勤怠表とは? 勤務表との違いや保管期間、Excelでの作り方を解説

「勤怠表」は、従業員の勤怠について記録する書類であり、何より正確性が重要です。本記事では、勤怠表とは何か、勤務表との違いや勤怠表に記載すべき項目、保管期間、Excelでの作成方法、業務効率が上がる勤怠管理システムについて解説します。

目次

勤怠表とは?

勤怠表とは、従業員の勤怠状況を全て記した書類のことです。従業員が出勤・退勤の際に打刻した時間および休憩時間に加え、それをもとに集計した労働時間や有給休暇の取得状況も記載されています。給与計算や労働管理にも使用する重要な書類であり、正確性が求められるとともに、正社員、パート・アルバイト、派遣社員など、全ての従業員の記録が義務づけられています。

近年では、勤怠管理を自動化する「勤怠管理システム」を利用して、勤怠表を作成することも可能です。正確性や運用効率の面から、導入する企業も増えています。


勤怠表と勤務表との違い

勤怠表と似た意味で捉えられやすいものが「勤務表」です。勤務表は、従業員の出勤日や所定労働時間についての予定をまとめたものを指す場合が多く、実際の勤務状況を記した勤怠表とは用途や目的が異なります。


勤怠表に必要とされる主な項目

勤怠表には規定の書式はありませんが、次に解説する項目については記載しましょう。

出勤時間および退勤時間
正確な労働時間を把握するために必要となる項目です。出勤から勤務開始まで時間が空いている場合は、勤務開始時間および勤務終了時間を記載します。

労働時間
「労働時間」とは、一般的に出勤・退勤時間から休憩時間を引いた時間のことです。所定労働時間を超えると時間外労働時間となります。

時間外労働時間
いわゆる「残業時間」と呼ばれる、所定労働時間を過ぎた時間や法定労働時間を超過した時間のことです。法定労働時間を超過した労働時間については、割増賃金を支払います。

欠勤日数
既定の出勤日に対して、従業員が欠勤した日数を指します。従業員の出勤率および欠勤率の確認に用いることがあります。

遅刻や早退の回数
定時に出勤できなかったり、途中で退勤したりした回数です。通常は、その理由についても記載します。

有給休暇の日数および残数
有給休暇を取得した日数と、残っている有給休暇の日数を記載します。有給休暇の消化率を確認することが可能です。

そもそも勤怠表を作成する目的

給与計算を正確に行うため

事業者が従業員に支払う給与は、勤怠表に基づいて計算されます。勤怠表がない、もしくは勤怠表に不備がある場合は、適切な計算ができません。そのため事業者には、正確な勤怠表の作成が求められます

また、働き方改革により、時間外労働の上限規制や割増賃金の引き上げなどに関する法令が改正され、時間外労働時間の正確な把握がより重要になりました。勤怠表に勤務状況を適切に記録することで、時間外労働時間の正確な把握が可能となり、賃金の未払い防止にもつながります。


労働基準法を遵守するため

前述の通り、働き方改革関連法により、労働規制に関わるさまざまな法律が改正されました。特に労働基準法では、時間外労働時間の上限規制、有給休暇の取得義務化に加え、2023年の4月から、中小企業における残業割増賃金率引き上げや男性の育児休業取得状況の公表義務化などが定められています

これらに違反した場合、懲役刑や罰金刑に処されたり、労働基準監督署から是正勧告を受けたりする恐れがあるため、勤怠表を用いて厳密な管理に努める必要があります。
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勤怠表の保管期間は3年? 5年?

勤怠表の保管については、2020年4月における労働基準法の一部改正により、3年から5年に変更されました

労働基準法第109条において、使用者は「労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない」と定められており、勤怠表は「労働関係に関する重要な書類」に当たります。原則5年間の保存が義務づけられており、たとえ従業員が退職している場合でも、しっかり管理しておかなければなりません。なお、5年間の起算日は、基本的に勤怠表への記録を行った最終日とします。

経過措置として当面は従来の3年間の保管が適用されますが、あらかじめ準備しておくことが大切です。
引用元:厚生労働省|労働基準法

勤怠表の作り方

勤怠表の作成方法として代表的な手法を2つ紹介します。

Excelを使う方法

まずは、Excelを使って作成する方法が挙げられます。インターネット上で公開されている、テンプレートを利用したり、関数を用いて自作したりするなどの方法です。

自作する場合、SUM関数やCOUNTA関数、IF関数、TIME関数、TEXT関数などを用いて作成します。この方法で必要となるのはExcelのみであり、導入コストをかけずに勤怠表を作成することが可能です
ただし、手動入力が必要で手間と時間がかかります。入力ミスや改ざんのリスクもあり、正確性を確認するには目視が必要です。こうした手作業によって担当者の負担が増える可能性があります。

また、柔軟な対応が難しい側面も存在します。企業がフレックスタイムやリモートワークを導入している場合、Excelだけでは対応しきれないかもしれません。

法改正のたびにExcelを更新する必要も出てきます。勤怠管理に関する法的要件を満たすため、常に情報収集が欠かせません。


勤怠管理システムを使う方法

勤怠管理システムは、出勤・退勤時間の記録や残業・休日休暇の申請、労働時間の集計など、勤怠表の作成をはじめとする勤怠管理に関連する業務を、Excelによる管理の課題を解決し、効率的に支援するシステムです。

モバイル端末やパソコン画面、ICカード、生体認証などを使用して打刻を行います。これにより打刻漏れや不正打刻を防止し、正確な出退勤などの時間を把握できます。また、従業員の時間外労働や遅刻・早退、有給休暇の状況も簡単に管理ができます。割増賃金を自動計算する機能や、過剰労働に対するアラート通知を備えているシステムもあります。

さらに、クラウド型の勤怠管理システムでは、自動アップデートにより、法改正にも迅速に対応することが可能です。加えて、出退勤データのCSV出力や、Web給与明細ソフトおよびシフト管理システムなどとの連携ができるシステムも提供されおり、勤怠管理に関わる業務の効率化による人的コスト削減も期待できます。

勤怠表は、適切な給与計算や法律の遵守のために作成する必要があり、それゆえ正確であることが重要です。勤怠管理システムを用いて作成することで、正確な労働時間が把握でき、勤怠管理における業務効率化が実現します。

まとめ: 誰でもカンタンに記録ができる! ジョブカン勤怠管理で勤怠表を作成

勤怠表は、全ての従業員の勤怠状況を記載した書類であり、給与計算や労働管理に使用します。労働規制に関わる法律を遵守するためにも、正確であることや客観性が何より求められます。それには、手動の管理では限界があるため、勤怠管理システムの導入をおすすめします。

労務担当者の手間が削減できるだけではなく、システムを導入により、サービス残業の防止など労働環境の改善が可能です。これにより、従業員満足度の向上も期待できるでしょう。

「ジョブカン勤怠管理」は、誰でも簡単に使える勤怠管理システムです。シフト管理や作成機能も充実しており、パソコンやスマートフォン、チャットからでも出退勤の打刻が可能です。30日間の無料トライアルも提供していますので、ぜひお試しください。


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