡潔で分かりやすく、記憶に残りやすい言葉を選びます。
タイトルだけでなく、補足的な情報を加えることで、よりメッセージが伝わりやすくなる場合もあります。
メイン画像は、キャッチコピーの意図を視覚的に補強し、ポスター全体の雰囲気を決定づけます。
言葉とビジュアルが一体となることで、相乗効果が生まれ、より強くメッセージを伝えることが可能になります。
掲載したい情報の優先順位を決めて整理する
ポスターに掲載したい情報をすべてリストアップし、それらに優先順位をつけます。
イベントのタイトル、日時、場所、キャッチコピーといった最も重要な情報と、主催者名、連絡先、ウェブサイトのQRコードなどの補足情報とを明確に区別します。
情報量が多すぎると、かえって最も伝えたいことが埋もれてしまい、視認性が低下する原因となります。
そのため、時には情報を削る判断も必要です。
この優先順位に基づいて、レイアウトの際に文字の大きさや配置を決めることで、見る人が情報をスムーズに理解できる、整理されたデザインになります。
情報の整理が、分かりやすいポスター作りの基礎を築きます。
ポスターの仕上がりを左右するサイズと用紙の選び方
ポスターのデザインが優れていても、サイズや用紙の選択を誤ると、その効果は半減してしまいます。
掲示する環境や目的に合わせて適切なサイズを選び、屋内か屋外かといった使用状況に応じて最適な紙質を選択することが、ポスターの視認性や耐久性を高める上で重要です。
特に大きいサイズのポスターを制作する場合は、用紙の素材感が全体の印象に大きく影響を与えるため、慎重な選択が求められます。
ここでは、ポスターの仕上がりを左右するサイズと紙の選び方について解説します。
用途や掲示場所に合わせて最適なポスターサイズを選ぶ
ポスターのサイズは、掲示する場所や用途によって最適なものが異なります。
駅構内や屋外など、遠くからでも目立たせたい場合は、A1サイズやA0サイズといった大きな規格が適しています。
一方、店舗内や展示会、学会用の発表で壁面に掲示する場合は、A2サイズが一般的に用いられます。
より近い距離で見られる学校の掲示板や施設の案内などには、A3やA4サイズが活用されることもあります。
一般的な規格にはA判とB判があり、学会ポスターではA1サイズが最も一般的とされており、A0サイズやB1サイズもよく用いられます。学会によって推奨サイズは異なるため、事前に確認することが重要です。
掲示スペースの広さや、見る人との距離を考慮して、最も効果的なサイズを選択することが求められます。
【屋内・屋外別】ポスター用紙の種類と特徴
ポスターを掲示する環境に合わせて用紙を選ぶことは、その耐久性と見栄えを保つ上で非常に重要です。
屋内での短期的な掲示には、光沢があり写真がきれいに見える「光沢紙」や、光の反射を抑え落ち着いた仕上がりになる「マット紙」が一般的です。
一方、屋外での掲示や長期間の使用を想定する場合は、耐水性・耐久性に優れた合成紙である「ユポ紙」が最適です。
ユポは破れにくく、雨風にも強いため屋外環境に適しています。
その他、電飾看板などで使用される透明ポスター用のクリアフィルムや、独特の質感を持つ布ポスター、展示会などで立体感を出すためのパネル加工など、表現方法に応じた多様な選択肢があります。
初心者でも簡単!人を惹きつけるデザイン4つのコツ
デザインの専門知識がなくても、基本的なコツを押さえるだけで、ポスターの見た目は格段に良くなります。
情報を整理し、視覚的に分かりやすく伝えるためのレイアウトの原則や、人の視線の動きを意識した配置、効果的な配色、フォント選びのコツを知ることで、初心者でも簡単に見る人を惹きつけるデザインを作成できます。
これから紹介する4つのコツを実践し、デザインのクオリティを向上させましょう。
「近接・整列・反復・対比」レイアウトの基本原則を活用する
見やすく整理されたレイアウトを作成するには、デザインの4大原則である「近接・整列・反復・対比」を意識することが有効です。
まず「近接」は、関連する情報(例えば、日時と場所)をグループ化して近づけることで、情報の関連性を視覚的に示します。
次に「整列」は、テキストや画像の端を見えない線で揃えることで、全体に統一感と安定感をもたらします。
そして「反復」は、フォントや色、図形のスタイルなどを繰り返し使用することで、一貫性のあるデザインを作り出します。
「対比」は、重要な要素を大きくしたり、色を変えたりして他との違いを明確にし、視線を誘導する役割を果たします。
これらの原則を活用することで、直感的で分かりやすいレイアウトが実現します。
人の視線の動きを意識した情報配置を心掛ける
ポスターを見る人の視線は、無意識のうちに特定のパターンで動く傾向があります。
一般的に、横書きのレイアウトでは視線は左上から右へ、次に左下へ移動し、右下へと抜ける「Z型」の動きをします。
一方、縦書きの場合は右上から左下へと「N型」に動きます。
この視線の流れを考慮し、最も伝えたいキャッチコピーやメインビジュアルを左上や上部に配置し、日時や場所、連絡先といった補足情報を右下や下部に置くことで、鑑賞者はストレスなく情報を読み取ることができます。
この自然な視線誘導を意識した構成にすることが、内容の伝わりやすさを高める上で重要です。
伝えたい雰囲気に合わせた配色テクニック
色はポスターの雰囲気を決定づけ、見る人の感情に直接働きかける力を持っています。
配色を考える際は、まずベースカラー(背景など最も面積の広い色)、メインカラー(テーマを象徴する色)、アクセントカラー(注目させたい箇所に使う色)の3色を基本に組み立てると、バランスの取れたデザインになります。
例えば、元気で楽しい雰囲気を伝えたいなら暖色系、クールで知的な印象を与えたいなら寒色系を選ぶなど、ポスターの目的に合わせて色を選びます。
背景色と文字色のコントラストを十分に確保し、視認性を高めることも忘れてはなりません。
立体感を表現する場合や、特定の画家の作風を参考に配色を考える手法もあります。
フォント選びと文字の大きさでメリハリをつける
フォントの種類や文字の大きさは、ポスターの印象や情報の伝わりやすさを大きく左右します。
力強さを表現したい場合はゴシック体、信頼感や伝統を伝えたい場合は明朝体、親しみやすさを出したい場合は丸ゴシック体など、デザインのコンセプトに合わせてフォントを選びましょう。
使用するフォントの種類は2〜3種類以内に絞ると、全体に統一感が生まれます。
また、情報の優先順位に応じて文字のサイズに差をつけることで、視覚的なメリハリが生まれます。
最も重要なキャッチコピーは大きく、詳細情報は小さく配置することで、見る人は瞬時にどこに注目すべきかを判断できます。
文字の扱いは、デザインの完成度を高める重要な要素です。
ポスターのクオリティを上げる写真・イラストのポイント
ポスターの第一印象を大きく左右するのが写真やイラストといったビジュアル要素です。
見る人の目を引きメッセージを瞬時に伝えるためには質の高い絵を選ぶことが極めて重要となります。
伝えたいイメージに合致し、かつ技術的な品質も満たした写真やイラストを使用することでポスター全体のクオリティは飛躍的に向上します。
ここでは効果的なビジュアル素材を選ぶためのポイントと使用上の注意点について解説します。
伝えたいイメージに合った高解像度の素材を選ぶ
ポスターに使用する写真は、まずそのテーマやコンセプトに沿ったものであることが重要です。その上で、印刷時に鮮明な画質を保つために、高解像度のデータを用意する必要があります。
ウェブサイトで見かける画像は、画面表示用に解像度が低く設定されていることが多く、そのまま印刷するとぼやけたり、ギザギザになったりしてしまいます。
ポスター印刷における推奨解像度は、ポスターのサイズや用途(閲覧距離)によって異なります。
一般的に、名刺やチラシなど手元で見る小さい印刷物では300dpi以上が推奨されますが、大判ポスターや遠くから見るポスターの場合は、150dpiから250dpi程度が推奨されることが多いです。
例えば、A0サイズ(841mm x 1189mm)のポスターでは150~300dpiが推奨され、近くで見る機会が多い展示用ポスターの場合は300dpiを目安にするとクリアな印刷が可能です。
遠くから見る場合は150dpiでも問題ないですが、より高精細な仕上がりを求めるなら200dpi以上が理想とされています。
必要以上に高すぎる解像度はデータ容量が大きくなり、データの編集、保存、入稿、データチェックに時間がかかり、印刷時のエラーや希望納期に間に合わないといったトラブルの原因になる可能性もあります。可能であれば、プロが撮影した素材や、自身で撮影したオリジナルの高画質な写真を使用するのが理想的です。素材の品質が、ポスター全体の仕上がりの質を決定づけます。
著作権フリー素材や自作のイラストを使用する
ポスターに写真やイラストを使用する際は、著作権を侵害しないよう細心の注意を払う必要があります。
インターネット上の画像を無断で使用することは法律で禁じられています。
安心して素材を利用するためには、著作権フリーの写真やイラストを提供している素材サイトを活用するのが一般的です。
これらのサイトを利用する際は、商用利用が可能か、クレジット表記が必要かなど、ライセンスの条件を必ず確認しましょう。
また、自分で描いたイラストや撮影した写真を使えば、著作権の問題を心配する必要がなく、完全にオリジナルのポスターを作成できます。
質の高い素材を提供するサイトも多いため、テーマに合ったものを探して活用すると良いでしょう。
ポスター作成に使えるおすすめのツール
デザインの経験がなくても、適切なツールを活用すれば、誰でも手軽にプロ並みのポスターを作成することが可能です。
現在では、無料で直感的に操作できるものから、専門家向けの高度な機能を備えたソフトウェアまで、さまざまな選択肢があります。
自分のスキルレベルや目的に合ったツールを見つけることが、効率的で楽しいポスター制作の鍵となります。
ここでは、ポスター作成におすすめの代表的なツールを紹介します。
無料で使えるデザインソフトやスマホアプリ
初めてポスターを作る方や、手軽にデザインを始めたい方には、無料で利用できるツールがおすすめです。
代表的なツールとして「Canva」があり、豊富なテンプレートと直感的な操作で、初心者でも簡単に見栄えのするデザインが作れます。
PCのブラウザだけでなく、iPhoneなどのスマホからも操作できるアプリが提供されているため、場所を選ばずに作業できます。
また、イラスト制作に強みを持つ「CLIPSTUDIOPAINT」の機能限定版や、プレゼンテーションソフトなどもポスター作成に活用可能です。
これらのアプリやソフトの無料キャンバス機能を使えば、コストをかけずにデザイン制作をスタートできます。
本格的なデザインができる有料のソフトウェア
よりオリジナリティが高く、細部まで作り込まれたポスターを制作したい場合には、プロも使用する有料のソフトウェアが適しています。
デザイン業界の標準ソフトであるAdobe社の「Illustrator(イラレ)」は、文字や図形を自由にレイアウトでき、印刷用の高品質なデータを作成するのに最適です。
写真の加工や合成には同社の「Photoshop」が用いられます。
また、多くの人が使い慣れているMicrosoft社の「Word」や「PowerPoint」も、図形描画やテキストボックス機能を駆使することで、十分なクオリティのポスターを作成することが可能です。
これらの有料ソフトは、デザインの自由度が高い点が大きな魅力です。
Canva(キャンバ)を使うメリット
Canva(キャンバ)は、デザイン初心者にとって多くのメリットを持つツールです。
最大の特長は、プロが作成したデザイン性の高いテンプレートが豊富に用意されている点にあります。
これらのテンプレートをベースに、文字や写真を差し替えるだけで、誰でも簡単におしゃれなポスターを完成させられます。
専門的な知識を必要としない、ドラッグ&ドロップを中心とした直感的な操作性も魅力です。
また、多種多様なフォント、写真、イラスト素材が無料で利用でき、ソフトウェアをインストールする必要なくブラウザ上で作業が完結します。
共同編集機能も備わっており、チームでのポスター制作もスムーズに進めることができます。
ポスターを印刷する主な方法
ポスターのデザインデータが完成したら、最終工程である印刷に移ります。
ポスターの印刷には、主に自宅やコンビニエンスストアのプリンターで出力する方法と、専門の印刷会社に依頼する方法の2つがあります。
どちらの方法を選ぶかは、必要な枚数、求める品質、ポスターのサイズ、納期、予算によって決まります。
それぞれの印刷方法には異なる特徴があるため、自分の状況に最も適した手段を選択することが重要です。
ここでは、主な印刷方法について解説します。
自宅やコンビニのプリンターで手軽に印刷する
A3サイズまでの小さなポスターを急いで少数だけ必要な場合には、自宅のプリンターやコンビニのマルチコピー機を利用するのが最も手軽な方法です。
この方法の利点は、デザインが完成したらすぐに印刷に取りかかれるスピード感と、1枚からでも低コストで出力できる点にあります。
急なイベントでの掲示物や、デザインの試し刷りを行いたい場合に特に便利です。
ただし、家庭用プリンターでは印刷できる用紙のサイズや種類に制限があり、印刷会社に依頼する場合と比較すると、色の再現性や耐光性といった品質面では劣る傾向があります。
手軽さとスピードを最優先する場合に適した選択肢です。
高品質な仕上がりを求めるならネット印刷サービスがおすすめ
大判サイズのポスターや、一定数以上の枚数を印刷する場合、また色の再現性や紙の質感にこだわりたい場合は、ネット印刷サービスの利用が最適です。
ネット印刷の最大のメリットは、ウェブサイトから24時間いつでも注文でき、光沢紙やマット紙、耐水性のあるユポ紙など、多種多様な用紙から目的に合わせて選べる点にあります。
プロ仕様の印刷機を使用するため、高品質で美しい仕上がりが期待できます。
また、注文部数が多くなるほど1枚あたりの単価が下がるため、コストパフォーマンスにも優れています。
データをアップロードするだけで指定の場所まで届けてくれるため、手軽に高品質な印刷を実現できるのがネット印刷の魅力です。
まとめ
ポスター作りは、目的を明確にすることから始まり、ターゲットに響くデザインを考え、適切な方法で印刷するという一連の手順で進行します。
紹介した基本のコツを押さえることで、初心者でも効果的なポスターの作成が可能です。
完成したポスターは、掲示方法を工夫することで、その価値をさらに高められます。
例えば、ポスターフレームに入れることで見栄えが良くなり、耐久性も向上します。
また、専用のポスタースタンドやハンガーを使えば、様々な場所で効果的に展示できます。
配布や保管の際には、折れや汚れを防ぐために専用の筒やケース、大型の封筒を利用すると良いでしょう。
これらのアイテムを上手に活用し、作成したポスターを最大限に活かしてください。

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