企業の総務・広報担当者は、社内外に向けた情報発信のために、日々さまざまな制作業務に携わっています。しかし、デザインの専門知識がない場合、質の高いクリエイティブの作成に時間やコストがかかるという課題を抱えがちです。
クラウド型デザインツール Canva(キャンバ)は、そうした課題を解決し、誰でも簡単に見栄えの良いデザインを作成できるため、多くの企業で導入が進んでいます。
この記事では、総務・広報担当者に向けて、Canvaの具体的な活用術を解説します。
総務・広報担当者がCanvaを導入すべき3つの理由

Canva(キャンバ)
簡単操作で誰でもあらゆるデザインを作成できるビジネス版「Canva」
豊富なテンプレートや素材が用意されているため、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単に
プロクオリティのプレゼンテーション、動画、ポスター、メニューなどあらゆるものをデザインできます。
Canvaを導入することは、日々のクリエイティブ業務に多くのメリットをもたらします。
専門的なデザインスキルがなくても、クオリティの高い制作物を短時間で作成できるようになるため、業務効率が飛躍的に向上します。
また、チームでの共同作業を円滑にする機能も備わっており、デザイン業務の属人化を防ぎ、組織全体の生産性を高めることにつながります。
ここでは、導入すべき具体的な理由を3つの観点から紹介します。
専門知識がなくてもプロ品質のデザインが作成できる
Canvaには、プロのデザイナーが作成した豊富なテンプレートが用意されています。
プレゼンテーション資料やSNS投稿、チラシなど、作りたい制作物の種類を選ぶだけで、デザインのベースが完成します。
あとはテキストや写真を差し替えるだけで、専門知識がなくても簡単に見栄えの良いデザインに仕上げることが可能です。
直感的な操作でフォントの変更や色の調整も自由に行えるため、デザイン経験のない担当者でも安心してクオリティの高いクリエイティブを作成できます。
素材探しから解放されクリエイティブ制作時間を短縮
デザイン制作において意外と時間がかかるのが、写真やイラストなどの素材探しです。Canvaには、数百万点以上の高品質な写真、イラスト、アイコン、動画、オーディオ素材が用意されており、ツール内で検索から配置までを完結できます。
これにより、外部の素材サイトを探し回る手間を省き、クリエイティブ制作にかかる時間を短縮できます。ただし、Canvaの素材を商用利用する際は、ライセンスや利用規約に基づいた使用が求められます。
特に、素材の無加工での販売や再配布、商標登録を目的とした利用は禁止されている場合があるため、利用規約の確認と適切な加工が必要です。これらの点に注意することで、より本質的な企画やコンテンツの検討に時間を充てられるでしょう。
チームでの共同編集によりデザイン業務がスムーズになる
Canvaのチーム機能を活用すれば、複数人でのデザイン業務が格段にスムーズになります。
作成したデザインをチームメンバーと共有し、リアルタイムで同時に編集作業を進めることが可能です。
コメント機能を使えば、修正依頼やフィードバックをデザイン上の特定箇所に直接残せるため、認識の齟齬を防ぎ、確認作業の効率化を実現します。
例えば、総務部で組織図を更新する際や、企業のロゴを入れた資料を作成する際に、関係者全員で協力しながら作業を進められます。
【広報業務編】Canvaで作成できる社外向け制作物の具体例
広報担当者にとって、企業の魅力を社外へ効果的に発信することは重要なミッションです。
Canvaを活用すれば、 SNS投稿用の画像からプレスリリース、イベント告知用のチラシ、さらにはWeb媒体の広報誌に至るまで、多岐にわたるクリエイティブを内製できます。
テンプレートを使ってデザインを統一することで、企業のブランドイメージを一貫して伝え、社外からの信頼性向上にも貢献します。
SNS投稿でエンゲージメントを高める画像や動画
企業の認知度向上やファン獲得において、SNSでの情報発信は欠かせません。
Canvaには、Instagramのフィード投稿やストーリーズ、X(旧Twitter)、Facebookなど、各プラットフォームの推奨サイズに最適化されたテンプレートが豊富に揃っています。
静止画だけでなく、テキストやイラストに動きをつけるアニメーション機能や、短い動画を編集する機能も備わっているため、ユーザーの目を引き、エンゲージメントを高める投稿を簡単に作成できます。
これにより、日々の投稿業務の負担を軽減しつつ、発信の質を維持できます。
Webサイトやブログ記事を彩るアイキャッチ画像
オウンドメディアやブログ記事のクリック率を左右する重要な要素が、アイキャッチ画像です。
記事の内容を視覚的に伝え、読者の興味を引く魅力的な画像は、コンテンツの価値を高めます。
Canvaを使えば、記事のテーマに合った写真やイラストを選び、タイトルなどのテキストを組み合わせるだけで、プロが作成したようなアイキャッチ画像を短時間で作成可能です。
デザインの知識がなくても、テンプレートを活用することで、サイト全体で統一感のあるデザインを保ちながら、効率的に画像を作成できます。
企業の魅力を伝える会社紹介資料やプレスリリース
取引先への提案やメディアへの情報提供に用いる会社紹介資料やプレスリリースは、企業の信頼性を示す重要なドキュメントです。
Canvaにはプレゼンテーション用のテンプレートが多数用意されており、グラフや表、画像を効果的に使用して、情報を分かりやすく整理できます。
テキストばかりでなく視覚的に訴えることで、企業の強みや事業内容をより魅力的に伝えることが可能です。
紙媒体の広報誌と同様に、デザイン性の高い資料を手軽に作成することで、企業のブランドイメージ向上に貢献します。
イベント告知に効果的なチラシやポスター
セミナーや展示会、オンラインイベントなどの告知には、ターゲットの興味を引くデザインが不可欠です。
Canvaには、イベント告知に特化したチラシやポスターのテンプレートが豊富に用意されており、日時や場所、内容といった情報を差し替えるだけで、目を引く告知物をスピーディーに作成できます。
印刷に適した形式でのダウンロードも可能なため、Web上での告知から紙媒体での配布まで、一貫して対応できます。
魅力的なクリエイティブでイベントへの期待感を高め、集客効果の最大化を図ります。
採用活動で応募者の心をつかむ説明会スライド
採用活動において、会社説明会は応募者に企業の魅力を直接伝える重要な機会です。
Canvaを活用すれば、企業のビジョンや事業内容、社風などを伝えるための説明会スライドを、視覚的に分かりやすく作成できます。
写真や動画を組み込み、テンプレートを使ってデザインに一貫性を持たせることで、プロフェッショナルな印象を与え、応募者の入社意欲を高めます。
質の高いクリエイティブは、企業のブランディングにもつながり、採用競争力を強化する一助となります。
【総務業務編】Canvaで作成できる社内向け制作物の具体例
総務の業務は多岐にわたりますが、その中でも社内コミュニケーションの活性化は重要な役割の一つです。
Canvaは、社内報や掲示物、研修資料、組織図など、従業員に向けたさまざまな制作物の作成をサポートします。
デザイン性の高いツールで情報を分かりやすく伝えることは、円滑な組織運営と従業員エンゲージメントの向上に貢献します。
紙媒体の広報誌作成のような手間をかけずに、質の高いコミュニケーションツールを内製できます。
社員のエンゲージメント向上につながる社内報
社内報や社内広報誌は、企業理念の浸透や部門間の相互理解を促進する重要なツールです。
Canvaには雑誌やニュースレターのテンプレートが豊富にあり、写真やテキストを入れ替えるだけで、デザイン性の高い社内報を効率的に作成できます。
社員インタビューやプロジェクト紹介、イベントレポートなど、コンテンツに合わせてレイアウトを柔軟に変更可能です。
読むのが楽しくなるような紙面作りを通じて、社内コミュニケーションを活性化させ、社員のエンゲージメント向上を後押しします。
情報を分かりやすく伝えるための社内掲示物
社内ルールや福利厚生の案内、イベント告知など、従業員へ周知したい情報は数多く存在します。テキストだけの掲示物では見過ごされがちですが、Canvaを使えば、アイコンやイラストを活用して視覚的に分かりやすいデザインに仕上げられます。
これにより、情報の伝達効果が高まり、従業員の理解を促進します。
また、定期的な更新が必要な組織図なども、テンプレート化しておくことで、担当者の変更や部署の改編があった際に迅速かつ簡単に見栄えの良いものを作成できます。
新入社員研修で活用できるオリエンテーション資料
新入社員がスムーズに会社に馴染むためには、分かりやすい研修資料が不可欠です。
Canvaのプレゼンテーション機能を活用すれば、企業の歴史や経営理念、各部署の役割、業務フロー、組織図などを、図やイラストを交えて視覚的に整理した資料を作成できます。
テキストだけでなく、写真や動画を盛り込むことで、新入社員の興味を引きつけ、理解を深めることが可能です。
一度テンプレートを作成すれば、翌年以降も内容を更新するだけで再利用でき、研修準備の効率化にもつながります。
統一感のあるデザインで作成する名刺や封筒
名刺や封筒は、社外に対して企業の第一印象を形成する重要なアイテムです。
Canvaには名刺や封筒のテンプレートも用意されており、企業のロゴやブランドカラーを適用するだけで、デザインに統一感のある印刷物を内製できます。
外注する場合と比較して、コストを抑えながら、急な人事異動や入社に伴う追加発行にも迅速に対応することが可能です。
全社で統一されたデザインを使用することで、企業のブランドイメージを強化し、信頼性を高める効果が期待できます。
企業アカウントで活用したいCanvaの便利機能
Canvaを最大限に活用するためには、個人での利用にとどまらず、企業としてチームで使える有料プランの導入が効果的です。
特に有料プランである「Canva Teams(キャンバ チームス)」プランでは、デザイン業務の効率化とブランドイメージの統一を実現する便利な機能が多数搭載されています。
企業のロゴやカラーを一元管理したり、複数人でスムーズに共同作業を進めたりすることで、デザイン業務の属人化を防ぎ、組織全体のクリエイティブ品質を向上させます。

Canva(キャンバ)
簡単操作で誰でもあらゆるデザインを作成できるビジネス版「Canva」
豊富なテンプレートや素材が用意されているため、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単に
プロクオリティのプレゼンテーション、動画、ポスター、メニューなどあらゆるものをデザインできます。
企業ブランドの統一感を保つ「ブランドキット」機能
「ブランドキット」は、企業のデザインに関する規定を一元管理できる機能です。企業のロゴデータ、ブランドカラーのカラーコード、公式フォントなどをあらかじめ登録しておくことができます。
デザインを作成する際、登録したブランドアセットをワンクリックで適用できるため、担当者が複数人いても、常にブランドガイドラインに準拠した、統一感のある制作物を作成可能です。
これにより、手作業での色設定やフォント指定のミスを防ぎ、企業のブランドイメージを一貫して保ちます。
複数人での作業を効率化する「チーム機能」と共同編集
「Canva Teams(キャンバ チームス)」プランでは、部署やプロジェクトごとにチームを作成し、メンバー間でデザインを共有しながら作業を進めることができます。
作成したデザインに対して、上長がリアルタイムで確認し、コメント機能で修正指示を出したり、承認ワークフローを設定したりすることも可能です。
例えば、広報担当者が作成したSNS投稿案をマーケティング部がレビューしたり、総務部が更新した組織図を各部署で確認したりといった連携がスムーズになります。
企業のロゴなどのアセットも共有でき、効率的な協業体制を構築できます。
無料プランと有料プランで利用できる機能の違い
Canvaは無料プランでも基本的なデザイン作成が可能ですが、ビジネス利用においては有料プランが推奨されます。
有料プランでは、背景透過や画像サイズの変更が可能な「マジックリサイズ」、全てのプレミアム素材(写真、動画、イラストなど)へのアクセス、そして前述の「ブランドキット」といった高度な機能が利用できます。
特に、複数人での利用を想定する場合は、デザインの一元管理や承認機能が充実している「Canva Teams(キャンバ チームス)」プランが最適です。
業務の効率とデザインの質を向上させるために、目的に合ったプランの選択が重要です。
CanvaのAI機能を活用して広報・総務の業務を効率化
Canvaには、デザイン作業をさらに効率化するためのAI機能が搭載されています。
これらの機能を活用することで、文章作成や画像生成といったクリエイティブ制作のプロセスを大幅に短縮できます。
これまで時間のかかっていた作業をAIに任せることで、担当者は企画立案や戦略策定といった、より付加価値の高い業務に集中することが可能になります。
AIのサポートにより、クリエイティブの質と生産性の両方を向上させることができます。
キャッチコピーや文章を自動生成する「マジック作文」
マジック作文は、キーワードや簡単な指示文を入力するだけで、 AIが文章を自動生成してくれる機能です。
SNS投稿のキャプション、ブログ記事の構成案、プレスリリースの見出し、社内広報誌で使う文章のたたき台など、さまざまな用途に活用できます。
アイデア出しに詰まった時や、文章作成の時間を短縮したい場合に非常に有効です。
生成されたテキストをベースに編集や追記を行うことで、オリジナリティのあるコンテンツを素早く完成させることが可能です。
テキストから画像を生成する「マジック生成」
「マジック生成」は、作成したい画像のイメージをテキストで入力すると、AIがその内容に合ったオリジナルの画像を生成する機能です。
「会議でプレゼンテーションをするビジネスパーソン」や「未来的なオフィスの風景」といった具体的な指示を与えることで、瞬時にユニークな画像を生成します。
ストックフォトでは見つかりにくい、特定のニッチなシチュエーションの画像が必要な場合に特に便利です。
資料やWebサイトに独自性のあるビジュアルを加え、表現の幅を広げることができます。
まとめ
Canvaはデザインの専門知識がない総務・広報担当者にとって業務を効率化し制作物の質を高めるための強力なツールです。豊富なテンプレートと素材を活用することで SNS投稿から社内広報誌、組織図まで多岐にわたる制作物を誰でも簡単かつ迅速に作成できます。
有料プランのチーム機能やブランドキットを使えば企業のロゴやカラーを適切に管理し
複数人での共同作業においてもブランドイメージの統一を図ることが可能です。さらにAI機能を活用すれば文章作成や画像生成といったクリエイティブ業務の負担を軽減できます。

Canva機能の説明と導入事例紹介資料
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