2026年以降の法改正まとめ|職場に影響するポイントを解説!

2026年以降、さまざまな法改正が控えています。いずれも職場に影響を及ぼす内容であり、場合によっては就業規則や勤怠管理、給与計算の方法などを大きく変更しなければならない可能性があります。本記事では法改正の内容と影響の出るポイントについてまとめています。今後の対応策を練るためにも、ぜひ理解を深めておいてください。

目次

2026年に施行される法改正一覧

2026年には、下記のような複数の法改正が予定されています。

2026年に施行される職場にまつわる法改正

  • 労働基準法の大幅な改正
  • 労働安全衛生法の改正
  • 雇用保険法の改正
  • 下請法から、取適法へ

このほかにも、職場に影響を及ぼす法改正があり、就業規則や勤怠管理、契約書、教育体制の見直しなどが必要になると考えられます。ここでは、改正法の具体的な変更点やどのような企業対応が求められているのかについて、法律ごとにわかりやすく解説します。

【2026年1月施行予定】下請法の改正

下請法(下請代金支払遅延等防止法)は改正を受けて「取適法(中小受託取引適正化法)」に名称が変更されます。今回の法改正は、中小企業と大企業の間で公正な取引の実現を目指す大規模な制度改革です。価格転嫁に関するルールが明確になり、発注書面の交付義務や電子取引データの保存義務も強化されます。

企業側は、法律の適用対象となる企業基準に「従業員数」が加えられているため自社が対象になるかの確認が必要です。加えて、契約書のひな型を見直したり、支払期日を確実に守る体制を整えたりするなど、これまで以上に実務面での対応が求められます。
参照元:中小受託取引適正化法ガイドブック|公正取引委員会


発注・取引データを保存するならクラウドストレージがおすすめ

この改正に伴い、発注書面や契約書の電子化・長期保存や取引データの検索性・改ざん防止が中小企業の課題となります。「Dropbox(ドロップボックス)」なら、これらの課題を一括で解決できます。クラウド上で暗号化し、法定保存期間に対応することができるため電子取引データの安全な保存が可能です。さらに改ざん防止とコンプライアンス対応を強化することができる監査ログ機能やアクセス権限管理もあるため法改正対応はもちろん、業務効率化にも直結します。

Dropbox

Dropbox

重いデータの活用と共有・共同作業はお任せ。
クラウドストレージの決定版『Dropbox』の法人向けサービス。
柔軟なアクセス権限設定が可能なのでセキュリティ強化できます!

商品を詳しく見る

【2026年4月施行予定】労働安全衛生法の改正

段階的に施行されている労働安全衛生法の改正には、ストレスチェックの義務化の対象拡大や化学物質による健康障害の防止策、また機械等による労災防止の促進などが盛り込まれています。

特に、ストレスチェックがこれまで努力義務だった従業員数50人未満の企業についても義務化されること、新たに個人事業主が労災等を防止する安全衛生対策の対象となることが職場に大きな影響を及ぼすと考えられます。加えて、高齢の労働者の災害を防ぐため、職場環境の整備も事業者にとって重要な責務となります。
参照元:労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)の概要|厚生労働省


ストレスチェック義務化に対応するならジョブカン労務管理がおすすめ

ストレスチェックは実施の準備から集団分析まで手間のかかる業務です。これらの業務を効率的に行いたいなら「ジョブカン労務HR」の導入がおすすめです。ストレスチェックを行う従業員側もパソコンやスマートフォンから回答でき、回収したデータは即座に自動集計されるため、手作業による集計作業の必要がありません。

ジョブカン労務HR

ジョブカン労務HR

従業者・社員情報を一元管理・業務効率化するための労務管理システム。
保管や管理の難しいマイナンバーがWEB上で管理・閲覧できるだけでなく
新入社員の入社手続きもWEB完結で実現!

商品を詳しく見る
【ジョブカン労務HR】ストレスチェック機能紹介資料

【ジョブカン労務HR】ストレスチェック機能紹介資料

労働者50名以下の事業所でも義務化されるストレスチェック。
あなたの職場のストレスチェック実施体制に不安はありませんか?
「ジョブカン労務HR」のストレスチェック機能をまとめた資料をダウンロードできます!

資料を見る

【2026年4月施行予定】女性活躍推進法の改正

女性活躍推進法改正では、従業員数101人以上の企業において男女間賃金差異や女性管理職比率などの情報公表が義務付けられます(100人以下の企業は努力義務)。企業側は育児介護休業法・雇用保険法の法改正とあわせて、男女ともに働きやすい環境への整備を進めていく必要があります。
参照元:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律の概要(令和7年法律第63号、令和7年6月11日公布)|厚生労働省

【2026年4月施行予定】障害者雇用促進法の改正

障害者の法定雇用率は段階的に引き上げられており、2024年の2.5%から2026年7月には2.7%となる予定です。企業は、週所定労働時間が20時間未満でも条件を満たせば雇用者としてカウントできるなど、障害者雇用率の算定方法を再確認する必要があります。そのうえで、勤務時間の調整や職場環境の整備など、合理的配慮に関する取り組みを進めることが求められます。

また、法定雇用率の引き上げにより、雇用義務の対象事業主の範囲が従業員数37.5人以上へと変わります。該当する場合は、採用計画の見直しや職場環境の整備、支援機関との連携などさらなる対応が求められます。
参照元:障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について|厚生労働省

【2026年4月施行予定】雇用保険法の改正

多様な働き方を支えるための雇用のセーフティネットの構築を目的に法改正が進められています。具体的には、雇用保険の適用対象者がこれまでの週20時間以上から、週10時間以上の短時間労働者へと拡大されます。加えて法改正には、育児休業給付の保険料率の引き上げ(0.4%から0.5%)なども含まれています。

企業側は雇用保険対象者が増えることへの対応、法に則った給与計算や各種手続き方法の更新など実務面で求められる対応が増えることが予想されます。
参照:雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要|厚生労働省

【2026年度中】年金制度の改正

在職老齢年金の見直しや保険料や年金額の計算に使用する賃金の上限を引き上げ、社会保険の加入対象の拡大など段階的に施行される計画です。

同時に社会保険の企業要件の撤廃や短期労働者への適用対象拡大なども進められており、企業側にとっては高年齢者の雇用継続がしやすくなるものの、社会保険料などの企業負担の増加給与設計への影響を見据えて対応していく必要があります。
参照元:年金制度改正の全体像|厚生労働省

【2026年以降施行見込み】労働基準法の改正

2026年以降に大幅な改正が見込まれているのが労働基準法です。労働基準関係法制研究会で検討が進められている7つの改正ポイントを取り上げます。


勤務間インターバル制度の義務化

勤務終了後から次の勤務開始までに一定の休息時間を確保することを目的としている「勤務間インターバル制度。これまでは努力義務でしたが、従業員の健康を守り、仕事と生活のバランスを向上させることを目的に法改正でこの制度を義務化することが検討されています。

インターバルについては、勤務間インターバル時間として11時間を確保することを原則とする方針が示されています。そのうえで、業務上やむを得ない事情がある職種や状況については適用除外を設けたり、11時間確保が難しい場合には代替措置を認めるなど、多くの企業が導入しやすくなるよう柔軟な対応を法令や労使協議で定める考え方が示されています。
参照元:勤務間インターバル制度をご活用ください|厚生労働省


連続勤務についての上限規制の設置

連続勤務による健康リスクを低減するため、2週間(14日)以上の連続勤務を禁止する規制案が議論されています。これは現行の4週4日の特例だと理論上は連続勤務が48日間可能となるためです。ただし、災害復旧が顧客や従業員の安全上必要な業務である場合は代替措置を設けるなどの議論も同時に進められています。企業側には法改正に準じた勤務表の作成や代休取得の管理など柔軟な対応が求められます。
参照元:参考資料|厚生労働省


法定休日明示の義務化

現在は週に1回以上の休日を付与することが義務化されていますが、改正法ではあらかじめ特定した法定休日を確定しておくことが検討されています

休日運用があいまいになっている企業や交代勤務制を採用している現場などでは、改正にあわせた対応策を考えておく必要があります。また、就業規則や勤務カレンダーの抜本的に見直す必要がある企業も出てくると考えられます。
参照元:参考資料|厚生労働省p.15


有給休暇の賃金算定における「通常賃金方式」の原則化

わかりやすい支給体系を目指す法改正として年次有給休暇の賃金の計算方法が見直され、今後は「通常賃金方式」が原則となる方針が示されました。これまで用いられていた平均賃金や標準報酬方式では、日給や時給で働く方にとって不利となる場合があるためです。法改正がなされた場合、企業側には給与計算の統一化やシステム対応などの準備が求められます。
参照元:参考資料|厚生労働省 p.18


「つながらない権利」に関するガイドラインの策定

欧州等で広がっている勤務時間外の業務連絡を断れる「つながらない権利」を法改正で明文化するように検討が進んでいます。日本では罰則を設けるのではなく、企業が労働組合などと話し合いを重ねてルールを作るためのガイドラインを整備する方向性です。

テレワークなど多様な働き方が広がる中で、企業側も勤務外の連絡ルールやチャット利用ポリシーを随時見直しておく必要があります。
参照元:参考資料|厚生労働省 p.17


副業・兼業者の労働時間通算ルールの見直し

副業や兼業をしている人の労働時間を通算するルールが見直され、割増賃金の計算において労働時間を合算して管理する仕組みを廃止する方向で検討が進められています。現行の課題として複数の職場で働く場合、それぞれの労働時間を合算して計算しなければなりません。これは企業の管理負担が大きく、副業を推進する上での障壁となっていました。法改正が実現すれば、企業側の複雑な給与計算の負担軽減が期待できます。
参照元:参考資料|厚生労働省 p.19


一部業種における週44時間労働特例措置の廃止

2026年から2027年初頭に特定業種かつ従業員数10人未満の事業場で認められていた週44時間の特例措置を撤廃する方向性で議論が進められています。これは将来的な「全業種で週40時間労働へ統一」を目的とした法改正のひとつです。

対象となる事業場を持つ企業は、就業規則や所定労働時間の再設定、シフト変更などの対応を進めていかなければなりません。
参照元:参考資料|厚生労働省 p.13

まとめ

2026年以降、下請法や雇用保険法をはじめとするさまざまな法改正が施行される予定です。企業は、労働基準法改正の議論も踏まえながら、就業規則や勤怠管理体制など必要な見直しを計画的に進めていくことが求められます。これを機に勤怠管理や労務管理などのシステム導入を検討される担当者様も少なくありません。導入相談やサービス選定でお悩みのお客様はお早めにビズらくにご相談ください!お問い合わせはこちら

TOPへ