Figmaについて、その基本から具体的な利用方法までをわかりやすく説明します。
Figmaは、ブラウザ上で動作するデザインツールであり、WebサイトやアプリケーションのUIデザインといった用途で広く利用されています。
この記事では、Figmaが持つ特徴的な機能や、これから使い始める方向けの基本的な操作方法を網羅的に解説するため、ツールの全体像を理解する一助となります。

Canva(キャンバ)
簡単操作で誰でもあらゆるデザインを作成できるビジネス版「Canva」
豊富なテンプレートや素材が用意されているため、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単に
プロクオリティのプレゼンテーション、動画、ポスター、メニューなどあらゆるものをデザインできます。
Figmaとは?ブラウザ上で共同編集できるデザインツール
Figmaは、Webブラウザ上でデザインデータを作成、編集できるクラウドベースのデザインツールです。専用のソフトウェアをインストールする必要がなく、アカウントを作成すればすぐに利用を開始できる手軽なサービスです。Figmaの最大の特徴は、複数のユーザーが同じファイルに同時にアクセスし、リアルタイムで共同編集できる点にあります。誰がどの部分を編集しているかがカーソルで視覚的にわかるため、チームでのデザイン作業をスムーズに進めることが可能です。この強力なコラボレーション機能により、デザイナーだけでなく、ディレクターやエンジニアなど、プロジェクトに関わるさまざまな立場の人が、場所を問わずに連携しながら作業を進められます。
Figmaが持つ3つの大きな特徴
Figmaが多くのデザイナーや開発チームから支持される理由として、他のツールとの違いを際立たせるいくつかの大きな特徴があります。
AdobeXDといった類似ツールと比較した際のFigmaの良さやメリットは、特に「リアルタイムでの共同編集」「豊富なプラグインによる拡張性」「OSを問わないアクセシビリティ」という3点に集約されます。
これらの特徴が、Figmaを単なるデザイン作成ツール以上の存在にしています。
リアルタイムでの共同編集がスムーズに行える
Figmaの最も強力な特徴は、複数のユーザーが同じファイルを同時に編集できるリアルタイムの共同編集機能です。
Googleドキュメントのように、編集者のカーソルが画面上に表示され、誰がどこで作業しているかをリアルタイムに把握できます。
これにより、オンライン上で会話をしながらデザインを進めるなど、非常にスムーズな連携が可能です。
また、ファイルはクラウド上で一元管理されるため、バージョン管理が容易になり、最新のファイルを探したり、過去のバージョンとの差分を確認したりする手間が省けます。
コメント機能を使えば、デザイン上の特定の部分に直接フィードバックを残せるため、修正指示なども的確に伝わり、チーム全体のコミュニケーションと作業効率を大幅に向上させます。
豊富なプラグインで機能を自由に拡張できる
Figmaはそのままでも多機能なツールですが、プラグインを追加することで機能をさらに拡張できます。
FigmaCommunityでは、世界中のユーザーや企業が開発した多種多様なプラグインが公開されており、その多くを無料で利用可能です。
例えば、デザイン内にダミーテキストを自動で挿入するもの、図形を整列させるもの、デザインチェックを自動化するものなど、作業を効率化するプラグインが数多く存在します。
さらに、3Dオブジェクトを扱えるようにしたり、AIを活用してデザインを生成したりと、標準機能だけでは難しい表現を可能にするプラグインもあります。
これらの豊富なプラグインを自身の用途に合わせて導入することで、定型作業を自動化し、クリエイティブな作業により多くの時間を割くことができます。
OSを問わずブラウザからすぐに利用開始できる
Figmaはブラウザベースのツールであるため、Windows、Mac、Linuxなど、OSの種類を問わずに利用できます。
インターネットに接続できる環境であれば、どのコンピューターからでも自分のアカウントにログインして作業を再開できるのが大きな利点です。
また、より安定した動作を求めるユーザー向けに、無料のデスクトップアプリも提供されていますが、オフラインでの作業には一部制限があります。Figmaは基本的にオンライン環境での利用が前提となっており、オフライン時に編集した内容はインターネットに再接続した際に自動的に保存されます。オフラインでの作業を行う場合は、事前にデータをローカルに保存するなどの準備が必要です。
インターフェースは日本語にも対応しており、世界中の多くの国で利用されているため、言語の壁を感じることなく直感的に操作を始められます。
ソフトウェアのインストールといった煩わしい手順なしに、アカウント登録後すぐに使い始められる手軽さも、Figmaが広く普及した理由の一つです。
Figmaで実現できる主なタスク
Figmaは単に画面をデザインするだけのツールではありません。
Webサイトやアプリ開発における企画の初期段階からデザイン、プロトタイピング、そして開発者への引き継ぎまでプロダクト開発の幅広いプロセスでその役割を果たします。
具体的な用途の例としてUIデザインの作成はもちろんアイデア出しのためのオンラインホワイトボード機能なども備えています。
ここではFigmaで実現できる主なタスクを紹介します。
WebサイトやアプリのUIデザイン作成
Figmaの中心的な用途は、WebサイトやモバイルアプリのUIデザイン作成です。
プロジェクトの初期段階におけるワイヤーフレームの構築から、配色やタイポグラフィを整えた最終的なビジュアルデザインまで、Figma上で行えます。
オートレイアウト機能を用いることで、PCやスマートフォンなど異なる画面サイズに対応するレスポンシブデザインを効率的に作成可能です。
コンポーネント機能を活用してデザインシステムを構築すれば、プロジェクト全体でデザインの一貫性を保ち、品質の高いUI/UXを実現するための基盤となります。
動作を確認できるプロトタイプの作成
Figmaでは、作成した複数のデザイン画面(フレーム)を連結させることで、実際に操作できるプロトタイプを作成する機能が備わっています。
ボタンをクリックしたら別の画面に遷移する、といったユーザーの一連の操作フローをシミュレーションすることが可能です。
画面遷移だけでなく、ホバー時のエフェクトやスクロール時のアニメーションなど、インタラクティブな動きも設定できます。
これにより、静的なデザイン案だけでは伝わりにくい実際のアプリの挙動や使い心地を、開発に着手する前に具体的に検証できます。
作成したプロトタイプはURLで簡単に共有できるため、チーム内でのレビューやユーザーテストに活用することで、手戻りの少ない効率的な開発プロセスに繋がります。
アイデア出しに役立つオンラインホワイトボード機能
Figmaには、「FigJam(フィグジャム)」というオンラインホワイトボードツールも統合されています。
FigmaとFigJamはシームレスに連携しており、FigJamはブレインストーミングや情報整理、ユーザーフローの可視化といった、チームでの自由なアイデア出しに特化した機能を提供します。
付箋、図形、コネクター、手書き入力などを使い、オンライン上で複数人が同時にアイデアを出し合い、整理することが可能です。
Figmaが構造的なデザイン作成を得意とするのに対し、FigJamはより発散的な思考をサポートする役割を担います。
FigmaとFigJamを併用することで、アイデア創出から具体的なデザインへの落とし込みまでをスムーズに行えます。
デザインデータをエンジニアに共有する開発モード
Figmaには、デザイナーが作成したデザインをエンジニアが実装する際の連携をスムーズにするための「開発モード(DevMode)」が搭載されています。
このモードに切り替えることで、エンジニアはデザイン上のあらゆる要素のサイズ、色、マージン、フォント情報などを簡単に確認できます。
さらに、選択した要素に対応するCSS、iOS(SwiftUI)、Android(XML)のコードスニペットが自動生成されるため、手作業でのコーディング量を削減し、デザインの正確な再現をサポートします。
画像やアイコンといったアセットのエクスポートもこのモードから簡単に行え、デザインから開発への引き継ぎプロセスを大幅に効率化します。
Figmaを使いこなすための基本機能
Figmaで効率的にデザイン作業を行うためには、いくつかの基本的な機能を理解し、習得することが重要です。
これから紹介する基礎的な技を身につけることで、デザインの作成スピードと品質が格段に向上します。
ここでは、特にFigmaを使いこなす上で欠かせない「フレーム」「オートレイアウト」「コンポーネント」という3つのコア機能について、その役割と使い方を解説します。
デザインの土台となるフレームの作成
Figmaにおけるフレームは、デザインを作成するための基本的なキャンバス、すなわちアートボードの役割を果たします。
作業を始めるには、まずこのフレームを配置することからスタートします。
ツールバーからフレームツールを選択し、画面上にドラッグして任意のサイズで作成するか、右側のパネルにあらかじめ用意されているiPhoneやデスクトップなどのプリセットから選択します。
フレームは、Webサイトの1ページやアプリの1画面に相当し、この中に図形やテキスト、画像などのデザイン要素を配置していきます。
また、関連性の高い複数のフレームを「セクション」という機能でグループ化することで、複雑なプロジェクトでも画面構成を分かりやすく整理することが可能です。
修正に強いオートレイアウト機能
オートレイアウトは、Figmaの中でも特に強力で、効率的なデザイン作成に不可欠な機能です。
この機能を使用すると、フレーム内の要素間の間隔や整列を自動で調整できます。
例えば、ボタン内のテキストを変更した際に、テキストの長さに応じてボタンの幅が自動で伸縮したり、リストに新しい項目を追加した際に、既存の項目が自動的に下にずれたりします。
これにより、要素の追加や削除、内容の変更が発生するたびに手動でレイアウトを調整する手間が省け、デザイン修正にかかる時間を大幅に削減します。
レスポンシブデザインを作成する際にも、このオートレイアウト機能は中心的な役割を果たします。
再利用可能なデザインパーツを作るコンポーネント機能
コンポーネントは、ボタンやアイコン、ヘッダーなど、デザイン内で繰り返し使用する要素をテンプレート化し、効率的に管理・再利用するための機能です。
一度マスターコンポーネントとして登録すると、そのコピーである「インスタンス」をプロジェクト内のどこにでも配置できます。
マスターコンポーネントのデザインを修正すると、全てのインスタンスにその変更が即座に反映されるため、デザインの一貫性を保ちながら、修正作業を効率化できます。
さらに、バリアント機能を使えば、ボタンの「通常」「ホバー」「クリック時」といった複数の状態を一つのコンポーネントとしてまとめて管理可能です。
作成したコンポーネントはアセットパネルから簡単に呼び出して使用できます。
Figmaの料金プランは?無料でどこまで使える?
Figmaは、個人での学習から企業での大規模なプロジェクトまで、さまざまなニーズに対応するための複数の料金プランを提供しています。
多くの基本機能は無料で利用できる「スターター」プランが用意されているため、誰でも気軽に試すことが可能です。
より高度な機能やチームでの利用を想定している場合は、有料プランを選択することになります。
ここでは、各プランの概要と、無料でどこまでの機能が利用できるのかを解説します。
無料で始められる「スターター」プラン
Figmaには「スターター」という無料プランがあり、個人での利用や学習目的であれば、ほとんどの主要機能を期間の制限なく利用できます。
このプランでは、作成できるFigmaデザインファイルが3つ、各ファイル内のページ数が3つまでという制限がありますが、オートレイアウトやコンポーネントといった基本的な機能はすべて使用可能です。
また、共同編集者も招待できるため、小規模なチームでプロジェクトを試すこともできます。
プラグインやテンプレートの利用にも制限はありません。
まずはこの無料プランでFigmaを実際に使ってみた上で、ファイル数などの制限が不便に感じられた場合に、有料プランへの移行を検討するのが良いでしょう。
チーム利用に適した有料プラン
複数人での本格的な共同作業や、より高度な管理機能が必要な場合は、「プロフェッショナル」や「ビジネス」、「エンタープライズ」といった有料プランが用意されています。
これらのプランにアップグレードすると、無料プランのファイル数やページ数の制限がなくなります。
特にチーム利用において重要なのが、チームライブラリ機能です。
これにより、作成したコンポーネントやカラースタイルをチーム全体で共有し、デザインの一貫性を効率的に維持できます。
また、プロジェクトごとの詳細な権限設定やバージョン履歴の無制限化など、大規模なプロジェクトを円滑に進めるための機能が充実しています。
どのプランが最適か難しい場合は、公式サイトで機能比較表を確認すると良いです。
初心者向け!Figmaの基本的な使い方3ステップ
Figmaがどのようなツールか理解できたら、次はいよいよ実際に操作してみましょう。
ここでは、Figmaを初めて使う初心者の方でも迷わないように、アカウント登録後から簡単なデザインを作成し、共有するまでの一連の基本的な使い方を3つのステップに分けて解説します。
この手順に沿って進めることで、基本的なデザインの作り方と操作の流れをすぐに掴むことができます。
Step1:ファイルを作成しフレームを配置する
Figmaにログインしたら、まずデザイン作業の場となる新しいファイルを作成します。
ダッシュボード画面の右上にある「+デザインファイル」ボタンをクリックすると、空白のキャンバスが開きます。
次に、デザインの土台となるフレームを配置します。
画面左上にあるツールバーから「#」のようなアイコンのフレームツールを選択してください。
右側のプロパティパネルに、iPhoneやPCの画面サイズなど、あらかじめ定義されたプリセットが表示されるので、作成したいデザインに合わせて選択します。
もしくは、キャンバス上で直接ドラッグして自由なサイズのフレームを作成することもできます。
このフレームが、制作するWebサイトの1ページやアプリの1画面の基礎となります。
Step2:図形やテキストツールでデザインを作成する
フレームを配置したら、その中に具体的なデザイン要素を追加していきます。
画面左上のツールバーには、長方形や円などの図形を作成するシェイプツールや、文字を入力するためのテキストツールが並んでいます。
これらのツールを選択し、フレーム内でクリックまたはドラッグすることで、ボタンの背景や見出し、本文などを配置します。
配置した各要素は、選択すると右側のデザインパネルに詳細な設定項目が表示され、色や大きさ、フォントの種類、線の太さなどを自由に調整できます。
PCに保存されている画像をデザインに加えたい場合は、ファイルを直接キャンバス上にドラッグ&ドロップするだけで簡単に追加が可能です。
Step3:作成したデザインを他のメンバーに共有する
デザインがある程度形になったら、他のメンバーに共有して意見をもらいましょう。
画面右上にある青い「共有」ボタンをクリックします。
開いたウィンドウに、共有したい相手のメールアドレスを入力して招待するか、共有用のリンクをコピーしてチャットなどで送ります。
その際、相手に「編集可」か「閲覧のみ」の権限を設定できるため、用途に応じて選択してください。
リンクを受け取った相手は、Figmaのアカウントがなくてもブラウザでデザインを閲覧できます。
また、コメント機能を使ってデザインの特定の部分にフィードバックを残すことも可能で、これにより円滑なコミュニケーションと効率的なデザイン改善が実現します。
UIデザインにおすすめ!Canvaでできること
CanvaはUIデザイナーにとって、特に初心者やデザイン経験が少ない方におすすめのツールです。
豊富なテンプレートが用意されており、プロのデザイナーが作成した高品質なデザインを簡単に利用できます。
これにより、デザイン知識がないノンデザイナーでも、短時間で魅力的なUIデザインを作成できる点が大きなメリットです。
また、1億点以上の素材がCanva内に用意されているため、外部から画像を探す手間が省け、デザイン作成時間を短縮できます。
Figmaは高度なUIデザインやチームでの共同編集に強みがありますが、Canvaは直感的なインターフェースと豊富な素材で、手軽にデザインを制作したい場合に優れています。
特にスマートフォンアプリでも利用できるため、場所を選ばずにデザイン作業を進められます。
まとめ
本記事では、デザインツールFigmaの基本的な概念から、その主な特徴、具体的な機能、そして初心者向けの基本的な使い方までを解説しました。
Figmaはブラウザ上で動作し、リアルタイムでの共同編集機能に強みを持つツールです。
UIデザインやプロトタイピングだけでなく、FigJamを用いたアイデア整理など、デザインプロセス全体をサポートします。
オートレイアウトやコンポーネントといった機能を活用することで、効率的かつ一貫性のあるデザイン制作が可能です。
基本的な機能の多くは無料プランで試せるため、まずはアカウントを作成し、実際に操作してその利便性を体験してみることをお勧めします。

Canva(キャンバ)
簡単操作で誰でもあらゆるデザインを作成できるビジネス版「Canva」
豊富なテンプレートや素材が用意されているため、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単に
プロクオリティのプレゼンテーション、動画、ポスター、メニューなどあらゆるものをデザインできます。