個人事業主のPayPay導入|メリット・デメリット、審査や確定申告を解説

個人事業主がキャッシュレス決済の導入を検討する際、PayPayは有力な選択肢の一つです。
本記事では、PayPayを導入するメリットやデメリット、具体的な申し込み手順から気になる審査のポイント、さらには導入後の確定申告の方法まで、個人事業主が知りたい情報を網羅的に解説します。

目次

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個人事業主でもPayPay(ペイペイ)の導入は可能

PayPayの加盟店向けサービスは、法人だけでなく個人事業主でも導入が可能です。
個人経営の飲食店や小売店、サロン、フリーランスなど、事業形態を問わず幅広い業種で利用されており、事業用のキャッシュレス決済手段として活用されています。

スマートフォンやタブレットがあれば手軽に始められるため、小規模な事業者にとっても導入のハードルが低いのが特徴です。

事業用アカウント「PayPay for Business」とは?

PayPay for Businessは、PayPay加盟店向けの管理ツールです。Webブラウザまたは専用アプリからログインして利用でき、売上管理、取引履歴の確認、返金処理、入金履歴の閲覧といった店舗運営に必要な機能が揃っています。日別・月別の売上レポートをCSV形式でダウンロードすることも可能で、確定申告時の経理作業にも役立ちます。

また、販促機能であるPayPayクーポンの発行や、顧客情報を分析する機能も提供されており、売上向上施策に活用することもできます。PayPay for Businessには「PayPayマイストア 制限プラン」(無料)と「PayPayマイストア ライトプラン」(月額1,980円/店舗)があり、利用できる機能が異なります。たとえば、PayPayクーポンやスタンプカード機能は「PayPayマイストア ライトプラン」で利用可能です。これらの機能はプランによって費用が発生する場合があるため、店舗の状況に合わせて選択することで、効率的な店舗管理が実現します。


個人事業主がPayPayを導入する5つのメリット

個人事業主がPayPayを導入することには、多くのメリットが存在します。
初期費用や月額固定費が無料で始められるコスト面の優位性に加え、高い集客効果や手軽な操作性も魅力です。

さらに、クーポンなどの販促機能を活用することで、売上アップにもつなげられます。
ここでは、具体的な5つのメリットを詳しく見ていきましょう。

導入時の初期費用や振込手数料、月額固定費が無料

PayPay導入の大きなメリットは、コストを抑えて始められる点です。
加盟店登録にかかる初期費用や、月額の固定費は一切かかりません。
決済端末の購入も不要で、スマートフォンやタブレットがあればすぐに利用を開始できます。

さらに、売上の入金先口座をPayPay銀行に指定すれば、通常発生する振込手数料が永年無料になります。
他の金融機関を指定した場合でも、入金額が1万円以上であれば振込手数料はかかりません。
このように、ランニングコストを最小限に抑えながらキャッシュレス決済を導入できる点は、個人事業主にとって大きな魅力です。

決済手数料がクレジットカードより安く業界最安水準の1.60%から

キャッシュレス決済を導入する際、気になるのが決済ごとに発生する手数料です。
PayPayの決済システム利用料は、QRコードをユーザーが読み取る「ユーザースキャン方式」の場合、1.98%に設定されています。
さらに、有料プランの「PayPayマイストアライトプラン」(月額1,980円/税別)に加入すると、決済手数料が業界最安水準の1.60%まで引き下げられます。

これは一般的なクレジットカードの決済手数料(3%前後)と比較して低く設定されており、売上から差し引かれるコストを削減できます。
取引件数が多いほど、この手数料率の差は利益に大きく影響します。

国内トップクラスのユーザー数で集客力アップが期待できる

PayPayは国内で非常に多くのユーザーに利用されているキャッシュレス決済サービスです。
そのため、PayPay決済に対応することは、新規顧客の獲得や販売機会の拡大に直結します。
PayPayユーザーはアプリ内の地図機能で近くの加盟店を探せるため、店舗の存在をアピールする絶好の機会となります。

また、政府や自治体が実施するキャッシュレス決済ポイント還元キャンペーンの対象になることも多く、キャンペーン期間中はさらなる集客と売上向上が期待できます。
幅広い顧客層を取り込むことで、安定した事業運営が見込めます。

スマホやタブレットでQRコードを表示するだけで手軽にキャッシュレス決済に対応

PayPayは、高価な専用決済端末を必要としない点も大きなメリットです。
手持ちのスマートフォンやタブレットに加盟店向けの管理アプリ「PayPayforBusiness」をインストールするだけで、すぐにキャッシュレス決済を始められます。

店舗側が提示したQRコードを顧客がスマートフォンで読み取る方式(ユーザースキャン方式)であれば、印刷したQRコードスタンドをレジ横に置くだけで運用が可能です。
設備投資の負担がなく、複雑な操作も不要なため、機械が苦手な方でも安心して導入できる手軽さが魅力です。

クーポンやスタンプカード機能で販売促進ができる

PayPayには決済機能に加え、集客やリピーター獲得に役立つ販売促進ツールが備わっています。例えば「PayPayクーポン」機能を利用すれば、店舗独自の割引クーポンをPayPayアプリ上で発行し、多くのユーザーにアピールすることが可能です。また、「スタンプカード」機能を利用することで、来店回数や購入金額に応じた特典を提供し、顧客の再来店を促すことができます。

これらの販売促進ツールを効果的に活用することで、売上アップや顧客との関係性構築に繋げられるでしょう。ただし、PayPayクーポンやPayPayスタンプカードなどの販売促進ツールを利用するには、原則として「PayPayマイストア ライトプラン」(月額1,980円/店舗)への加入が必要となり、別途費用が発生します。そのため、これらの機能の利用には月額料金やクーポン利用料、スタンプカード利用料などの費用がかかることを考慮する必要があります。


個人事業主が注意すべきPayPay導入の4つのデメリット

多くのメリットがある一方で、PayPayの導入には個人事業主が注意すべきデメリットも存在します。
決済ごとに必ず発生する手数料、基本的な入金サイクル、対応している決済方法の範囲、そして領収書の発行方法など、事前に理解しておくべき点がいくつかあります。

これらのデメリットを把握し、自身の事業運営に与える影響を考慮することが重要です。

決済のたびに手数料が発生する

PayPayを導入すると、売上が発生するたびに所定の決済手数料がかかります。
初期費用や月額固定費は無料ですが、顧客からの支払いごとに売上金額の1.60%または1.98%が手数料として差し引かれる仕組みです。
現金決済では発生しないコストであるため、この手数料を考慮した価格設定や利益計算が不可欠です。

特に薄利多売の業種の場合、決済手数料の負担が経営に影響を与える可能性も考えられます。
事業の利益構造を理解した上で、手数料の負担分をどのように吸収するかを事前に検討しておく必要があります。

売上の入金サイクルは月1回が基本

PayPayの売上金の入金サイクルは、原則として月末締めの翌営業日払いです。
つまり、売上が現金化されるまでに最大で1ヶ月程度の時間がかかることになります。
個人事業主にとって資金繰りは非常に重要な課題であり、この入金サイクルがキャッシュフローに影響を与える可能性があります。

ただし、入金口座をPayPay銀行に指定すれば、最短で売上の翌日に入金されるようになります。
また、他の金融機関でも「早期振込サービス」(有料)を利用すれば、入金サイクルを短縮できます。
事業の運転資金の状況に合わせて、最適な入金方法を選択することが求められます。

PayPay残高払い以外の決済方法には対応していない

PayPay加盟店になると、顧客は「PayPay残高払い」や「PayPayクレジット(旧あと払い)」で支払いができるようになります。
しかし、PayPayのシステムだけでは、VisaやMastercardといった主要なクレジットカードそのものや、Suicaなどの交通系電子マネーによる決済には対応していません。

これらの決済方法も導入したい場合は、別途クレジットカード会社や他の決済代行サービスと契約する必要があります。
顧客の多様な支払いニーズに応えるためには、PayPay以外のキャッシュレス決済手段の導入も併せて検討することが必要になる場合があります。

紙の領収書は発行できない(電子レシート対応)

PayPayでの決済では、システム上、紙の領収書は発行されません。
顧客はPayPayアプリの取引履歴から支払い内容を確認でき、これが領収書の代わりとなります。
もし顧客からどうしても紙の領収書を求められた場合は、店舗側で手書きの領収書を用意するなどの個別対応が必要です。

また、PayPayのシステムには請求書の発行機能もありません。
そのため、企業間の取引などで請求書が必要な場合は、別途作成・発行する手段を準備しておく必要があります。
経理処理の方法について、あらかじめ店舗の方針を決めておくとスムーズです。


【簡単5ステップ】PayPay加盟店に申し込む手順

PayPayの加盟店登録はオンライン上で完結するため非常に手軽です。
申し込みから利用開始まで、大きく分けて5つのステップで進みます。

専門的な知識は不要で、画面の案内に従って情報の入力や書類のアップロードを行うだけで申請が完了します。
ここでは、具体的な申し込み手順をステップごとに解説します。

1. 公式サイトからオンラインで申し込む

まず、PayPay公式サイトの加盟店申し込みページにアクセスします。
申し込みフォームは24時間いつでも利用できるため、事業の合間を縫って手続きを進めることが可能です。

手続きを開始する前に、後続のステップで必要となる本人確認書類や事業内容がわかる書類、入金用の銀行口座情報などを手元に準備しておくと、よりスムーズに登録作業を進められます。
法人と個人事業主で申し込み窓口が異なる場合があるため、必ず個人事業主向けのフォームから申し込むように注意してください。

2. 案内に沿って審査情報を入力する

申し込みフォームを開いたら、画面の指示に従って必要な情報を入力していきます。
入力項目は、事業形態(個人事業主)、店舗名や屋号、事業所の住所、代表者の氏名や連絡先、売上金を受け取るための銀行口座情報などです。

また、この段階で本人確認書類の画像をアップロードする必要があります。
運転免許証やマイナンバーカードなどが利用可能です。
さらに、取り扱っている商品やサービスの内容、価格がわかる書類(店舗の写真、メニュー、ウェブサイトのURLなど)の提出も求められるため、事前に準備しておきましょう。

3. PayPayによる加盟店登録審査を待つ

申し込みフォームからすべての情報の入力と必要書類のアップロードが完了すると、PayPay側で加盟店登録の審査が開始されます。
審査期間は、申し込み内容や時期によって異なりますが、通常は数営業日から1週間程度が目安です。
審査の進捗状況は、申し込み時に登録したメールアドレスに通知されます。

特に書類に不備があった場合などは、追加の確認連絡が来ることがあります。
この期間は、PayPayからの連絡を見逃さないように注意し、審査結果の通知を待ちましょう。

4. 審査通過後、スタートキットを受け取る

無事に審査を通過すると、PayPayから審査通過の通知メールが届きます。
その後、申し込み時に登録した住所宛てに「PayPay加盟店スタートキット」が郵送されます。
このキットには、店頭に設置するQRコードスタンドや、加盟店であることを示すステッカー、利用開始までの手順が書かれたガイドブックなどが同梱されています。

スタートキットが手元に届けば、PayPay決済を受け付けるための物理的な準備は完了です。
到着までには数日かかる場合があるため、余裕をもって待ちましょう。

5. 初期設定を済ませて利用を開始する

スタートキットが到着したら、初期設定を行います。
加盟店向け管理ツール「PayPayforBusiness」に初めてログインし、パスワードの設定などを行います。
この初期設定が完了すれば、PayPayの加盟店アカウントの開設はすべて終了です。

あとは、スタートキットに入っているQRコードスタンドをレジ周りなど、顧客の目に付きやすい場所に設置するだけですぐにPayPay決済の受付を開始できます。
スマートフォンやタブレットに管理アプリをインストールしておくと、決済の通知確認や売上管理がより便利になります。


PayPayの加盟店審査で気になる疑問点を解消

PayPayの導入を検討する個人事業主にとって、加盟店審査は一つの関門です。
どのような書類が必要なのか、開業届を出していなくても申し込めるのか、あるいは実店舗がなくても導入できるのかといった疑問は尽きません。

また、万が一審査に落ちてしまった場合の原因と対処法も気になるところです。
ここでは、そうした審査に関するよくある疑問点について解説します。

審査に必要な本人確認書類と事業内容確認書類

PayPayの加盟店審査では、提出する書類がいくつかあります。
まず、申込者本人を確認するための書類として、運転免許証、マイナンバーカード、運転経歴証明書、在留カードなどの顔写真付きの公的な身分証明書が必要です。

これに加えて、事業を実際に行っていることを証明するための書類も求められます。
具体的には、店舗の外観や内観がわかる写真、取り扱っている商品や提供しているサービスとその価格が明記されたメニュー表、料金表、チラシ、または事業内容がわかるウェブサイトのURLなどです。
これらの書類を事前に準備しておくことで、審査プロセスを円滑に進めることができます。

開業届を出していなくても申し込みは可能か?

個人事業主として事業を始める際には税務署への開業届の提出が一般的ですが、PayPayの加盟店審査において、開業届の控えは必須の提出書類ではありません。
そのため、開業届なしの状態でも申し込みは可能です。
ただし、その場合でも事業の実態を確認できる客観的な資料の提出は求められます。

例えば、自身の事業を紹介するウェブサイトやSNSアカウント、ハンドメイド作品を販売しているオンラインマーケットのページ、イベントへの出店許可証などがそれに該当します。
事業を運営している事実を明確に示せる書類があれば、開業届なしでも審査を通過できる可能性があります。

ネットショップや移動販売など実店舗がなくても導入できる?

PayPayは、固定された実店舗を持たない形態の個人事業主でも導入することが可能です。
例えば、インターネット上で商品を販売するネットショップ、キッチンカーなどの移動販売、フリーマーケットや各種イベントへの出店、自宅で制作したハンドメイド作品の対面販売など、多様なビジネスシーンで活用されています。

申し込みの際には、事業内容を確認できる書類として、オンラインストアのURLや販売している商品の写真、イベントの出店概要などを提出します。
これにより、実店舗がなくても事業の実態を証明でき、審査を受けることが可能です。

審査に落ちてしまう主な原因と対処法

PayPayの加盟店審査に通過できない場合、いくつかの原因が考えられます。
主な理由としては、提出した書類に不備がある(画像が不鮮明、有効期限切れなど)、申し込み情報と提出書類の内容が一致しない、事業内容がPayPayの加盟店規約で禁止されている業種や商材に該当する、などが挙げられます。

もし審査に落ちてしまった場合は、まず否決の理由を確認し、改善できる点があれば修正して再申請することが可能です。
不明な点があれば、PayPayの問い合わせ窓口に連絡して具体的な原因を確認することも一つの方法です。
すぐに解約などを考える必要はありません。


個人事業主が知っておきたいPayPay売上の確定申告

PayPayを事業に導入した場合、その売上は事業所得として確定申告が必要です。
売上を計上するタイミングや仕訳の方法、決済手数料などの経費計上について正しく理解しておくことが重要です。
PayPayの管理ツールを活用したり、会計ソフトと連携させたりすることで、経理作業を効率化できます。

ここでは、個人事業主が押さえておくべきPayPay売上の確定申告に関するポイントを解説します。

売上はいつ計上する?勘定科目や仕訳の方法

PayPayによる売上は、原則として顧客が決済を行った日に計上します。
売上金が実際に入金される日ではない点に注意が必要です。
会計処理としては、決済発生日に「売掛金」として計上し、後日、売上金が銀行口座に入金された際に売掛金を消し込む仕訳を行います。
具体的な仕訳例は以下の通りです。

まず決済日に「(借方)売掛金/(貸方)売上高」と記帳します。
後日、手数料が引かれて入金された際には、「(借方)普通預金、支払手数料/(貸方)売掛金」と処理します。
この方法で、売上と経費を正確に管理できます。

PayPay for Businessでの売上確認方法

日々の売上や取引の詳細は、加盟店向け管理ツール「PayPayforBusiness」で簡単に確認できます。
Webブラウザまたは専用アプリからログインすると、ダッシュボードで当日の売上状況や取引件数をリアルタイムで把握することが可能です。

「取引」メニューからは個別の決済履歴を一覧で確認でき、「売上・振込」メニューでは、月次の売上合計や入金予定額、過去の振込履歴などを参照できます。
さらに、必要な期間の売上データをCSVファイルとしてダウンロードする機能もあり、会計ソフトへのインポートや確定申告資料の作成に役立ちます。

会計ソフトと連携すると経理作業が効率化できる

多くのクラウド会計ソフトは、PayPayとのデータ連携機能を提供しています。
この連携機能を活用すると、PayPayでの売上データや決済手数料などの情報が、毎日自動で会計ソフトに取り込まれるようになります。
手動で取引内容を入力する必要がなくなるため、記帳作業の手間が大幅に削減され、入力ミスを防ぐことにもつながります。
自動で取り込まれたデータをもとに仕訳ルールを設定しておけば、経理作業の大部分を自動化することも可能です。

これにより、確定申告の準備にかかる時間を短縮し、事業活動に専念する時間を確保できます。


まとめ

PayPayの導入は、初期費用や月額費用を抑えつつ、集客力の向上や顧客満足度の向上を目指せるため、個人事業主にとって有効な手段です。
一方で、決済手数料の発生や入金サイクルといった注意点も存在するため、事業の状況に合わせて検討することが重要です。

特に、売上金の入金口座をPayPay銀行の口座に設定すると、入金が最短翌日になり資金繰りの改善につながります。
事業用の銀行口座として屋号付きの口座を登録することも可能です。
将来的に融資やローンを申し込む際にも、キャッシュレス決済による正確な売上記録は信用情報として役立つ可能性があります。
登録情報の変更は管理画面から行えるため、事業の変化にも柔軟に対応できます。

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