ペーパーレス化とは? メリットや推進の方法、DXとの関連を説明

ペーパーレス化とよく耳にするものの、具体的にどのような取り組みなのか、どう進めればよいのかわからない、といった企業経営者や担当者もいるかもしれません。本記事では、ペーパーレス化の意味やメリット・デメリット、具体的な取り組み事例などを解説します。

 

目次


ペーパーレス化とは?

企業の規模を問わず、職場のデジタル化は必須です。日本の少子高齢化は著しく、生産年齢人口も減少の一途をたどっています。企業は人材の確保が難しくなり、限られたリソースをうまく活用しながら事業を営まなくてはなりません。このような状況下で、企業はペーパーレス化をはじめとした職場のデジタル化を進め、効率よく業務を遂行できる環境を構築する必要があります。


ペーパーレスの意味:電子化とほぼ同義

ペーパーレス化とは、業務における紙媒体の使用を減らす、もしくはなくそうとする取り組みです。具体的には、会議で使用する資料を用紙に印刷する、紙の請求書や見積書を作成する、といったことをなくし、デジタルデータを用いたやり取りや保存を行います。

ペーパーレス化と電子化に大きな違いはありません。もともと紙に記録していた内容をデジタルデータ化(電子化)するのがペーパーレスです。

ペーパーレス化を進める法律

ペーパーレス化は民間レベルの取り組みではなく、政府も推奨しています。実際、働き方改革の一環としてペーパーレス化が掲げられているほか、法改正によって取り組みやすい環境の整備が続けられています。

たとえば、改正電子帳簿保存法です。もともと、1988年に施行された法律であり、過去数回にわたり改正が繰り返されてきました。直近の改正は2022年です。それまでは、電子帳簿を導入する際に税務署長の事前承認を得る必要がありましたが、改正によって不要となりました。

また、2017年の改正前は電子化するデータの原本を紙で保存する必要があったものの、これも改正によって、電子データのみでの保存が可能となっています。

なぜペーパーレス化が進められているのか

幾度となく法改正が行われていることからもわかるように、ペーパーレス化は国を挙げて進められている取り組みです。働き方改革の推進という背景もあり、今後は規模を問わず、あらゆる業種や業界の企業でペーパーレス化が求められます。


ペーパーレス化で働き方改革

ペーパーレス化への取り組みは、働き方改革の実現につながります。ペーパーレス化によって、印刷や保管、管理などにリソースを費やす必要がなくなり、手間とコストを削減できます。余計な手間を削減できれば業務時間の短縮にもつながり、残業の削減も可能です。

多様な働き方の実現も、働き方改革に含まれています。ペーパーレス化を進め、クラウドストレージなどを導入すれば、従業員はオフィス以外の場所からでも業務に必要なデータへアクセスできます。その結果、従業員の働き方にテレワークという選択肢が加わるほか、オフィスの縮小につながるのもメリットです。


ペーパーレスはDX化のはじめの一歩

DXを実現するには、デジタイゼーションデジタライゼーションが不可欠です。デジタイゼーションはデジタル技術の活用による業務プロセスの効率化を、デジタライゼーションはデジタル技術活用によってビジネスに変革を、もたらすことです。

企業を取り巻く環境はどんどん変化しています。変わりゆく状況への対応が遅れていては、競合にシェアを奪われ、事業の継続すら危ぶまれます。時代に置いていかれないよう、DX化への対応や変革もスピーディーに進めていかねばなりません。

ただ、適切なDX化には専門人材も必要であり、一朝一夕には進められないものです。まずはデジタイゼーションの一環としてペーパーレス化から取り組み、スモールスタートでDX化を確実に進めていきましょう。

経済産業省「DXレポート2中間取りまとめ(概要)」
https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-3.pdf

ペーパーレス化の方法と具体例


ペーパーレスを取り入れる方法

まずは、自社の現状把握から始めましょう。業務でどのような書類を扱っており、電子データはどう管理しているのか、ペーパーレス化できるのは何か、などを把握します。そのうえで、目標や目的を決めましょう。たとえば、目的はコスト削減、目標は半年で帳簿関連の書類すべてのペーパーレス化、といった具合です。

次に、データの保存要件を確認しましょう。電子化の際には、見読性と完全性、機密性、検索性などの保存要件を満たす必要があります。データの解像度やファイル名をつける際のルール、アクセス権限の設定なども考慮し、運用体制も構築します。

準備ができたら、従業員にきちんと周知しましょう。ペーパーレス化によって影響を受けるのは、現場で働く従業員です。必要性やメリットなどをわかりやすく説明し、理解を得なければなりません。

取り組みやすいペーパーレス化の具体例

第一に、情報を紙ではなく常にパソコンやスマートフォンなどの端末で閲覧、確認するような習慣づけです。従業員への連絡事項などもメールやチャットを使うといった具合に、すぐ取り組めるものから始めるのが成功への近道となります。

LINE WORKS

既読確認のほか、チャットや音声・ビデオ通話、写真・
動画・ファイルも送信簡単。
LINEと同じような使いやすさで操作もらくらく。
誰でもすぐに使えるビジネス版LINE。

 

WowTalk

クローズドな環境で充実したコミュニケーションを行える
ビジネスチャット。新入社員からベテラン社員まで、
誰もが使いやすいシンプルな画面で導入後も安心.
無料通話や日報、掲示板など機能が豊富。

 

第二に、入社手続きや経理業務などの電子化です。これらの手続きや業務では、大量の書類を使用するケースがほとんどなので、電子化すれば手続きや業務の簡略化、効率化につながり、コストダウンも実現できます。

SmartHR

入社手続きや年末調整など様々な手続き書類を
オンラインで完結してペーパーレス化。
入社時に入力された情報や住所変更や扶養変更等の手続
き情報は集約され、従業員情報を一元管理ができます。

 

マネーフォワード クラウド

面倒な会計・経理手続きをカンタンにするクラウド会計ソフト。
登録番号の管理やインボイスフォーマットでの請求書発行・受領が可能!
電子帳簿保存法にも対応しているのでデータ保存も安心です。

 

第三に、電子契約の導入です。オンラインで契約できるシステムを活用すれば、契約書の作成や印刷、郵送といった手間がなくなり、契約締結までの時間も短縮できます。

CLOUD SIGN

使いやすくて、わかりやすい操作画面で導入も安心。
書類受信者の登録は不要!クラウドサイン導入後も安心して
契約の締結が可能。
金融機関や官公庁も利用する電子契約サービス。

 

ペーパーレス化のメリット

さまざまなデータを電子保存すれば、求める情報をスピーディーに取得でき、業務効率化につながります。効率よく業務を遂行できる環境が整備され、生産性向上につながる点もメリットです。

加えて、コストダウンを実現できるのも魅力です。用紙代やインク代などのほか、大型OA機器のリース代、保管スペースも削減でき、組織における利益の最大化に寄与します。

さらには、デジタルデータゆえに従業員間で容易に共有できるほか、簡単に持ち出せなくなるため、紛失や情報漏えいを防げます。また、組織のデジタル化やDX化へ積極的に取り組んでいる企業であるとアピールでき、イメージアップにつながるのもメリットです。

ペーパーレス化のデメリットと課題

まず、情報を把握しづらい点がデメリットです。紙の資料はその場で広げて一覧できますが、電子データはタブレット端末やパソコンなどで閲覧することから、全体像の把握に時間がかかります。

次に挙げられるのは、従業員に慣れが求められる点です。ペーパーレス化にあたって不可欠となる、新たなIT機器やルールなどに、従業員は慣れなくてはなりません。業務に支障をきたさないよう、余裕をもった導入計画の立案が求められます。

さらに、ツール選びも慎重に進めなくてはなりません。サポート体制やセキュリティ水準などをチェックしましょう。万一システム障害が起きた場合の対応も確認しておくのが無難です。

ペーパーレス化を始めるならビズらくで!

ペーパーレス化への取り組みが急務であると理解できてはいるものの、IT人材がおらず進められない、といった企業も多いと考えられます。ペーパーレス化は、たしかな知識のもとスムーズに進めないと、さまざまなリスクを招きかねません。

ペーパーレス化の方法やツールの導入手順に悩んでいる状況なら、ビズらくで一緒にペーパーレスを進めましょう!デジタル化に関する困りごとやトレンドに対応したお役立ち情報や、あなたの職場の状況に応じた商品を提供しております。効率よくスムーズにペーパーレス化を進めていきましょう。

組織や事業の規模にかかわらず、あらゆる企業にとってペーパーレス化は急務です。正しいポイントを踏まえたうえで、ペーパーレス化に取り組んでみましょう

まとめ

ペーパーレス化への取り組みにより、業務効率化やコストダウンを実現でき、働き方改革の推進にもつながります。ただ、従業員が慣れるまでに時間がかかる、慎重にツールを選ぶ必要があるなどの課題があることも覚えておきましょう。今後もペーパーレス化についてのコンテンツをビズらくでは展開予定ですのでぜひチェックしてみてください!

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