「必要な情報が見つからない…」を解決!社員情報管理の方法とメリット解説

人事労務担当者にとって、社員情報は給与計算や社会保険手続き、人材配置など、あらゆる業務の基礎となる重要なデータです。しかし、情報が紙や複数のファイルに散在し、必要な時にすぐに見つけ出せないという課題を抱える企業は少なくありません

適切な情報管理の方法を導入することで、業務効率は飛躍的に向上し、蓄積されたデータを活用した戦略的な人事施策も可能になります。
本記事では、社員情報を効率的に管理する方法と、それによって得られるメリットを具体的に解説します。

目次

そもそも社員情報管理とは?4つの目的を解説

社員情報管理とは、従業員の氏名や住所といった基本情報から、スキル、経歴、評価、勤怠状況に至るまで、企業活動に必要な従業員情報を一元的に収集・保管・活用することです。
単に情報を集めて保管するだけでなく、それらを経営資源として有効活用し、企業の成長を支えることが本来の目的です。
具体的には、「適正な労務管理」「戦略的な人材配置や育成」「組織力の向上」「コンプライアンス遵守」といった目的を達成するための重要な基盤となります。

社員情報として管理すべき項目一覧

社員情報として管理すべき項目は、労働基準法などで定められた法定帳簿に必要な情報から、企業の独自の人事戦略上必要となる情報まで多岐にわたります。
これらの情報は目的別に整理することで、管理や活用がしやすくなります。
例えば、「全従業員に共通する基本情報」「人事評価や育成に関わる情報」「給与や勤怠などの労務管理情報」といったカテゴリーに分類できます。
自社にとってどの項目が必要かを洗い出し、管理体制を構築することが求められます。


全従業員に共通する基本情報

全従業員に共通して管理すべき基本情報には、氏名、性別、生年月日、現住所、連絡先といった基本的なプロフィールが含まれます。
また、社会保険や税金の手続きに不可欠な基礎年金番号、雇用保険被保険者番号、マイナンバーも重要な管理対象です。

扶養家族の有無やその情報、緊急連絡先なども、各種手当の計算や有事の際の対応に必要となります。これらの社員の個人情報は、入社時に正確に収集し、変更があった際には速やかに更新する運用が不可欠です。


人事評価や育成に関わる情報

従業員の成長と組織の発展のためには、人事評価や育成に関する情報の管理が欠かせません。具体的には、所属部署や役職の履歴、保有する資格やスキル、過去の研修受講歴などが挙げられます。

また、上長との面談記録やキャリアプランに関する情報、過去の人事評価の結果なども重要なデータとなります。これらの情報を一元管理し、時系列で可視化することで、個々の従業員に適したキャリア開発支援や、客観的なデータに基づいた公正な評価、適材適所の人材配置が実現できます。


給与や勤怠などの労務管理情報

給与計算や社会保険手続きを正確に行うために、労務管理に関する情報の管理は必須です。
これには、基本給や各種手当の金額、給与の振込先口座情報、社会保険や雇用保険の加入状況と標準報酬月額などが含まれます。

また、日々の出退勤時刻、時間外労働時間、休暇の取得状況といった勤怠データも、労働時間を適正に把握し、法令を遵守するために極めて重要です。
これらの従業員の個人情報は特に機密性が高いため、厳重なセキュリティ体制のもとで管理する必要があります。

社員情報を管理する2つの主な方法

社員情報を管理する具体的な方法として、現在多くの企業で採用されているのは「 Excel(表計算ソフト)」と「社員情報管理システム(労務管理システム)」の2つです。
古くは紙の台帳で管理されていましたが、情報の検索性や更新のしやすさから、デジタルでの管理が主流となっています。
それぞれの方法にはメリットとデメリットが存在するため、自社の規模や目的、セキュリティポリシーなどを考慮して、最適な方法を選択することが求められます。ここでは、それぞれの特徴を詳しく見ていきます。


Excel(表計算ソフト)で管理する方法と課題点

多くのPCに標準でインストールされているエクセルは、業務で利用されることが多いことから追加コストなしで手軽に始められることが多いため、特に中小企業で広く利用されています。操作に慣れている従業員が多く、関数やマクロを使えばある程度の集計や自動化も可能です。

しかし、従業員数が増えるにつれてファイルの動作が重くなり、管理が煩雑になる傾向があります。また、複数人での同時編集には向かず、ファイルのバージョン管理が難しい点も課題です。属人化しやすく、セキュリティ面でもアクセス制御が限定的であるため、情報漏洩のリスクも懸念されます。


社員情報管理/労務管理システムで一元管理する方法

社員情報管理システム(労務管理システム)は、従業員に関するあらゆる情報をデータベースで一元管理するための専門ツールです。入社手続きや年末調整などの労務手続きをオンラインで完結させたり、必要な情報を瞬時に検索・抽出したりできます。

クラウド型のシステムであれば、法改正にも自動で対応してくれるため、管理負担が軽減されます。導入にはコストがかかりますが、業務効率化、セキュリティ強化、データ活用による戦略的人事の実現など、費用を上回るメリットが期待できます。

ジョブカン労務HR」や「SmartHR」、「freee人事労務」などが代表的なシステムです。

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社員情報管理システムを導入する5つのメリット

社員情報管理システムを導入することは、単に紙やExcelの管理から脱却する以上の価値を企業にもたらします。これまで手作業で行っていた業務を自動化し、人事担当者の負担を大幅に軽減するだけでなく、 情報の正確性やセキュリティレベルを格段に向上させます。さらに、蓄積されたデータを分析・活用することで、 経営戦略に沿った人材配置や育成計画の立案も可能になります。
ここでは、システム導入がもたらす5つの主要なメリットについて解説します。


人事業務の工数を大幅に削減できる

社員情報管理システムを導入することで、サービスによっては入社・退社手続きや年末調整など、定型業務にかかる工数を大幅に削減できます。例えば、これまでは従業員から書類を回収し、人事担当者が手作業でシステムに入力していた情報も、従業員自身が直接システムに入力できるようになるため、データ入力の手間が削減されます

さらに、各種行政手続きに必要な書類もシステム上のデータから自動で作成され、電子申請に対応しているシステムを選べば、役所へ出向く必要もなくなります。これにより、人事担当者は、これまで定型業務に費やしていた時間を、人事制度の企画立案や従業員のエンゲージメント向上といった、より付加価値の高い戦略的な業務に充てられるようになります。


人的ミスをなくし情報の正確性が向上する

手作業によるデータ入力や書類作成には、転記ミスや計算ミス、入力漏れといったヒューマンエラーがつきものです。システムを導入すれば、一度従業員自身が入力した正確な情報が関連するすべての書類や手続きに自動で反映されるため、こうしたミスを根本から防ぐことができます。

また、入力必須項目の設定や入力形式の制限により、データの標準化が図られ、情報の品質が向上します。正確なデータは、ミスのない給与計算や社会保険手続きの基礎となり、手戻りや修正作業にかかる時間も削減します


セキュリティ強化で情報漏洩リスクを低減

社員情報は機密性の高い個人情報の集合体であり、その漏洩は企業の信用を著しく損なう重大なインシデントです。紙媒体や個人のPC上のファイルでの管理は、紛失や盗難、不正な持ち出しといったリスクと常に隣り合わせです。

社員情報管理システム(労務管理システム)の多くは、通信の暗号化やIPアドレス制限、アクセスログの監視といった高度なセキュリティ機能を備えています。また、役職や職務に応じて閲覧・編集できる権限を細かく設定できるため、内部からの意図しない情報漏洩リスクも大幅に低減させます


蓄積したデータで戦略的な人材配置が可能になる

システム内に蓄積された従業員のスキルや資格、経歴、人事評価といったデータを横断的に検索・分析することで、データに基づいた客観的な組織配置が可能になります。例えば、新規プロジェクトに必要な特定のスキルを持つ人材を全社から迅速に探し出したり、部署ごとの年齢構成やスキル分布を可視化して組織課題を把握したりすることが可能です

これにより、勘や経験だけに頼らない、戦略的な人員計画や後継者育成計画の立案が可能となり、組織のパフォーマンスを最大化できます。「SmartHR」のようなシステムには、プランによってはこうしたタレントマネジメントを支援する機能も搭載されています。

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法令遵守(コンプライアンス)の体制が整う

企業には、労働者名簿や賃金台帳といった法定三帳簿を作成し、定められた保管期間を守ることが法律で義務付けられています。社員情報管理システムを利用すれば、これらの帳簿を常に最新の状態で自動生成し、法律で定められた期間、安全にデータを保管できます。

また、毎年のように行われる労働関連法規や社会保険料率の変更にも、システム側がアップデートで対応してくれるため、人事担当者が自ら情報を収集し、対応する必要がありません。これにより、コンプライアンス違反のリスクを未然に防ぎ、健全な企業運営を維持できます。

自社に最適な社員情報管理システムを選ぶ5つのポイント

社員情報管理システムの導入効果を最大化するためには、自社の規模や業種、解決したい課題に合った製品を選ぶことが極めて重要です。市場には多様なシステムが存在し、それぞれ機能や価格、得意分野が異なります。多機能で高価なシステムが必ずしも最適とは限りません。
操作性、機能、連携性、セキュリティ、料金という5つのポイントを軸に、複数のシステムを比較検討し、自社にとって最も費用対効果の高い選択をすることが成功の鍵となります。


誰でも直感的に使える操作性/検索性の高さ

システムは人事担当者だけでなく、一般の従業員や管理職も利用する場面があります。そのため、専門知識がなくてもマニュアルを見ずに直感的に操作できる、分かりやすいインターフェースであることが重要です。

特に、従業員自身が住所変更などを申請する画面は、シンプルで迷わず入力できる設計でなければ、利用が定着しません。また、人事担当者にとっては、必要な情報を条件で絞り込み、すぐに探し出せる検索性の高さが業務効率に直結します。無料トライアル期間を利用して、実際の使い勝手を確認することをおすすめします。


会社の課題を解決できる機能が揃っているか

システム選定の前に、まずは自社の人事業務における課題を明確にすることが先決です。「入退社手続きのペーパーレス化を進めたい」「年末調整の作業負担を軽減したい」「従業員のスキルを可視化して人材育成に活かしたい」など、解決したい課題によって必要な機能は異なります。

機能一覧をただ眺めるのではなく、自社の課題解決に直結する機能が搭載されているか、という視点で評価することが重要です。
freee人事労務」のように給与計算や勤怠管理まで一気通貫で対応できるものもあり、自社のニーズと照らし合わせて判断します。

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既存の勤怠管理や給与計算ソフトと連携できるか

すでに勤怠管理システムや給与計算ソフトを導入している場合、既存勤怠管理システムや給与計算システムと社員情報管理システム(労務管理システム)がスムーズにデータ連携できるかは、必ず確認すべき重要なポイントです。もし連携できなければ、社員情報と勤怠データ、給与データを別々に管理し、手作業で情報を転記する必要が生じ、業務効率化の妨げとなります。
API連携などによってデータが自動で同期される仕組みがあれば、二重入力の手間やミスがなくなり、人事部門全体の生産性が向上します。導入実績や連携方法について、事前に確認しましょう。


情報漏洩を防ぐセキュリティ対策は万全か

社員の個人情報という極めて機密性の高い情報をクラウド上で管理するため、セキュリティ対策の万全さはシステムの選定において最も優先すべき項目の一つです。具体的には、データの送受信時における通信の暗号化(SSL/TLS)、不正アクセスを防ぐIPアドレス制限や二段階認証、操作履歴を記録するアクセスログ管理機能などが備わっているかを確認します。
加えて、サービス提供会社が「プライバシーマーク」や情報セキュリティの国際規格である「ISMS(ISO27001)」認証を取得しているかなども、信頼性を判断する上での客観的な指標となります。


費用対効果が見合う料金体系か

社員情報管理システムの料金は、初期費用と月額費用から構成されるのが一般的で、月額費用は利用する従業員数に応じて変動する従量課金制が多く採用されています。自社の従業員規模を基に、複数のシステムの料金プランを比較検討しましょう
ただし、単純な価格の安さだけで選ぶのは避けるべきです。システムの導入によって削減できる業務工数や人件費、ペーパーレス化によるコスト削減効果、セキュリティ強化によるリスク低減といったメリットを総合的に勘案し、投資する費用に見合う効果が得られるかを慎重に判断します。

社員情報管理を成功に導くための運用のコツ

高機能な社員情報管理システムを導入したとしても、それだけでは十分な効果を発揮できません。重要なのは、導入後の運用をいかに円滑に進め、社内に定着させるかです。

そのためには、情報の更新ルールを明確に定め、セキュリティポリシーを徹底し、従業員が積極的にシステムを活用する環境を整える必要があります。システムという「箱」を最大限に活かすための「中身」、つまり運用の仕組みを構築することが、社員情報管理を成功に導くための鍵となります。


常に最新かつ正確な情報を保つ仕組みを作る

社員情報は、住所や連絡先、家族構成など、時間の経過と共に変化する項目が多く含まれます。古い情報のままでは、緊急時の連絡や行政手続きに支障をきたす可能性があります。

情報鮮度を維持するためには、年に一度、全従業員に登録内容の確認を依頼する、あるいは結婚や引っ越しなどのライフイベントが発生した際に従業員自身が速やかに情報を更新する、といった運用ルールを定めて周知徹底することが不可欠です。システムの通知機能などを活用して、更新を促す仕組みを構築するのも有効な手段です。


アクセス権限を適切に設定しセキュリティを徹底する

社員情報管理システムは、役職や職務内容に応じて、データへのアクセス権限を柔軟に設定できる機能を持っています。
例えば、「一般社員は自身の情報のみ閲覧可能」「部署の管理職は自部署メンバーの勤怠情報まで閲覧可能」「人事担当者は全社員の給与情報まで閲覧・編集可能」といったように、必要最小限の権限を付与することがセキュリティの基本原則です。
これにより、内部からの情報漏洩リスクを最小限に抑えられます。従業員の異動や退職が発生した際には、速やかに権限設定を見直す運用も徹底する必要があります。


従業員自身が情報を確認・更新できる環境を整える

住所変更の届出や年末調整の申告などを、従業員自身がスマートフォンやPCから直接システムに入力できる環境を整えることで、人事担当者のデータ入力作業は劇的に削減されます。これは、従業員にとっても、書類を提出する手間が省けるというメリットがあります。

システムの利用を促進するため、導入時には操作方法に関する説明会を実施したり、分かりやすいマニュアルを整備したりするなどのサポートが重要です。
「SmartHR」や「ジョブカン労務HR」のような従業員にとって使いやすい設計のシステムを選ぶことも、セルフサービス運用を成功させるポイントです。

まとめ

社員情報の適切な管理は、日常的な労務管理の効率化はもちろん、企業の成長を支える戦略的人事を実現するための土台となります。従来のExcelによる管理では、業務の属人化やセキュリティ面での脆弱性といった課題が避けられません

社員情報管理システムを導入することにより、これらの課題を解決し、ペーパーレス化の推進、業務工数の削減、そしてコンプライアンス強化を実現できます。
自社の現状と課題を整理した上で、「ジョブカン労務HR」「SmartHR」「freee人事労務」といった人事労務システムの中から最適なものを選び、情報という資産を最大限に活用できる体制を構築することが求められます。

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