Canvaは、デザインの知識がなくても手軽にプロ並みの制作物を作成できるツールとして広く利用されています。
このCanvaで作成したデザインは、基本的に商用利用可能です。
しかし、全てのケースで無条件に許可されているわけではなく、遵守すべき利用規約が存在します。
安全に活用するためには、どのような使い方が許可され、何が禁止されているのかという注意点を正確に理解しておくことが不可欠です。

Canva(キャンバ)
簡単操作で誰でもあらゆるデザインを作成できるビジネス版「Canva」
豊富なテンプレートや素材が用意されているため、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単に
プロクオリティのプレゼンテーション、動画、ポスター、メニューなどあらゆるものをデザインできます。
結論:Canvaのデザインは商用利用OK!ただしルール厳守が必須
結論から言うと、Canvaで作成したデザインは商用利用が認められています。
商用利用とは、利益を得ることを目的としてデザインを使用することです。
しかし、この許可には条件があり、Canvaが定める利用規約を厳守する必要があります。
特に、提供されている素材の扱い方には細かいルールが設定されています。
規約を無視した使い方をすると、意図せずライセンス違反となる可能性があるため、正しい知識を身につけて活用することが求められます。
Canvaのデザインを商用利用できる具体的な場面
Canvaで作成したデザインは、ビジネスの様々なシーンで活用できます。
Web上のコンテンツから物理的な印刷物、さらには販売目的の商品デザインまで、その用途は多岐にわたります。
具体的にどのような場面で商用利用が可能なのか、代表的な例をいくつか挙げて紹介します。
これらの例を参考にすることで、自身のビジネスにどのようにCanvaを組み込めるかのヒントが得られるはずです。
SNS投稿やWebサイトの画像として活用する
Canvaは、SNSやWebサイトで使用する画像の作成に非常に適しています。
例えば、YouTubeの動画の顔となるサムネイルや、TikTok、インスタグラムの投稿用画像などを手軽に作成できます。
また、企業の公式ホームページで使用するバナー画像や、ブログ記事のアイキャッチ、アプリのインターフェースの一部など、デジタルコンテンツ全般に活用することが可能です。
豊富なテンプレートを基に、ブランドイメージに合った魅力的なビジュアルを効率的に制作できます。
チラシや名刺といった印刷物の作成に使う
デジタルコンテンツだけでなく、物理的な印刷物のデザイン作成にもCanvaは広く利用されています。
集客を目的としたイベントのチラシやポスター、ビジネスの第一印象を決める名刺、店舗で配布するパンフレットなどが代表例です。
さらに、商品を入れる箱や袋といったパッケージデザインの作成も可能です。
Canvaには印刷に適した高解像度のデータ形式でダウンロードする機能があるため、デザインから印刷会社への入稿までをスムーズに行えます。
プレゼンテーションや営業用の資料に組み込む
Canvaは、ビジネスシーンで不可欠なプレゼンテーション資料や営業資料の作成にも役立ちます。
グラフや図表を効果的に使った見やすいスライドを、テンプレートを活用して短時間で作成することが可能です。
企業のブランドカラーやロゴを反映させることで、統一感のあるプロフェッショナルな資料が完成します。
これにより、クライアントへの提案や社内での報告がより説得力を持つものになります。
作成した資料はPDFやPowerPoint形式で出力できるため、様々な環境で共有・利用できます。
オリジナルのデザインを加えたグッズを販売する
Canvaの素材を利用して、オリジナルのグッズを制作し販売することも認められています。
例えば、Canvaのイラストやフォントを組み合わせてデザインしたTシャツ、LINEスタンプ、スマートフォン用のステッカーなどが該当します。
ただし、重要な注意点として、Canvaの素材をそのまま、あるいはほとんど手を加えずに商品化することは禁止されています。
あくまで自身のクリエイティブなアイデアを加え、独自の価値を持つデザインとして販売することが求められます。
Web広告やマーケティング用の素材として利用する
Webマーケティングの分野でもCanvaは強力なツールとなります。
リスティング広告やSNS広告で使用するバナー画像、メールマガジンに挿入するグラフィック、キャンペーン告知用のランディングページの素材などをスピーディーに作成できます。
様々なサイズのテンプレートが用意されているため、各広告媒体の規定に合わせたクリエイティブを効率良く準備することが可能です。
ABテスト用に複数のデザインパターンを作成することも容易で、広告効果の最大化に貢献します。
知らないと規約違反?Canvaでの商用利用禁止事項
Canvaは商用利用に寛容なツールですが、ライセンス違反を避けるために知っておくべき禁止事項がいくつか存在します。
これらのルールは、主にCanvaが提供する素材の著作権やライセンスを保護するために設けられています。
特に、素材そのものを無加工、あるいはそれに近い形で販売・再配布する行為は厳しく制限されています。
意図しない規約違反を防ぐためにも、どのような使い方が禁止されているのかを正確に把握しておくことが重要です。
Canvaの素材を加工せずに販売・再配布すること
Canvaで提供されている写真、イラスト、アイコンなどの素材を、無加工のまま販売または再配布する行為は固く禁じられています。
例えば、Canvaのストックフォトをダウンロードして、それを写真素材として自身のサイトで販売するような使い方はライセンス違反です。
素材はあくまで自身のオリジナルデザインを構成する要素として使用することが前提となります。
素材そのものを商品価値の中心とするような利用は認められていないため、注意が必要です。
Canvaのテンプレートをそのまま販売する行為
Canvaにはプロがデザインした高品質なテンプレートが豊富に用意されていますが、これらをそのまま、あるいはテキストや写真を差し替えただけの状態で、自分の作品として販売することは禁止されています。
テンプレートはデザインの土台や出発点として利用するものであり、それを転売することは認められていません。
自身の創造性を加えて大幅にカスタマイズし、オリジナルのデザインとして昇華させた場合にのみ、その成果物を販売することが許可されます。
作成したロゴやデザインを商標登録すること
Canvaの素材やテンプレートを利用してロゴを作成することは可能ですが、そのロゴを商標として登録することはできません。
これは、Canvaの素材が非独占的に提供されているためです。
つまり、他のユーザーも同じ素材を使って似たようなロゴを作成する可能性があります。
商標は特定の個人や企業が独占的に使用できる権利を保証するものなので、誰もが利用できる素材を基にしたデザインは商標登録の対象外となります。
オリジナルのロゴを商標登録したい場合は、Canvaの素材を使用せずに一からデザインする必要があります。
音楽素材をテレビCMや映画などに使用すること
CanvaProで提供されている音楽(オーディオ)素材は、SNS用の動画やWeb広告など、オンラインコンテンツでの利用は許可されています。
しかし、テレビCM、ラジオ放送、映画、ビデオゲーム、ポッドキャストといった伝統的な放送メディアや大規模な商用作品での使用はライセンス契約で禁止されています。
これは、音楽素材のライセンスが特定の用途に限定されているためです。
動画コンテンツに音楽を使用する際は、その公開範囲やメディアの種類を事前に確認し、規約に違反しないように注意を払う必要があります。
写真素材をストックフォトサイトで販売すること
Canvaで利用できる写真素材は、デザインの一部として組み込むために提供されています。
そのため、Canvaからダウンロードした写真を、そのまま、あるいは若干の加工を施しただけで、ストックフォトサイト(例:PIXTA、AdobeStockなど)で自分の作品として販売することは明確に禁止されています。
これはCanvaの素材の再配布にあたり、ライセンス契約に違反する行為です。
写真素材は、あくまで自身の制作物の中で補助的に使用するにとどめなければなりません。
無料プランと有料プラン(Canva Pro)での商用利用の違いは?
Canvaには無料プランと有料プラン(CanvaPro)があり、どちらのプランでも商用利用は可能です。
しかし、利用できる素材や機能の範囲に大きな違いがあります。
無料プランでは、無料で利用できる素材(無料素材)のみを使って作成したデザインであれば、問題なく商用利用できます。
一方、有料プランでは、王冠マークの付いた高品質な素材やフォントも無制限に使用できるようになり、デザインの幅が格段に広がります。
料金を支払うことで、より多くの選択肢からビジネスに最適なデザインを作成できるのが有料プランの利点です。
商用利用で特に気をつけたい3つのポイント
Canvaを商用利用する際には、ライセンス違反や思わぬトラブルを避けるために、特に注意すべき点がいくつかあります。
これらを事前に理解しておくことで、安心してデザイン制作に取り組むことが可能です。
利用できる素材の範囲や、特定の素材に付随する利用条件、そして新しい技術であるAI生成機能の扱いなど、商用利用の可否に直結する重要なポイントを3つに絞って解説します。
写真に写っている人物の利用範囲を確認する
人物が写っている写真素材を使用する際は、特に慎重な確認が求められます。
これらの写真は、被写体(モデル)から使用許諾を得て提供されていますが、その利用範囲には制限があります。
例えば、被写体の名誉を傷つけるような使い方や、公序良俗に反するコンテンツ、成人向けコンテンツへの使用は一般的に禁止されています。
一方、風景や静物、抽象的なイラストなどにはこうした人物に関する制約はありません。
デザインの目的に合わせて、素材のライセンス情報を確認する習慣をつけることが重要です。
「編集者向け」と記載された素材の扱いに注意する
Canvaの素材の中には、「編集者向け(EditorialUseOnly)」とライセンス情報に明記されているものがあります。
これらは主に、時事的な出来事や著名人、特定のブランドロゴなどが写っている写真素材です。
これらの素材は、ニュース記事やドキュメンタリーなど、報道や論評といった目的に限り使用が許可されています。
そのため、一般的な商品の広告や販促物、企業のブランディングといった商用目的での利用は認められていません。
素材を選択する際には、この表記の有無を必ず確認し、用途に合わない素材の使用を避ける必要があります。
AIで生成した画像の商用利用における著作権
Canvaには「MagicDesign」や「マジック生成」といった、テキストから画像を生成するAI機能が搭載されています。
この生成AIで作成した画像やアバターについて、Canvaは所有権を主張しないと表明しており、ユーザーは作成された画像を商用利用できます。
しかし、AI生成物の著作権については法的な議論が続いている段階であり、国や地域によって解釈が異なる可能性があります。
そのため、生成した画像が既存の著作物に類似していないかなど、利用者の責任において確認することが推奨されます。
Canvaの商用利用に関するよくある質問
Canvaをビジネスで利用するにあたり、具体的な使用シーンを想定した際に、さまざまな疑問が生じることがあります。
例えば、作成したデザインを商品化して販売しても良いのか、クライアントワークでの使用は許可されているのか、といった質問は頻繁に寄せられます。
ここでは、そうした商用利用に関するよくある質問を取り上げ、それぞれのケースにおけるCanvaのルールや考え方について解説していきます。
作成したTシャツやマグカップを販売しても問題ない?
Canvaのデザイン機能を使って制作したTシャツやマグカップなどのオリジナルグッズを販売することは、規約上問題ありません。
ただし、重要な条件として、Canvaが提供する素材をそのまま印刷して販売することは禁止されています。
複数の素材を組み合わせたり、独自のテキストや図形を加えたりするなど、自身の創作性が加わったオリジナルデザインであることが必要です。
素材はあくまでデザインの構成要素として利用し、完成した制作物が独自の価値を持つものであれば、商用販売が認められます。
クライアントに納品するデザインを作成しても良い?
Canvaを利用して、クライアントから依頼されたデザインを作成し、納品することも許可されています。
例えば、Webサイトのバナー画像やSNS投稿用の画像、チラシのデザインなどを制作して、JPGやPNG、PDFといった完成データ形式でクライアントに渡すことが可能です。
また、CanvaProの機能を使えば、作成したデザインのテンプレートリンクを共有し、クライアント自身がテキストなどを編集できるようにすることもできます。
これにより、デザイン業務の効率化が図れます。
デザインにクレジット表記は必要?
Canvaで作成したデザインを商用利用する際に、原則として「Canvaで作成」といったクレジット表記を入れる必要はありません。
無料・有料プランを問わず、Canvaの素材(写真、イラスト、フォントなど)を使用したデザインについて、制作者や提供元を示すクレジットは不要です。
これにより、デザインの見た目を損なうことなく、自由にビジネスで活用できます。
ただし、報道目的などに限定された「編集者向け」の素材など、ごく一部でクレジット表記が求められるケースも存在するため、素材ごとのライセンス確認は推奨されます。
商用利用できるか判断に迷ったときの確認方法は?
使用したい素材が商用利用可能かどうかの判断に迷った場合、まずはその素材のライセンス情報を確認することが第一歩です。
Canvaのエディター上で素材にカーソルを合わせると表示される「i」のアイコンをクリックすると、ライセンスの種類やキーワードなどの詳細情報を確認できます。
ここで商用利用が許可されているかを確認しましょう。
それでも不明な点や、自身の利用ケースが規約に沿っているか不安な場合は、Canvaの公式ヘルプセンターで関連情報を検索するか、サポートチームへの問い合わせを検討することが確実な方法です。
まとめ
Canvaで作成したデザインは、定められた利用規約を遵守すれば、幅広いビジネスシーンで商用利用が可能です。
SNSコンテンツや広告バナー、印刷物、商品デザインなど、その活用範囲は多岐にわたります。
一方で、素材の無加工での再配布や販売、テンプレートの転売、商標登録など、明確な禁止事項も存在します。
特に人物写真や編集者向け素材、AI生成画像の扱いには注意が必要です。
無料プランと有料プランの違いを理解し、ライセンス情報を確認する習慣をつけ、規約を正しく守ることで、Canvaを安全かつ効果的に事業へ活用できます。

Canva(キャンバ)
簡単操作で誰でもあらゆるデザインを作成できるビジネス版「Canva」
豊富なテンプレートや素材が用意されているため、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単に
プロクオリティのプレゼンテーション、動画、ポスター、メニューなどあらゆるものをデザインできます。