Canvaがプロ向けデザインソフト「Affinity(アフィニティ)」を買収したことは大きな話題となっています。これにより、Canva(キャンバ)の使いやすさとAffinityの専門的な機能を組み合わせた、新しいデザイン制作の可能性が広がりました。
この記事では、Affinityがどのようなソフトなのか、そしてCanvaと連携することで具体的に何ができるようになるのかを、デザイン初心者の方にも分かりやすく解説します。
Canvaがプロ向けデザインソフト「Affinity(アフィニティ)」を無料提供へ
Canvaは2024年にAffinityブランドを展開するSerif社を買収し、2025年10月末にAffinityスイートを完全無料化しました。Affinityは、写真編集、イラスト作成、印刷物デザインといった専門的な作業に対応する高性能なソフトウェア群です。
これまで専門家が使用する高価なソフトでしかできなかった高度なデザイン作業が、Canvaユーザーであれば追加費用なしで利用可能になります。CanvaのアカウントがあればAffinityスイートをダウンロードして利用でき、Canvaの有料プランの利用者は、Affinity内でのAI機能(例:生成塗りつぶし機能)を追加で無料利用できます。 この連携は、デザイン初心者からプロフェッショナルまで、あらゆるクリエイターのデザイン制作の幅を大きく広げるものです。

Canva(キャンバ)
簡単操作で誰でもあらゆるデザインを作成できるビジネス版「Canva」
豊富なテンプレートや素材が用意されているため、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単に
プロクオリティのプレゼンテーション、動画、ポスター、メニューなどあらゆるものをデザインできます。
CanvaがAffinityを買収した背景と狙い
CanvaがAffinityを買収した背景には、デザインの全領域をカバーする総合的なプラットフォームを目指すという戦略があります。
Canvaは、誰でも簡単に美しいデザインを作成できるオンラインデザインツールとして急成長しましたが、その主なターゲットはデザインの専門家ではないユーザー層でした。
一方、Affinityはプロのデザイナーから高い評価を得ている、買い切り型の高機能ソフトウェアです。
今回の買収により、Canvaは手軽なオンラインデザインに加え、チラシやパンフレットといった本格的な印刷物デザインの分野も強化できます。
初心者からプロまで、あらゆるユーザーのデザインに関するニーズにワンストップで応える体制を整えることが、Canvaの大きな狙いと考えられます。
そもそもAffinityとは?3つの主要ソフトを解説
Affinityは、写真編集、ベクターグラフィックデザイン、ページレイアウトの機能を統合したデザインソフトウェアです。2025年10月30日に「Affinity by Canva」として無料化され、これまでの「Affinity Photo」「Affinity Designer」「Affinity Publisher」の3つの機能が3製品を含むスイートとして提供されました。これにより、プロのデザイナーが使用する高価なソフトウェアの代替品として、手頃な価格と高い性能で人気を集めてきましたが、現在は無料で利用できます。(2025年11月10日時点)
写真の加工、ロゴやイラスト作成、チラシや冊子などのページレイアウトを組むための機能が統合されており、これらの機能を使い分けることで、あらゆるデザイン制作の要求に応えることが可能です。
Affinity Designer:ベクターイラストやUIデザインに特化
Affinity Designerは、ロゴやイラスト、アイコンなどの作成を得意とするグラフィックデザインソフトです。このソフトの最大の特徴は、「ベクター」という形式のデータを扱える点にあります。
ベクターデータは、どれだけ拡大・縮小しても画質が劣化しないため、小さなアイコンから大きな看板のデザインまで、さまざまなサイズの制作物に対応可能です。直感的な操作で、滑らかな曲線や正確な図形を自由に描くことができます。
Canvaで使うためのオリジナルのイラスト素材やロゴを自作したい場合に、このAffinity Designerが非常に役立ちます。
Affinity Photo:高度な写真編集・レタッチを実現
Affinity Photoは、写真の加工や修正に特化した高機能な写真編集ソフトです。Canvaにも基本的な写真編集機能は備わっていますが、Affinity Photoを使えば、よりプロフェッショナルで細やかな調整が行えます。
例えば、写真に写り込んでしまった不要な物をきれいに消したり、特定の部分だけ色合いを微妙に変えたり、複数の写真を合成して一枚の作品に仕上げたりすることが可能です。チラシやウェブサイトに使う写真の品質を格段に向上させたい場合に、このソフトが力を発揮します。
Affinity Publisher:本格的なDTP・レイアウト作成が可能
Affinity Publisherは、複数ページにわたる印刷物のデザインやレイアウト作成に特化したソフトです。DTPとは、パソコンで印刷物データを作成することを指します。このソフトを使えば、チラシやパンフレット、カタログ、雑誌のように、文字と画像を効果的に配置する作業を効率的に進めることができます。
テキストの回り込み設定や、ページ番号の自動挿入、目次の作成など、本格的な冊子作りに必要な機能が豊富に揃っています。Canvaでもチラシ作成は可能ですが、より複雑で情報量の多い印刷物を正確にデザインしたい場合に最適なツールです。
CanvaとAffinityの連携でできるようになる7つのこと
Canvaの手軽さとAffinityの専門的な機能が組み合わさることで、デザイン制作の可能性は飛躍的に広がります。これまでCanvaだけでは難しかった高度な編集や、完全オリジナルの素材作成が身近なものになります。
テンプレートを基にしながらも、細部にまでこだわったプロ仕様のデザインを実現したり、チーム内での共同作業をよりスムーズに進めたりすることが可能です。ここでは、両者の連携によって具体的に何ができるようになるのかを7つのポイントに分けて紹介します。
1. Canvaの豊富なテンプレートをプロ仕様にカスタマイズ
Canvaの最大の魅力である豊富でおしゃれなテンプレートを土台として利用しAffinityでさらに高度なカスタマイズを加えることが可能になります。例えばCanvaのテンプレートにある図形の形を少しだけ変えたいあるいは文字に特殊な影や立体感を加えたいといった細かな調整がAffinityなら自由自在です。
これによりテンプレートを使いつつも他とは違うオリジナリティあふれるデザインを手軽に作成できるようになります。テンプレートの便利さとプロ仕様の編集機能を両立できるのが大きな利点です。
2. Canvaで作成したデザインをAffinityで細部まで再編集
Canvaでスピーディーに作成したデザインのラフ案を、Affinityに読み込んで細部を仕上げるという使い方ができます。例えば、Canvaでチラシの大まかなレイアウトや配色を決めた後、Affinity Publisherで文字と文字の間隔や行間の微調整を行い、読みやすさを追求することが可能です。
また、Affinity Photoを使って、配置した写真の色調補正をより精密に行うこともできます。Canvaの手軽さで時間を短縮しつつ、最終的なクオリティは専門ソフトでしっかり高める、といった効率的な制作フローが実現します。
3. ベクターデータの自由な編集でオリジナル素材を作成
Affinity Designerを使えば、拡大・縮小しても画像が荒れない「ベクターデータ」形式で、会社独自のロゴやオリジナルのイラスト、アイコンなどを自由に作成できます。これまではデザイナーに依頼するか、既存の素材を探すしかなかったパーツも内製できるようになります。
作成したオリジナル素材はCanvaにアップロードして、チラシやプレゼンテーション資料、SNS投稿など、さまざまなデザインに活用可能です。これにより、デザインの独自性が高まり、ブランドイメージの統一にも貢献します。
4. 高度なレイヤー機能で複雑なデザインもスムーズに制作
レイヤーとは、透明なフィルムを重ねていくように、画像や文字などの各要素を個別に管理できる機能です。Affinityには、このレイヤー機能が非常に高度に搭載されています。
多くの写真や図形、テキストが複雑に重なり合うデザインを作成する場合でも、要素ごとに整理しながら作業を進めることができます。特定のパーツだけを非表示にしたり、位置を調整したりするのが簡単になるため、修正作業も効率的に行えます。Affinityのレイヤー機能は、表示・非表示の切り替え、ロック、透明度の調整などが可能で、複雑なデザインでも要素ごとにまとめたり(グループ化)、名前を付けて整理したりすることで、効率的にデザインできます。
Canvaは2024年にAffinityの開発元であるSerif社を買収し、2025年からはCanvaユーザーであればAffinityの一部の主要機能を無料で利用できるようになりました。 Affinityはプロフェッショナルな写真編集、イラストレーション、グラフィックデザイン、DTP(デスクトップパブリッシング)のためのツールとして知られています。Canvaのレイヤー機能もまた、デザインコンテンツの各パーツに編集を加えたり、重なり順を変更したりするのに便利な機能です。
5. SNS投稿や広告バナーのデザインクオリティが飛躍的に向上
CanvaはSNS投稿用のテンプレートが豊富ですが、Affinityと連携することで、さらに他と差がつく目を引くデザインを作成できます。例えば、Affinity Photoでプロ並みに加工した美しい写真を広告バナーのメインビジュアルとして使用したり、Affinity Designerで作成したオリジナルのキャラクターイラストをYouTubeのサムネイル画像に加えたりすることが可能です。
Canvaの手軽さで量産しつつ、特に重要な投稿や広告のデザインクオリティをAffinityで引き上げることで、より効果的な情報発信が期待できます。
6. ブランドアセットを一元管理しデザインの一貫性を保持
ブランドアセットとは、会社のロゴ、テーマカラー、公式フォントなど、企業イメージの統一感を保つために定められたデザイン素材のことです。Canvaの有料プランにはこれらの素材を登録しておける「ブランドキット」という機能があります。
Affinityで作成した高精度のロゴデータや、印刷物用に調整したブランドカラーなどをCanvaのブランドキットに登録しておくことで、誰がデザインを作成しても常に一貫性のある制作物を作れるようになります。
デザインの属人化を防ぎ、組織全体でブランドイメージを維持しやすくなるのです。
7. 多様なファイル形式に対応し外部ツールとの連携も簡単に
Affinityはプロのデザイナーが使用するAdobe社のIllustrator(.ai)やPhotoshop(.psd)といった専門的なファイル形式の読み込みや書き出しに対応しています。そのため、外部のデザイン会社や印刷会社とデータのやり取りをする際に非常にスムーズです。例えば、デザイナーから受け取ったaiファイルをAffinityで開き、内容を少し修正してCanvaのデザインに活用するといった連携が可能になります。
Canvaだけでは対応が難しかった専門的なファイルも扱えるようになるため、仕事の幅が大きく広がります。
CanvaでAffinityを無料で利用するための条件と手順
Affinityスイートは、Canvaユーザーを含む全てのユーザーが追加料金なしで利用できるプロフェッショナルなデザインソフトウェアです。Canvaの有料プランに登録しているユーザーは、Affinity内のCanva AI Studioを通じて追加のAIツールを利用できるという特典があります。(無料ユーザーは利用不可。)簡単な手続きで利用を開始することが可能です。
専門的な知識は必要なく、画面の案内に従って進めるだけで、すぐに高度なデザイン環境を手に入れることができます。ここでは、その具体的な利用条件と、利用開始までの簡単なステップについて解説します。
参考:Canva|Canvaアカウントを使用してAffinityを設定する
Canvaアカウントがあれば誰でも無料で利用可能
Affinityスイートの無料利用はCanvaを利用しているユーザーが対象となります。「Canva Pro」「Canva for Teams」といった個人向け・法人向けの有料プランや教育機関向けの「Canva for Education」、非営利団体向けの「Canva for NPO」のいずれかに登録している場合はAI機能の利用も可能です。
これらのプランを利用中であれば追加の費用を支払うことなくAffinity Designer、Affinity Photo、Affinity Publisherの3つのソフトすべてを入手し永続的に使用する権利が得られます。Canvaの無料プランではAffinity自体は無料ですが、一部機能が利用できません。
Affinityスイートの利用を始めるための簡単なステップ
Affinityの利用開始手順は簡潔です。まず、Affinityのアプリケーションをダウンロードしてインストールします。
アプリケーションを起動すると、Canvaアカウントでのサインインを求められるので、「Canvaでサインイン」を選択し、指示に従ってCanvaアカウントで認証します。
その後、使用したいAffinityのソフトウェア(Designer, Photo, Publisher)を起動すれば、すべての手続きは完了です。
Affinityの導入でデザイン制作のワークフローはこう変わる
CanvaとAffinityを併用することで、日々のデザイン制作業務の流れ、すなわちワークフローが大きく変わります。Canvaの手軽さとスピード感、Affinityの専門性と緻密さという、それぞれのツールの長所を組み合わせることで、これまで以上に効率的で質の高い制作活動が実現します。
アイデアを形にするところから、細部の調整、そして最終的な仕上げまで、一連の作業がよりスムーズにつながるようになります。
アイデア出しから仕上げまでをシームレスに完結
デザイン制作のプロセスにおいて、CanvaとAffinityはそれぞれの得意分野で力を発揮します。まず、企画の初期段階では、Canvaの豊富なテンプレートを使って複数のデザイン案を素早く作成し、アイデアを具体化します。方向性が固まったら、そのデータをAffinityに移行し、プロ仕様のツールで細部を磨き上げます。
例えば、写真の色味を精密に調整したり、文字の配置をミリ単位で整えたりといった作業です。このように、ツールの長所を活かして役割分担することで、アイデア出しから最終的な仕上げまでの工程が途切れることなく、一気通貫で完結させられます。
デザイナーと非デザイナーの共同作業がより円滑に
Affinityの導入は、デザイン専門職ではない担当者とプロのデザイナーとの共同作業を円滑にします。
例えば、販促担当者がCanvaを使ってキャンペーンチラシのたたき台を作成し、伝えたいメッセージや基本的な構成をまとめます。その後、プロのデザイナーがそのデータをAffinityで引き継ぎ、デザインの専門的な観点からレイアウトを洗練させたり、素材の質を高めたりする、といった連携が可能です。
お互いの専門領域で作業を分担できるため、手戻りが少なくなり、コミュニケーションもスムーズに進むことで、全体の生産性が向上します。
まとめ
Canvaの有料プランと無料で利用できるAffinityを組み合わせることで、チラシ作成などの販促物制作を効率的かつ高品質に進めることが可能です。まず、Canvaの直感的な操作性と豊富なテンプレートを活用し、チラシの基本的なレイアウトやデザイン案を素早く作成できます。Canvaは、デザインの知識がない方でも簡単に扱えるため、時間をかけずに複数のアイデアを試すことが可能です。
次に、Canvaで作成したデザインデータを、Canvaアカウントを連携して無料で利用できるAffinityに読み込むことで、プロレベルの細やかな調整や加工が行えるようになります。Canvaで作成したデータは、Affinityに静止画像やグラフィックとして読み込むことができ、Affinity上で写真の色味調整や文字の配置調整など、クオリティを高めるための作業が可能です。また、Affinity Designerを活用すれば、ロゴやイラストなどのオリジナル素材を自由に作成し、チラシに独自性を加えることもできます。Canvaの無料ユーザーでもAffinityを利用できますが、Canvaの有料プランを利用している場合は、Affinity内で「生成塗りつぶし」や「画像生成」といったAI機能を利用することも可能です。
このように、Canvaのスピード感とAffinityの専門性を組み合わせることで、チラシ作成の時間を大幅に短縮しつつ、販促効果の高いプロフェッショナルな仕上がりを実現できます。特に、自社でチラシ作成を行う販促担当者の方にとって、安価に高品質な販促物を迅速に作成できるこの連携は、大きなメリットとなるでしょう。

Canva(キャンバ)
簡単操作で誰でもあらゆるデザインを作成できるビジネス版「Canva」
豊富なテンプレートや素材が用意されているため、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単に
プロクオリティのプレゼンテーション、動画、ポスター、メニューなどあらゆるものをデザインできます。





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