2025年の崖とは? DXの現状や企業が行うべき対策を解説

日本経済の発展に向け、企業は「2025年の崖」へ向き合っていく必要がありますが、その際に大きな課題となるのは、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の遅れです。本記事では、2025年の崖とは何かをわかりやすく解説し、その克服に向けたDX推進の現状や課題、企業が行うべき対策もあわせて紹介します。

目次

2025年の崖とは

2025年の崖(がけ)とは、2018年に経済産業省が発表したDXレポート内で用いられた言葉です。具体的には、企業のDX推進の遅れにより、2025年以降に国内で年間最大12兆円の経済損失が起こり、日本企業の競争力が低迷するという想定を指します。「2025年の崖」を克服し、日本企業が世界の市場で競争力を優位に保っていくためには、企業が一丸となってDX推進に取り組むことが不可欠です。
参照元:経済産業省「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」20ページ

「2025年の崖」克服に欠かせないDX推進の現状

経済産業省による「DXレポート2.2」では、自己診断に取り組む企業や、部門横断でDXを推進する企業の割合が増加傾向にあるとされています。
参照元:経済産業省「DXレポート 2.2(概要)」4ページ

しかし、市場全体で見ると、大企業(従業員1,001人以上)と中小企業(従業員100人以下)とでは、DX推進への取り組み状況に大きな差があります。「IPA DX動向2024」によれば、何らかの形でDXに取り組んでいるとの回答が、大企業では96.6%であるのに対し、中小企業では44.7%でした。
参照元: IPA「DX動向2024」2ページ

企業がDX推進を進めていくためには“中長期目線”の考え方が必要不可欠ですが、まだまだ浸透不足であるのが現状です。目先の利益にこだわった既存事業への投資ではなく、中長期的な利益につながるような新規事業へのIT投資率を上げると、企業成長にポジティブな影響をもたらします。これらの変革については、トップダウンの考え方で、企業全体が問題意識を持って取り組むことが重要です。

「2025年の崖」の主な課題

「2025年の崖」克服にはDX推進への積極的な取り組みが欠かせませんが、それを阻む課題が多く存在しているのも事実です。ここからは「2025年の崖」克服を阻む、主な課題を紹介します。


既存システムのレガシーシステム化

レガシーシステム」とは、年々新たに登場する技術・仕組みにより、古くなってしまったシステムのことです。既存システムがレガシーシステム化すると、革新的なビジネスモデルや新技術に対応できず、市場変化に後れを取る可能性が高まります。膨大な優良データを持っていても、上手く活用できなければ、宝の持ち腐れです。また、上述のDXレポートでは、2025年までに国内の既存システムのうち、約60%がレガシーシステム化すると予測されています
参照元:経済産業省「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」20ページ

こうしたレガシーシステム化の弊害は、大企業・中小企業に限らず個人事業主にも関わるものであり、事業を行う全ての人が向き合わなければならない課題です。


IT人材の不足

企業がDX推進に注力する上で、ITの知識に精通している「IT人材」の確保は必須です。しかし、企業によってはベンダー企業に外部発注や外部委託しなければならないほどIT人材が不足しています。IT人材の外部発注は、短期で見るとメリットが多いものの、中長期で見ると、社内スタッフを教育する機会を妨げたり費用がかさんでしまったりと、企業成長の観点からはデメリットも多い施策です。

また、外部スタッフの人手不足も深刻な問題となっており、社内外のIT人材が足りず、業務遂行に大きな影響を及ぼす状況が懸念されています。
経済産業省の発表によると、2030年には最大79万人のIT人材不足が起こると予測されているため、早急に対策を取るべき課題のひとつです。
参照元:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果~報告書概要版~」7ページ


サイバーセキュリティリスク

既存システムがレガシーシステム化すると、サイバーセキュリティリスクが増大すると懸念されています。サイバー攻撃の手法は年々複雑になっており、レガシーシステムのままで最新のサイバー攻撃を防ぎきるのは困難です。また、国内全体でIT人材が不足しているため、サイバー攻撃のようなセキュリティトラブルが発生した際、迅速に対応できず、被害が拡大しかねません。

サイバー攻撃を受けると、最悪の場合、企業や顧客の情報が漏えいし、企業としての信頼が大きく損なわれるとともに、その存続すらも危ぶまれます。サイバーセキュリティリスクを減らすためには、最新のセキュリティ対策が施されたシステムを利用することが重要です。

「2025年の崖」のため企業が行うべき対策

「2025年の崖」の克服を阻む課題は多くありますが、正しく対策すればその克服も難しくありません。以下では、「2025年の崖」に向けて企業が行うべき対策をわかりやすく紹介します。


DX推進のガイドラインを策定し見える化する

DX推進に企業一丸となって取り組むためには、DX推進状況を“見える化”する策が有効です。
見える化する策のひとつとして、経済産業省が推奨している「DX推進システムガイドライン」の策定が挙げられます。ガイドラインがあることで、経営陣のみならず、現場も新しいシステムを導入する意義や手順を共有しやすくなるからです。

ガイドラインをより実践的なものにすべく、策定にあたっては経済産業省が公表した「DX推進指標」における定性指標と定量指標のチェックリストをもとに、DX推進の成熟度を6段階で評価します。評価の際は、外部サービスに委託せず自社での判断を行い、できる限り多くの部門を巻き込んで議論することが重要です。
参照元:経済産業省「DX推進指標(サマリー)」2~4ページ

各部門のDX推進状況の立ち位置・課題を見える化できると、今後打つべき策がわかりやすくなります。評価をしただけで終わらず、各部門が具体的にアクションを起こし、定期的に進捗状況を確認・管理するまでが大切です。


DX人材の育成・確保

企業がDX推進を効率的に進めていくためには、社内の「DX人材」の育成・確保が必要不可欠です。市場全体で見ると、現在はDX人材を外注する割合が高い傾向にあります。しかし、外注先のDX人材不足も深刻化すると予測されるため、今のうちから社内のDX人材育成・確保に力を入れて取り組むべきです。

具体的な対策としては、既存システムの維持・保守運用をしている人員をDX分野に配置転換することや、研修プログラムの一環として「ITスキル標準」や「情報処理技術者試験」を活用することが挙げられます。
参照元:「ITスキル標準」
参照元:「情報処理技術者試験」

DX人材の育成・確保には、中長期で取り組む必要があります。おおよそのスケジュール感を把握し「既存で変えられる部分」と「新規で取り組むべき部分」両面からのアプローチが必要です。


クラウドシステムの導入

既存システムのレガシーシステム化を防ぎ、最新のセキュリティ対策を行うためには、自動更新されるクラウドシステムへ切り替えることが有効です。具体例として、Microsoft Office製品のサブスクリプションサービス「Microsoft 365 」やバックオフィス業務の効率化サービス
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企業全体でクラウド化を進めると、企業のセキュリティ対策だけでなく、情報の一元化や業務効率化など、中長期で見たときに企業へもたらされるメリットが多くなります。クラウドシステムの導入は初期費用がかさみがちですが、早期の判断・切り替えができれば、今後の企業成長に結び付きます。

まとめ:「2025年の崖」克服へクラウドシステムを導入しましょう

「2025年の崖」の克服に向けて、企業は現状把握やガイドラインの策定、人員の育成・補充を着実に進めていく必要があります。中でも、ビズらくで取り扱っている自動更新されるクラウドシステムの導入は、セキュリティを高め、業務効率化などにも有効な対策です。


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