Microsoft Teamsで宛先指定・メンション機能の方法を解説

Microsoft Teams（マイクロソフト チームス）は、Microsoft 365 Business Standardなどのプランに含まれるビジネスチャットツールであり、チームでの円滑なコミュニケーションに不可欠です。
数多くのメッセージが飛び交う中で、特定の相手に情報を確実に届けるためには、メンション機能（＝特定のユーザーにメッセージや投稿を届けるための機能）の使い方が非常に重要になります。
この機能を正しく活用することで、重要な連絡の見逃しを防ぎ、業務効率を大幅に向上させることが可能です。

本記事では、Teamsメンションの基本的な使い方から、タグ機能を活用した応用テクニックまでを網羅的に解説します。

Teamsのメンション機能とは？相手に通知を飛ばすメリット

Teamsのメンション機能とは、チャットやチャネルの会話内で「@」を使用して特定のユーザーやグループを指定し、メッセージを送信する機能です。メンションについて正しく理解し活用することで、誰宛のメッセージなのかが一目で明確になります。
メンションされた相手には通知が届くため、大量のメッセージに埋もれることなく、自分宛の重要な連絡を素早く認識できます。

この仕組みにより、情報の見逃し防止に繋がり、迅速な確認や返信を促すことができるのが大きなメリットです。

【基本】Teamsで宛先を指定する3つのメンション方法

Teamsでメンションする方法は、通知を送りたい相手や範囲に応じて主に3つの種類が存在します。
基本的な操作の仕方は、メッセージの入力欄で「@（アットマーク）」に続けて宛先を入力する「@メンション」です。
これにより、指定した相手に通知を伴うメッセージを送信できます。

個人、チャネル参加者全員、チームメンバー全員といった異なる対象者へ、それぞれ最適な方法でメンションを使い分けることで、より効果的で無駄のない情報伝達が実現します。

特定の個人に通知を送る（個人メンション）

特定の個人宛にメッセージを送り、確実に通知を届けたい場合には個人メンションを使用します。
メッセージの入力欄に「@」を入力し、続けて相手の名前の一部を入力すると、候補となるユーザーの一覧が表示されます。
その中から該当する相手を選択することで、メンションが設定されます。

この操作により、指定した個人の通知アイコン（アクティビティフィード）に通知が届くため、自分宛の連絡であると即座に認識でき、迅速な返信が期待できます。
チャネル内の会話で特定のメンバーに質問したり、タスクの確認を依頼したりする場面で非常に有効な方法です。

チャネル参加者全員に通知する（チャネルメンション）

特定のチャネルに参加しているメンバー全員に一斉に通知を送りたい場合は、チャネルメンションが便利です。
メッセージの投稿欄に「@チャネル名」と入力することで、そのチャネルのメンバー全員に通知を送信できます。
例えば、「一般」チャネルで連絡事項を共有したい場合、「@一般」と入力すると自動で青字に変換されます。その返還を確認の上、メッセージを投稿します。

Teamsのチャンネルメンション・全体メンション画面

プロジェクトの進捗報告や部署内での全体周知など、チャネルという単位で情報を共有したい際に役立ちます。
ただし、通知は全員に届くため、そのチャネルに参加しているすべての人に関係のある内容かを確認してから使用することが重要です。

チームメンバー全員に通知する（チームメンション）

チーム全体に関わる非常に重要な連絡事項があり、所属するメンバー全員に確実に周知したい場合にはチームメンションを利用します。
使い方はメッセージ入力欄に「@チーム名」と入力するだけで、そのチームに所属する全メンバーに通知が届きます。
大規模なグループチャットで、全員が必ず目を通すべき規定の変更や、チーム全体のイベント告知などに適しています。

チャネルメンションよりも通知範囲が広いため、使用頻度には注意が必要です。
本当に全員への通知が必要な、重要度の高い情報発信に限定して使うことが推奨されます。

Teamsのチームメンション画面

【応用】特定の複数人へ一括で通知できるタグメンションの使い方

タグメンションは、チーム内で特定の役割を持つメンバーや、部署を横断したプロジェクトのメンバーなど、任意の複数人をグループ化して一括でメンションできる応用機能です。
このカスタムタグを作成することで、毎回複数人の名前を個別に入力する手間が省け、特定のグループに対する情報伝達が格段に効率化します。

例えば「デザイナー」「営業担当」といったタグを作成しておけば、関連するメンバーに一度の操作で確実に通知を送信でき、連絡漏れのリスクも低減させられます。

事前準備：タグを作成してメンバーを追加する手順

タグを作成する設定方法は、チームの所有者のみが実行できます。
まず、該当チーム名の横にある「…」（その他のオプション）をクリックし、「タグを管理」を選択します。

表示された画面で「タグを作成」ボタンを押し、タグの名前と説明を入力します。次に、そのタグに追加したいメンバーを選択していくことで、新しいタグが作成されます。

後からメンバーを増やす場合は、作成済みのタグを編集する操作で簡単に追加が可能です。
この機能により、プロジェクトや役割に応じた柔軟なメンバー管理が実現し、効率的なコミュニケーションの基盤を整えることができます。

作成したタグ宛にメンションを送る方法

作成したタグに対してメンションするには、個人宛メンションと同様の操作方法で行います。
チャネル内のメッセージ入力欄の本文で「@」を入力後、続けて作成したタグ名を入力し始めると、候補にタグ名が表示されます。
その候補をクリックして選択すれば、メンションの設定は完了です。

このメンションの使い方で、タグに登録されているメンバー全員に一斉に通知を送信できます。
例えば、「@営業第一課」と入力すれば、そのタグに所属するメンバーだけに絞って連絡できるため、非常に効率的な操作方法です。

Teamsのタグメンション画面

知っておきたいTeamsメンション利用時のビジネスマナー

Teamsのメンション機能は、相手に直接通知を送るため、その使い方にはビジネスマナーとしての配慮が求められます。
単に情報を伝えるだけでなく、メッセージの内容やメンションする相手、送信するタイミングを考慮することが、円滑なコミュニケーションを築く上で重要です。

メンションを受け取った側が不快に感じることのないよう、適切な使い方を意識する必要があります。
また、自分がメンションされた際のリアクションの仕方も、相手への配慮を示す上で大切な要素となります。

メンションする相手に「さん」などの敬称はつけるべきか

Teamsでメンションを使用する際、相手の名前に「さん」といった敬称をつけるべきか悩むケースがあります。
機能上、「@ユーザー名」と入力すると表示名が自動で挿入されるため、システム的には敬称は不要です。
しかし、ビジネス上のテキストコミュニケーションでは、丁寧さを保つことが望ましい場面が多々あります。そのため、メンションの後に続く本文で「＠〇〇さん、お疲れ様です。」のように、改めて敬称を含んだテキストを入力するシーンも職場では散見されます。
組織の文化や相手との関係性によりますが、迷った際には本文中で敬称を補うことで、丁寧かつ円滑なやり取りができます。

休日や深夜など業務時間外の相手へのメンションは配慮しよう

メンションは相手のデバイスに直接通知を送信する機能のため、休日や深夜などの業務時間外に利用する際は特に配慮が必要です。
緊急性が低い用件で時間外にメンションを送ってしまうと、相手のプライベートな時間を妨げることになりかねません。

もし業務時間外にメッセージを送る必要がある場合や、連絡を忘れないように記録しておきたい場合は、Teamsに搭載されているスケジュール送信（後で送信）機能を活用すると良いでしょう。
これにより、相手の業務開始時間などに合わせてメッセージを自動送信できるため、一方的な通知を避けられます。

Teamsメンションでよくあるトラブルと解決策

Teamsのメンション機能は非常に便利ですが、「メンション候補に相手の名前が表示されない」や「確認したはずの通知バッジが消えない」といったトラブルが発生することがあります。

これらの問題の多くは、Teamsの仕様や個人の設定に起因しており、原因を理解すれば解決できる場合がほとんどです。

ここでは、メンション機能の利用時によく遭遇するトラブルと、その具体的な解決策について解説します。
問題が発生しても慌てず、適切な対処法を試すことが重要です。

メンション候補に相手の名前が表示されない場合の対処法

@を入力してもメンションしたい相手の名前が候補一覧に表示されない場合、いくつかの原因が考えられます。
最も多いのは、メンションの対象者がそのチームまたはチャネルのメンバーとして追加されていないケースです。
まずは、相手が対象の場所に正しく参加しているかを確認しましょう。

次に考えられるのは、アプリの一時的な同期不具合です。
この場合は、Teamsアプリを一度完全に終了させてから再起動するか、キャッシュをクリアすると解決することがあります。
それでも表示されない場合は、管理者の設定によりメンバー一覧の表示が制限されている可能性も否定できません。

確認してもメンションの通知バッジが消えないときのチェック項目

メンションされたメッセージを確認したにもかかわらず、アクティビティやチャネル名の横に表示される赤い通知バッジが消えないことがあります。
この場合、まずはスレッド内の返信を含め、見逃している未読メッセージが完全にないか、画面をスクロールして隅々まで確認します。
次に試すべきは、該当するチャットやチャネルを右クリックし、「既読にする」を選択する操作です。
これにより、残っている未読情報が強制的に既読扱いになります。

これらの対処法を試してもバッジが消えない場合は、Teamsアプリの再起動や、一度サインアウトしてから再度サインインすることで、通知の状態が正常にリセットされることが期待できます。

まとめ

Microsoft Teamsのメンション機能は、個人からチーム全体、さらには特定の役割を持つグループまで、適切な範囲に宛先を指定して通知を送れる業務効率化には必須の機能です。
個人メンション、チャネルメンション、チームメンション、そして応用的なタグメンションを状況に応じて正しく使い分けることで、情報伝達の効率と確実性を飛躍的に高めることができます。

同時に、敬称の使い方や送信時間への配慮といったビジネスマナーを守ることも、円滑なコミュニケーションを維持する上で欠かせません。
日々のチャット業務でこれらの機能を最大限に活用し、生産性の向上に役立ててください。