Microsoft 365 CopilotでGPT-5が使える!GPT-5の性能やGPT-4との違いは?

OpenAIが発表した最新のAIモデル「GPT-5」は「ちょっと賢い大学生から、博士号を持つ専門家」へと進化した最新のAI。従来のgpt-4oと比較し、ハルシネーション(AIの誤情報生成)が約20%減少し、思考機能を使った場合はo3 比で約70〜80%減低減しました。特に長文の事実性に関するベンチマークでは、ハルシネーション率がo3モデルの約6分の1に抑えられているといわれています。

さらに、コーディング、数学、資格認識といったベンチマークでも最高水準を達成しており、その総合的な賢さはgpt-4と比較して37%向上していると報告されています。そんな最新モデルのGPT‑5はMicrosoft 365 Copilotでも2025年8月7日から段階的に展開。Microsoft 365 Copilot / Copilot Studio に GPT‑5 を搭載、「GPT‑5を試す」ボタンが表示されるようになりました。この飛躍的な進化により、microsoft 365 copilotのユーザーは、より複雑な質問への推論や、長時間の会話における一貫性の維持、そしてより高度な業務効率化が可能になります。

目次

GPT-5の機能と特徴

GPT-5は、単なる性能向上に留まらず、AIの新たな可能性を切り拓く革新的な機能を搭載しています。従来のモデルと比較して、より賢く、より効率的に、そしてより安全に動作するように設計されている点が大きな特徴です。特に注目すべきは、「統合型AIシステム」を採用している点で、質問の内容に応じて最適なモデルを自動で使い分けることが可能になりました。これにより、ユーザーはモデル選択の手間なく、直感的にChatGPTを利用できます。

GPT-5の性能向上

OpenAIは、フラッグシップモデル「GPT-5」を2025年8月7日(米国時間)に発表しました。OpenAIはGPT-5を「これまでで最も賢く、有用なモデル」と位置づけています。

GPT-5は、その性能がさまざまなベンチマークテストで最高水準を達成しているとされています。 例えば、数学の難問を競うAIME 2025ではツールを使用しない場合で94.6%というスコアを記録し、複雑なソフトウェア開発能力を測るSWE-bench Verifiedでは74.9%を達成しました。 また、大学院レベルの専門知識を問うGPQA Diamondベンチマークでは、GPT-5 Pro(ツールなし)が88.4%を記録しているといわれています。 これらの結果から、GPT-5は単に知識が豊富なだけでなく、与えられた情報から論理的に推論し、創造的な解決策を導き出す能力が飛躍的に向上したと言えます。

さらに、GPT-5はマルチモーダル(複数の情報形式)の理解能力も向上しており、テキストだけでなく、画像や音声といった情報も統合的に処理し、画像の内容をより正確かつ詳細に理解できるようになりました。 たとえば、複雑な図表が含まれるレポートをアップロードし、内容を要約・分析させるといったタスクもこなすことが可能です。

GPT-5の安全性

GPT-5は、従来のモデルと比較して、事実に基づかない情報を生成する「ハルシネーション(AIの嘘)」が低減されているとされています。OpenAIの発表によると、Web検索を伴う応答ではGPT-4oと比較して事実誤認が約20%減少したとされており、思考機能を使用した場合、OpenAIのo3と比較して約70~80%減少したと報告されています。ただし、別の評価では、Webアクセスがない場合のハルシネーション率はより高いとも指摘されています。このハルシネーション率の低減は、特に事実確認が重要なビジネスシーンや研究分野において、大きな意味を持つと考えられています。

また、新しい安全トレーニング手法である「safe-completions」が導入されました。これは、危険な要求に対して単に回答を拒否するだけでなく、安全性を維持しつつ、可能な限り有用な情報を提供するようにモデルを訓練する手法です。さらに、外部の専門家によるレッドチームテスト(AIの脆弱性やリスクを探すテスト)が大規模に実施され、有害なコンテンツの生成や、差別的な表現を抑制するための対策が強化されています。Microsoft AI Red Teamの評価では、GPT-5は既存のOpenAIモデルの中で最も強力な安全プロファイルを持つモデルの1つであるとされています。


GPT-5の性能は?GPT-4oとの違い

GPT-5は、旧モデルであるGPT-4oと比較して、あらゆる面で性能が向上しています。特に、従来のGPT-4oが持っていた過度な丁寧さや迎合的な態度が抑制され、より正直で信頼できるAIとして振る舞うようになりました。例えば、ユーザーが誤った前提に基づいた依頼をした場合、GPT-5はそれを指摘し、より良い方法を提案するように変化しています。また、GPT-5が処理できないタスクであれば「できない」「わからない」と正直に回答するようにもなりました。GPT-5のリリースに伴い、これまで別々に提供されていたGPTシリーズとoシリーズは、一部「GPT-5」に集約されました。以前は、速度を重視するならGPT-4o、複雑な推論が必要なら、といったモデルの使い分けが必要でしたが、GPT-5に統合されたことでモデルの使い分けが不要になり、プロンプト(指示や質問)に従ってGPT-5(無印)やGPT-5Thinkingなどのモデルが自動で使い分けられるようになります。

処理速度と精度

GPT-5は、旧モデルと比較して処理速度が大幅に向上しています。具体的には、GPT-4と比較して約2倍高速化されたという情報もあります。これは、複雑な思考を深めながらも、応答速度が向上していることを意味します。精度においても、コーディングタスクで約30%向上し、全体的な賢さはGPT-4比で37%向上していると報告されています。また、マルチモーダル性能、つまりテキストだけでなく画像や音声などの複数のモダリティを統合的に処理する能力も向上しており、特に視覚認識能力が進化し、画像の内容をより正確かつ詳細に理解できるようになりました。マルチモーダル理解能力を測るMMMUベンチマークでは84.2%を達成しており、これは最先端の性能を示しています。このように、GPT-5は速度と精度の両面で目覚ましい進化を遂げており、リアルタイムでの意思決定支援や、より複雑なデータ分析など、スピードと正確性が求められる業務での活用が期待されます。

回答スタイルの違い

GPT-5は、従来のモデルに見られた過度な丁寧さや迎合的な態度が抑制され、より正直で信頼できるAIとして振る舞うようになりました。特にGPT-4oは、ユーザーに過度に忖度し、常にユーザーに気に入られるように振る舞う特徴が指摘されており、絵文字を多用することも一部から批判がありました。

しかし、GPT-5では、例えばユーザーが誤った前提に基づいた依頼をした場合、GPT-5はそれを指摘し、より良い方法を提案します。この変化により、GPT-5は従来モデルよりも信頼性の高い回答をするようになり、より安心して使えるモデルになったと言われています。さらに、OpenAIはGPT-5が「文学的な深みとリズム」を持った文章を生成できると強調しており、GPT-4oと比較して、より自然で人間らしい文章を作成できるようになりました。例えば、スピーチ原稿の作成を依頼した場合、GPT-5は聴衆の感情的な動きを考慮した、印象的な比喩や力強い結びのある原稿を提案できます。

文脈理解と創造性

GPT-5は、文脈理解の能力が大幅に向上しており、最大200,000トークン(約15万文字)もの情報を一度に理解できるようになりました。これは、従来のモデルと比較して、より長い会話や複雑な文書の全体的な意味を正確に把握できることを意味します。例えば、途中で話が脱線する長い会議の議事録や、複数の登場人物が同時に話す小説など、複雑な文章構造を持つ情報でも、GPT-5は流れを追いやすくなっています。

さらに、創造性においても飛躍的な進歩を遂げており、デザイン性の理解が向上しました。これにより、単にテキストを生成するだけでなく、美的感覚を伴うクリエイティブなタスクにも対応できるようになっています。例えば、たった一つのプロンプトで、洗練されたレスポンシブデザインのウェブサイトやアプリ、ゲームを作成することも可能です。GPT-5は、複雑な構造を持つライティングタスク、例えば無韻律の抑揚格五音歩詩や自然な流れの自由詩なども処理できます。

OpenAIの担当者も、GPT-5がクリエイティブなタスクにおいて「より良い品味」を示し、より自然な応答をすると述べています。このように、GPT-5は文脈理解と創造性の両面で、AIの新たな活用領域を広げています。

プロンプトの調整

GPT-5では、AIへの指示であるプロンプトをより細かく調整することが可能になりました。プロンプトに「深く考察してください」といった指示を追加することで、AIが思考の深さや回答の詳しさを調整できるようになっています。また、XMLタグを活用して情報を整理することで、GPT-5が内容を正確に処理し、より的確な回答を生成しやすくなります。

例えば、「本番サーバーがダウンしたエラー500が発生している緊急対応の手順を教えてください」のように具体的に記述することで、期待する回答を得やすくなるでしょう。GPT-5には、ユーザーの質問内容に応じて最適なモデル(GPT-5またはGPT-5Thinking)を自動で選択する「リアルタイムルーター」が搭載されています。GPT-5を使っていれば、「この件について深く考えてください」とプロンプトに明示的に入力したり、モデルピッカーから「GPT-5Thinking」を選択したりすることで、より深い思考を促すことが可能です。このように、チャット上での詳細なプロンプト調整が、GPT-5の能力を最大限に引き出す鍵となります。

番外編:温かさや親身さ

GPT-5は先ほども記載した通り、従来のAIモデルと比較して、より思慮深く洗練された対話スタイルを持つように調整されました。特にGPT-4oに見られた、不必要に相手に合わせたり、過剰に絵文字を使ったりする傾向が抑制されています。この変化により、「AIと話している」という感覚が薄れ、知的な友人と対話しているかのような体験を提供するようになりました。しかし、一部のユーザーからは「冷たく機械的」「感情的な相談に不向き」という指摘も出ており、OpenAIはPlusユーザー向けにGPT-4oの選択肢を復活させる方針を発表しています。このように、特定の感情的なニュアンスや親身な対応が求められる場面では、プロンプトの調整や、場合によっては旧モデルの利用も検討する必要があるかもしれません。


GPT-5の活用例

GPT-5はその飛躍的な性能向上によりビジネスのあらゆる分野で活用が期待されています特にMicrosoft365Copilotのようなツールに統合されることで日々の業務にAIがシームレスに組み込まれ従業員の生産性効率創造性を大幅に向上させる可能性を秘めています。

例えば複雑で長文のメールなどを受け取った際に、大枠を把握するためにCopilotに「メールの内容を要約して」「メールの要点を箇条書きでまとめて」などと指示することでメールの処理の時間は圧倒的に減らすことができます。また、SharePointに格納してあるファイルをもとに質問に答えることも可能なので、社内のマニュアルをSharePointに格納しておけばCopilotに「経費精算のマニュアルはどこ?」と聞くだけでマニュアルのありかを教えてくれるという環境を作ることも可能です。

業務効率化

GPT-5の導入は、日々の業務に大きな変化をもたらし、情報システム部門の皆様の業務効率化を強力に後押しします。Microsoft Copilot for Microsoft 365がGPT-5に対応したことで、従来のモデルでは難しかった、業界特有の専門用語や複雑な構造を持つデータの解釈精度が格段に向上しました。これにより、IT担当者は複雑な開発を行うことなく、最先端のAI技術を業務に取り入れ、高度で専門的な業務へのAI活用が現実のものとなります。

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もちろんIT担当者だけでなく営業担当者やマーケティング担当、バックオフィスの担当者であってもMicrosoft WordやExcel、PowerPointといった普段使いのツールで、CopilotがGPT-5の能力を活かして資料作成をサポートしたり、Outlookでメールの草稿作成を自動で行ったりすることが可能です。これにより、今まで時間を要していた定型業務の負担が劇的に減り、より創造的で戦略的な業務に集中できる時間が増えます。社内ドキュメントやデータベースとの連携機能(RAG)を活用すれば、自社の情報に基づいたカスタマイズされた回答を生成できるため、部門や業務に合わせたAIエージェントの構築も簡単に行えます。

具体的なプロンプト例

GPT-5を効果的に活用するためには、AIへの具体的な指示であるプロンプトを正確に作成することが重要です。GPT-5は指示内容によって使われるモデルが動的に変わるため、より精度の高い指示出しスキルが求められます。例えば、具体的な要件を箇条書きで示すなど、情報を整理して段階的に指示を与えることが有効です。ここからは職種ごとに使えそうなプロンプトを紹介いたします。


IT担当者・情報システム部門が活用できるプロンプト例

「現在、●●というシステムを導入しています。システムが応答しないトラブルが発生した場合の初動対応手順を教えてください」
のように具体的に状態や状況記述することで、GPT-5は情報を正確に処理し、適切な回答を生成してくれます。もちろんすべてが事実ではない可能性もありますが、どうしてよいかわからない時の第一相談先として使うのがおすすめです。


営業担当者・マーケティング部門が活用できるプロンプト例

「議事録全文を分析し、役員向けに2ページの要約を作成してください。重要意思決定、未解決課題、次回会議で確認すべき事項を箇条書きで整理してください」
会議議事録の要約では、このようなプロンプトを使用すると、大規模な議事録を一括処理し、論理的な抜け漏れも指摘可能です。会議の多い営業担当者・マーケティング部門ではこのようなプロンプトで効率化することが業務効率化の第一歩です。Zoomのオンラインミーティングの場合は、Copilotを使わずともZoom AI companionを利用すると自動で議事録作成ができるのでぜひ活用してみてください。(無料版ではご利用いただけません。)

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経営者・経営企画・部門管理担当者が活用できるプロンプト例

「2025年〜2028年の日本国内●●市場について、①ベースシナリオ、②楽観シナリオ、③悲観シナリオを作成してください。それぞれで主要リスクと推奨戦略も提示してください」
経営・事業計画の立案では、上記のように、思考の深さをコントロールする指示を含めることで、より詳細な分析結果を得られます。実際に自社の売り上げなどのデータをSharePointに格納しておけばシミュレーションなども可能になります。

まとめ:Microsoft Copilot for Microsoft 365で業務効率化しよう!

Microsoft 365のオプションである Copilot for Microsoft 365では、これらのプロンプトを実行し保存するとしCopilot プロンプト ギャラリーに登録が可能です。よく使うプロンプトは、登録しとくことで定型業務を効率化できるため、日々の業務にAIを組み込むことが可能です。Microsoft 365 Copilotの導入にあたっては、条件を満たせば「IT導入補助金」の活用が可能な場合もあります。ビズらくでは補助金申請からITツールの導入・活用、事務局への報告までをワンストップで支援する中小企業・小規模事業者様向けサービス「ビズらくIT導入補助金サポート」を展開しておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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