デザインツールとして人気のCanvaは、無料版でも多くの機能が使えますが、有料プランにアップグレードすると、デザインの自由度が高まり、商用利用できる範囲も広がります。本記事では、Webサイト・SNSの運用を担当する方へ向けて、無料版との違い、3種類の有料プランの比較、Canvaの導入メリットを解説します。
Canva有料プランは3種類|ProとTeamsの違いは?
Canvaの有料版は、利用する目的や組織の規模に合わせて3つのプランから選択できます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
個人向け|Canva Pro(キャンバ プロ)
便利な背景除去や画像サイズ変更をワンクリックでできるマジックリサイズ、ブランドキットなどのプレミアム機能が利用可能な便利なプラン。年額は1ライセンスあたり12,000円(税込)で、1TBのクラウドストレージ付きです。デザイン初心者でも、直感的に高品質なデザインを作成でき1IDから契約が可能なので個人利用や個人事業主におすすめです。
※Canva Proプランはビズらくではお取り扱いありません。ご注意ください。価格等の情報は2025年6月23日時点のものとなります。
法人・チーム向け|Canva Teams(キャンバ チームス)
リアルタイムでの共同編集や承認フロー、テンプレートの共有、AIを使った画像生成(回数制限あり)など、企業やチームでの作業をサポートする機能が充実したプラン。作成したデザインや素材、フォルダを、チーム全体に共有できる機能もあるので属人化を防いで、担当者が突然変わった時などにも対応ができます。
年額は1ライセンスあたり16,500円(税込)で、こちらのプランも1TBのクラウドストレージ付きです。3ライセンスからご契約可能になりますので保育園・学校の先生や飲食店の広告担当、企業のSNS運用チーム・マーケティングチーム等規模の3~10名程度の少人数チームでのご利用におすすめです。
大企業・複数部署利用向け|Canva Enterprise(キャンバ エンタープライズ)
複数のチームやブランドをまとめて管理できるほか、段階的な承認設定、ユーザーの権限設定やアクセス制限、外部との共有設定もでセキュリティもより高度な機能が利用でき、より高度な組織管理機能を搭載しています。また、1つの組織内に、複数のチームを作成でき、部署ごとやプロジェクトごとにチームを作成することで少人数での運用も可能でとても便利です。年額は1ライセンスあたり25,300円(税込)で、こちらのプランも1TBのクラウドストレージ付きです。最低25名から利用可能なため、企業の複数部署で導入を検討している場合におすすめです。

Canva(キャンバ)
簡単操作で誰でもあらゆるデザインを作成できるビジネス版「Canva」
豊富なテンプレートや素材が用意されているため、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単に
プロクオリティのプレゼンテーション、動画、ポスター、メニューなどあらゆるものをデザインできます。
どの有償プランを利用する場合でも、 450万点のテンプレートと1億3,000万点以上の素材を商用利用できるのが Canva(キャンバ) の大きな魅力です。簡単なマウス操作だけで、デザインを素早く作成できるため、デザイン業務の効率化に貢献します。動画の作成も可能です。
▼ビズらくマーケメンバーもCanvaで動画を作ってみました!
Canva無料版と有料版の主な違い
基本的なデザインを作成するだけなら、無料版でも十分に対応できます。しかし、有料版にアップグレード・移行すると、ストレージ容量が1TBに増え、自由に使用できる素材も1億点以上になるほか、多くの機能が利用できます。例えば、背景の削除やサイズの一括変更、ブランドキットの利用に加え、AI生成ツールやSNSの予約投稿も可能です。より高度な機能を活用できるようになれば、業務の効率化を図りながら、プロレベルのデザインを作成できます。
Canva有料プラン7つのメリット
1. 背景透過や背景削除がワンクリックでできる
有料プランで利用できる背景リムーバーは、AIが画像の不要な背景を自動で発見し、素早く削除してくれる機能です。人物や商品など、形が複雑なのものでも正確に処理できるため、画像の合成や加工作業をスムーズに進められます。無料版では利用回数に制限がありますが、有料プランであれば何度でも使用できるため、頻繁に画像を扱う作業の効率化に有効です。

これまで、背景を除去するには、Photoshopのような専門ソフトが必要でした。しかし、Canvaの有料プランを利用すれば、特別な知識がなくてもワンクリックで簡単に処理できます。ECサイトの商品画像やSNS用のビジュアル制作など、さまざまな場面で活用できるため、作業の効率が大きく上がり、デザインの質も高まります。
2. 有料素材・写真が無制限で使える
Canvaの有料プランは、1億点を超える高品質な写真・動画・イラスト・音源を、追加料金なしで無制限に利用できるのも魅力です。外部サイトから素材を探す手間がかからないため、大幅な効率化が期待できます。また、無料プランでは使えない王冠マーク付きの素材やテンプレート、3,000種類以上のプレミアムフォントも自由に使用できます。

デザインの幅が広がれば、他社との差別化も実現しやすくなるはずです。デザインの専門知識がない従業員でも、Webサイト・SNSの運用効果を高める高品質なビジュアルを作成できるようになります。
3. ブランドキットでデザインの一貫性を保てる
Canvaの有料プランには、ロゴやフォント、カラーなど、ブランド要素をまとめて管理できるブランドキット機能があります。フォントやカラーなど、集約された複数の要素は、どのデザインにもワンクリックで簡単に反映できます。これにより、複数の担当者が作業する場合でもブランドイメージをスムーズに統一することが可能です。
ブランドガイドラインや使用制限も設定できるため、全員が同じルールに従って作業する環境を整備できます。重要なロゴや背景をロックしておけば、誤った編集や誤用も防止できます。
4.リアルタイムで共同編集できる(Teamsの場合)
Teamsプランを活用すると、複数人でのデザイン作業のリアルタイムな共同編集が行えるようになります。ブレインストーミングやコメントの投稿、タグ付けなどのやり取りを、ひとつの画面で完結できるのもポイントです。テンプレートやブランドカラー、ロゴ、フォントなどの素材はフォルダでまとめて管理し、必要に応じてチーム内で共有できます。すでに作成したデザインやテンプレートを再利用できるため、制作作業の効率が向上します。
また、メンバーが退職した場合でも、個別のデザインファイルを簡単に引き継げるため、業務が中断する心配がありません。さらに、「表示可」と設定しない限り、自動的にメンバー全体へ公開されないなど情報共有の範囲を管理できるため、安心してチームでの制作に取り組めます。
5. 1TBのクラウドストレージが使える
無料版からCanva ProやCanva Teamsにアップグレードした場合、ストレージ容量が5GBから1TBへ増量します。そのため、高画質の画像や動画、多くのデザインデータを安心して保存することが可能です。保存したデザインはクラウド上で整理・管理できるため、必要に応じてフォルダへ分類したり、テンプレートとして再利用したりすることも容易です。
また、自社のロゴやブランド素材、よく使う写真などをまとめてアップロードしておけば、作業中にすぐに取り出せるため、業務効率が向上します。自動バックアップ機能によって、毎回データを保存する手間も省け、データを失うリスクも削減されます。Webサイト・SNSで長期間にわたり情報発信を続ける中小企業にとって、1TBの大容量ストレージは頼もしいサポートとなるでしょう。
6. AI画像生成など最新機能が使える
有料プランでは、最新のAI機能を使用してより高度なデザインを作成できます。例えば、テキストを入力するだけで画像を自動作成できる「マジック生成」は、月に500回まで利用できる(2025年6月23日時点)ため、デザインのマンネリ化を防止するのに有用です。また、2025年のアップデートでは、AIによるプレゼンテーション作成や、配色・テンプレートの自動提案機能が強化されました。
さらに、人物や物体を自動で切り抜く「マジック切り抜き」や、複数の画像を自由に組み合わせられるブレンド機能なども利用できるため、複雑な編集作業もスムーズに進められます。
7.マジックリサイズでサイズ変更が自由自在
「マジックリサイズ」とは、 InstagramやX(旧Twitter)など、SNSに合わせて投稿サイズをワンクリックで自動変換できる機能です。また、「コピーとサイズ変更」機能を利用すれば、元のデザインを保持しながら新規キャンバスで作成した別サイズの画像も同時に保存できます。

さらに、静止画だけでなく、動画やMP4形式のデザインもまとめてリサイズにも対応しており、カスタムサイズ設定では、ピクセル(px)、センチメートル(cm)、インチ(in)の単位で、縦横比やサイズを自由に調整することも可能です。リサイズ後は、切り抜きツールやドラッグ操作を使って各要素を簡単に微調整できるため、効率よく完成度の高いビジュアルを作成できます。
Canvaの商用利用はどこまで可能?禁止事項と注意点を解説
Canvaで作成したデザインは、基本的に商用利用が認められています。ただし、無加工の素材やテンプレートを、そのまま販売したり配布したりすることは禁止されています。また、Canvaの利用規約において作成したデザインやテンプレート自体をそのまま商標登録することも認められていません。商標登録の対象となるのは、一部の線や図形など、限られた素材のみです。
有料プランにアップグレードすれば、無料版には含まれないPremium素材(写真、動画、フォントなど)が利用できるようになり、広告や商品パッケージなど、さまざまな用途での商用利用が可能です。さらに、有料版では素材のライセンスが包括的かつ明確に定められているため、より安心して利用できるのもポイントです。
ただし、音声素材をCMやメディアで使う場合、LINEスタンプに転用する場合など、用途によっては利用規約で制限されている場合もあるため注意が必要です。なお、AI生成コンテンツやブランドキットに含まれる素材の商用利用については、現時点ではグレーゾーンとされています。実際に利用する前に、必ずライセンス条件や利用規約を確認するようにしましょう。
参照元: Canvaのコンテンツライセンス契約
Canva有料プランについて理解してアップグレードを検討しよう
Canvaには3つの有料プランがあり、幅広いデザインに対応できるさまざまな機能が提供されています。商用利用の際は利用規約を確認し、適切に活用しましょう。

Canva機能の説明と導入事例紹介資料
プロクオリティーのデザインを簡単に作れるデザインツール「Canva」について、基本の機能や
使用例をご紹介した資料です。Canvaについて興味のある方はまずこちらをご覧ください。