Adobe Express(アドビエクスプレス)は、プロ向け・デザイナー向けデザインソフトで知られるAdobe社が提供する、誰でも簡単にデザイン作成ができる法人向けデザインツールです。これまでデザインは専門部署や外部の制作会社に依頼していた企業も、adobe expressを活用すれば、SNS投稿用の画像やチラシ、プレゼン資料などを迅速に内製できます。
この記事では、Adobe Expressの基本的な機能から、職場での具体的な活用方法までを分かりやすく解説します。
Adobe Expressとは?デザイン未経験でも使える多機能ツール
Adobe Expressは、デザインの専門知識や特別なスキルがない人でも、プロ品質の制作物を手軽に作成できるオンラインツールです。豊富なテンプレートや素材が用意されており、SNSの投稿画像、チラシ、プレゼンテーション、簡単な動画まで、幅広いコンテンツに対応します。
直感的な操作画面に加え、話題の生成AI機能も搭載されており、デザイン作業を大幅に効率化できる多機能性が魅力です。

Adobe Express(アドビ エクスプレス)
魅力的な画像や動画、チラシやロゴを簡単に作れるデザインツール。
操作が直感的なので、デザインをしたことがない方でもスムーズに編集できます。
AiファイルやPDFファイルの微修正などにもお使いいただけます。
デザイン初心者や非デザイナーにAdobe Expressがおすすめな理由
AdobeExpressが初心者におすすめされる理由は、Photoshopのような専門ソフトと異なり、複雑な操作を覚える必要がない点にあります。あらかじめ用意されたテンプレートを選び、文字や写真を差し替えるだけで、デザインの骨格が完成します。
さらに、デザインツールによっては追加料金が必要となることもある写真の背景切り抜きといった高度な機能も、プラン料金内で利用可能です。コストをかけずにデザイン作成を始められる手軽さが、専門部署を持たない企業やデザイン未経験の担当者にとって大きなメリットとなります。
Canvaと似てる?!Adobe Express
Adobe Expressの基本的な操作性は、多くのユーザーに支持されている Canva(キャンバ)と似ているため、Canvaの利用経験がある方もあればすぐに慣れることができます。しかし、両者には明確な違いも存在します。
Adobe Expressの大きな強み:画像素材とフォントの種類
Adobe Expressの大きな強みの一つは、プロ品質のAdobe Stock画像や、洗練されたAdobe Fontsのフォントを豊富に利用できる点です。Canvaも豊富な素材を提供していますが、Adobe Expressは特にAdobe製品との連携において優位性があります。
普段からPhotoshopやIllustratorといったAdobe製品を利用している職場の場合、Creative Cloudライブラリを通じて素材やデータをスムーズに連携できるため、作業効率が格段に向上します。例えば、チラシやSNS投稿用の画像を作成する際、Adobe Expressを使えば、わずかな手間で高い品質のデザインを実現できます。
Canvaの大きな強み:テンプレート数
また、Adobe Expressのテンプレート数はCanvaに比べて劣るものの、その分一つ一つのテンプレートの品質が高く、デザインの専門知識がない方でもプロフェッショナルな仕上がりを目指しやすいのが特徴です。一方で、Canvaにはパワーポイント資料のテンプレートも多く収録されているので、商談資料のブラッシュアップやグループウェアとしての利用としても人気です。

Canva(キャンバ)
簡単操作で誰でもあらゆるデザインを作成できるビジネス版「Canva」
豊富なテンプレートや素材が用意されているため、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単にプロクオリティのプレゼンテーション、動画、ポスター、メニューなどあらゆるものをデザインできます。
Adobe Expressで作成できる制作物の具体例
Adobe Expressを使えば、ビジネスシーンで必要とされる多種多様な制作物に対応できます。具体的には、先ほど挙げたようなSNS投稿用の画像やバナー広告、イベント告知用のチラシやポスター、会議で使用するプレゼンテーション資料、名刺やロゴなどが作成可能です。
さらに、簡単な動画編集機能も備わっており、短いプロモーションビデオやSNS用の動画リールも作れます。また、Webページ作成機能を使えば、コーディングの知識がなくても、画像やテキストを配置するだけで簡単なランディングページのような単体のサイトやホームページを公開することもできます。
Adobe Expressでは難しい専門的なデザイン作業
手軽さが魅力のAdobe Expressですが、プロ向けの専門的なデザイン作業には向いていない側面もあります。例えば、印刷会社への入稿で求められるような、CMYKカラーでの厳密な色指定や、Illustratorのようにパスを駆使した自由度の高いイラスト制作は困難です。
また、テキストや画像をミリ単位で精密に配置するような、厳格なレイアウト調整も得意ではありません。あくまで、非デザイナーが迅速に見栄えの良いデザインを作成するためのツールであり、複雑で専門性の高い作業はPhotoshopやIllustratorなどプロ向けソフトの領域となります。
Adobe Expressが持つ4つの優れた特徴
Adobe Expressは、ビジネスパーソンにとって魅力的な複数の特徴を備えています。プロフェッショナルが作成した高品質なテンプレートや素材が豊富に揃っている点、専門知識がなくても直感的に操作できる手軽さはその一つです。さらに、話題の生成AI機能による作業効率化や、デバイスを問わず編集できる利便性も備わっています。
高品質なテンプレートや素材が豊富に揃っている
Adobe Expressの大きな魅力は、プロのデザイナーが作成した高品質なテンプレートが豊富に用意されていることです。SNS投稿、チラシ、プレゼンテーションといった用途を選ぶだけで、目的に合ったデザインのひな形が多数表示されます。気に入ったテンプレートを選んで文字や写真を入れ替えるだけで、見栄えの良い制作物が短時間で完成します。
また、Adobe ExpressはAdobe Stockと連携しており、無料で50万点以上の写真素材が利用可能です。Creative Cloudコンプリートプランの利用者は、2億点以上のAdobe Stock素材を追加料金なしで利用できるため、デザインの幅が大きく広がります。Creative Cloudコンプリートプランを検討している場合はビズらくに気軽にお問い合わせください!お問い合わせはこちら
専門知識がなくても直感的な操作でデザインが完成する
Adobe Expressは、専門知識がない人でも迷わず使えるように、直感的な操作性が追求されています。デザインの編集は、主にマウスで要素をドラッグ&ドロップするだけで完結します。テキストの追加や編集、フォントの変更も、ワープロソフトやパワーポイントのような感覚で簡単に行えます。
写真の差し替えやサイズの調整も、画面上で直接操作するだけです。複雑なメニューや機能を覚える必要がなく、初めて触る人でもすぐに基本的な操作をマスターし、デザイン作成を始めることが可能です。
話題の生成AI機能でデザイン作業を効率化できる
Adobe Expressには、Adobe独自の生成AI「Adobe Firefly(アドビファイヤーフライ)」が搭載されており、デザイン作業を大幅に効率化します。「テキストから画像を生成」機能では、欲しい画像のイメージを日本語の文章で入力するだけで、AIが自動でオリジナルの画像を生成してくれます。
また、「テキスト効果」機能を使えば、入力した文字を花柄やメタリック調など、さまざまな質感で装飾することが可能です。
これにより、素材探しの時間を短縮したり、ユニークなデザイン表現を簡単に追加したりできるため、ゼロから制作する手間が省けます。これらの作業はすべてExpress内で完結し、外部のサイトへのリンクをたどる必要もありません。
PCだけでなくスマホやタブレットからも編集可能
Adobe ExpressはパソコンのWebブラウザ上で動作するクラウドサービスのため、ソフトウェアのインストールが不要です。ID・インターネット環境さえあれば、どのパソコンからでもアクセスして作業を行えます。
さらにスマートフォンやタブレット向けの専用アプリも提供されており、場所を選ばずにデザインの作成や編集ができます。例えば外出先でスマホを使ってSNS投稿用の画像を修正したり、移動中にタブレットでプレゼン資料を確認したりといった柔軟な働き方が可能です。データは自動でクラウドに保存されるため、デバイスが変わってもスムーズに作業を引き継げます。
Adobe Expressの料金体系:無料プランと有料版プラン
Adobe Expressの料金体系は、主に2つのプランで構成されています。一つは、基本的な機能を無料で利用できる「無料プラン」で、個人利用やお試しの場合に最適です。もう一つは、より多くの機能や高品質な素材が使えるようになる有料の「Adobe Express グループ版」です。
ビジネスで本格的に活用したい場合や、デザインのクオリティをさらに高めたい場合には、Adobe Express グループ版プランが適しています。どちらのプランを選ぶかによって利用できる範囲が異なるため、自社の用途に合った料金プランを選択することが重要です。
無料プランとAdobe Express グループ版プランで利用できる機能の違い
無料プランと有料のAdobe Express グループ版の主な違いは、利用できる素材と機能の範囲にあります。有料版であるAdobe Express グループ版では、無料プランに比べて格段に多くのテンプレートや高品質な写真、イラスト、フォントが無制限で利用可能になります。
また、ブランド管理機能も大きな違いの一つで、企業のロゴやブランドカラー、フォントを登録し、誰が作成しても統一感のあるデザインを維持できるのは有料プランの強みです。さらに、SNSの予約投稿機能やPDFの編集機能、より大容量のクラウドストレージなど、ビジネスを効率化する高度な機能はAdobe Express グループ版で提供されます。
Adobe Expressの基本的な使い方を4ステップで解説
Adobe Expressの使い方は非常にシンプルで、デザイン経験がない人でもすぐに使いこなせます。ビズらくにてAdobe Express グループ版 を契約し、開通後アカウントを登録してログインし、作りたいもののテンプレートを選び、あとはテキストや画像を差し替えて編集するだけです。最後に完成したデザインをダウンロードまたは共有すれば、すべての工程が完了します。
この4つの基本的なステップを覚えれば、誰でも簡単にデザイン作成を始められます。これから、Expressの使い方の各ステップを具体的に見ていきます。
ステップ1:Adobe Expressを契約してログインする
まず、ビズらくにアクセスし、Adobe Expressを契約します。契約開通後は、登録した情報でログインします。
サイトや操作画面はすべて日本語に対応しているため、安心して進められます。初めてログインすると、簡単な操作ガイドが表示されることもあり、基本的な使い方をすぐに把握できるようになっています。
ステップ2:豊富なテンプレートから作りたいものを選ぶ
ログインすると、ホーム画面に「何を制作しますか?」という問いと共に、SNS投稿やチラシ、動画といった制作物の種類が表示されます。ここから作成したいものを選択するか、検索窓に「セールチラシ」のようにキーワードを入力して、目的に合ったテンプレートを探します。
テンプレートは用途ごとに最適なサイズであらかじめ設定されているため、自分でサイズを調整する必要はありません。Adobe Express グループ版では、作成したSNSコンテンツをそのまま予約投稿する機能も利用できます。
ステップ3:テキストや画像を差し替えて自由に編集する
使用したいテンプレートを選択すると、編集画面に移動します。ここからは、テンプレート上の文字や写真を自社の情報に差し替える作業です。
テキストボックスをクリックすれば、新しい文章を入力でき、画面左のメニューからフォントの種類や色、大きさを自由に変更できます。
画像も同様に、クリックして表示されるメニューから、手持ちの写真をアップロードしたり、Adobe Stockの豊富な素材ライブラリから選んだりして入れ替えます。編集中のデータは自動でクラウドに保存されるため、作業が消えてしまう心配はありません。
ステップ4:完成したデザインをダウンロード・共有する
デザインが完成したら、画面右上にある「ダウンロード」ボタンをクリックします。すると、PNG、JPG、PDFといったファイルの形式を選択する画面が表示されるので、用途に応じて選びます。例えば、Webサイトで使う画像ならJPG、印刷するチラシならPDFが適しています。
また、「共有」機能を使えば、完成したデザインのリンクを生成し、上司や同僚に確認を依頼することも可能です。共同編集者として招待すれば、複数人で一つのデザインを同時に編集することもでき、チームでの作業が円滑に進みます。
【実践編】職場ですぐに使えるAdobe Expressの活用事例
Adobe Expressはツールの使い方を覚えるだけでなく、実際のビジネスシーンでどのように役立つかを知ることが重要です。ここでは多くの企業で日常的に発生する業務の中から、「SNSマーケティング」「社内プレゼンテーション」「イベント告知」という3つの具体的な活用事例を紹介します。これまで時間やコストがかかっていたデザイン関連の業務を、いかに効率化できるかを見ていきましょう。
SNSマーケティング用の投稿コンテンツをスピーディーに作成
企業の公式SNSアカウントを運用する上で、定期的で質の高いコンテンツ投稿は欠かせません。Adobe Expressには、Instagramの投稿やストーリーズ、Facebookのカバー画像など、各SNSに最適化されたテンプレートが多数用意されています。
新商品の紹介やキャンペーンの告知画像を、デザイン経験のない担当者でもテンプレートを活用することで、わずか数分で作成できます。Adobe Express グループ版のブランドキット機能を使えば、企業のロゴやブランドカラーを保存しておけるため、常に統一感のある投稿を維持することが容易になります。
デザイナーが作ったAiデータやPDFの手直し
デザイナーが作成したAdobe Illustrator(Ai)データやPDFファイルは、一般的に専用のソフトウェアでしか編集できませんが、Adobe Expressを活用すれば、これらを簡易的な手直しすることが可能です。
例えば、取引先から送られてきたPDF資料に軽微な修正を加えたい場合や、デザイナーが作成したAiデータをWebサイト用に手早く調整したい場面で役立ちます。
具体的には、ExpressのPDF編集機能を使えば、PDF内のテキストの修正や画像の差し替えが手軽に行えます。また、AiファイルをExpressに読み込むと、一部の要素が画像として扱われる場合もありますが、テキストの変更や写真の追加・削除など、簡単なレイアウト調整は十分に対応できます。
これにより、専門部署や外部のデザイナーに毎回依頼する手間と時間を削減し、迅速な対応が求められるビジネスシーンでの柔軟性が向上します。特に中小企業においては、デザイン関連業務の効率化に大きく貢献するでしょう。
イベント告知用のチラシやポスターをデザイン
社内イベントや製品セミナー、地域向けの催し物などを告知するためのチラシやポスターのデザインも、Adobe Expressを使えば専門業者に依頼せずに内製できます。印刷に適した高解像度のテンプレートを選び、開催日時や場所、内容などのテキスト情報を入力し、関連する写真を配置するだけで、プロが作ったようなデザインが完成します。
Webサイトへの誘導に便利なQRコードを生成してデザイン内に配置する機能もあり、オフラインからオンラインへの連携もスムーズです。完成データは印刷用のPDFで出力できるため、コストと時間を大幅に削減できます。
まとめ
Adobe Expressは、デザインの専門知識がない人でも、プロ品質のSNS投稿、チラシ、資料などを直感的な操作で作成できる強力なツールです。豊富なテンプレートや素材、作業を効率化する生成AI機能が搭載されており、パソコンだけでなくスマートフォンからも編集できるため、場所を選ばずにデザイン作業を行えます。
社内の広報やマーケティング、資料作成といった幅広い業務に活用でき、デザイン業務の内製化によるコスト削減と時間短縮を実現します。価格もお手頃で利用できるため、まずはその手軽さと機能性を実際に試してみてはいかがでしょうか。




