LINE WORKSは、LINEと同じ感覚で使える法人向けコミュニケーションツールです。ただし、管理機能に関してはビジネス向けに作られているため、使い方をしっかりと覚える必要があります。本記事では、LINE WORKSの特徴とプランによる違い、初回ログイン方法、基本的な操作方法について分かりやすく解説します。
LINE WORKSの特徴とLINEとの違い
LINE WORKS(ラインワークス)は、LINEと同じ操作感で使えるビジネス向けのコミュニケーションツールです。LINEユーザーなら、すぐに馴染めるUI(ユーザーインターフェース)なので、新たに操作方法を覚える必要がありません。ただし、LINE WORKSには、ビジネス利用に特化したさまざまな機能が備わっているため、それらの機能を理解しておく必要があります。
LINE WORKSの概要に関しては、以下の記事を参考にしてください。

LINE WORKSとは?料金や使い方、導入メリットをチェック
基本情報や使い方、料金プラン、導入時の注意点までを整理し、
業務効率化を図りたい企業担当者に向けて導入のメリットをご紹介!
自社に合った活用方法を見つけ、業務の効率化を実現しましょう。
主な機能と特徴
LINE WORKSは、単なるコミュニケーションツールではなく、ビジネスシーンに必要な機能が備わっています。
●コミュニケーション系機能
・トーク:LINEのような操作感で使え、音声・ビデオ通話にも対応しています。
・音声、ビデオ通話:音声通話はもちろん、複数人によるオンラインでの打ち合わせ等も可能。最大200人で音声通話、ビデオ通話機能を利用することができます。
・掲示板:プッシュ通知や未読者への再通知機能があり、チームや部署単位での一斉共有に適しています。
●効率化系機能
・カレンダー:自分や他メンバーの予定確認に加え、会議室や備品などの予約管理も可能です。
・タスク:個人・チームのタスクを簡単に作成・管理でき、進捗状況の可視化にも便利です。
・アドレス帳:組織構造に沿ってメンバーを一覧で表示でき、部署や役職などから相手をすぐに探せます。
●その他の便利機能
・アンケート:テンプレートが豊富で、イベントの日程調整や安否確認など、社内の簡易アンケートに活用できます。
・メール(※アドバンストのみ):ウイルス・マルウェア対策のほか、自動分類やリマインダー機能付きでビジネス利用に最適です。
・ Drive(※アドバンストのみ):フォルダ単位でのリンク共有に対応し、社内外問わず簡単にファイル共有が可能です。
LINEとの主な相違点
LINE WORKSとLINEの違いを以下の表にまとめました。
プラン |
LINE WORKS
|
LINE
|
---|---|---|
価格 | 有料 | 無料 |
用途 |
ビジネス向け |
個人向け |
認証方法 |
専用IDとパスワード |
個人の電話番号 |
ユーザー登録 |
管理者が登録したユーザーのみ |
個人が自由に登録可能 |
音声・ビデオ通話 | ||
個別の 既読確認 |
||
ノート機能 | ||
掲示板 機能 |
||
アンケート 機能 |
||
カレンダー 機能 |
||
管理者画面 | ||
監査ログ・ モニタリング |
なお、LINE WORKSには、ビジネス向けの高度なセキュリティ対策があります。これも個人向けのLINEとは大きく異なる点です。
LINE WORKSの料金プラン早見表|無料と有料プランの違い
LINE WORKSには、「フリー」「スタンダード」「アドバンスト」といった3つのプランがあり、それぞれ利用料金や容量、使える機能などが異なります。各プランの料金は、以下の通りです。
フリープランでできること
フリープランの最大利用人数は30人、ストレージは5GBまで利用できます。使える機能は、トークとカレンダー、タスク、アドレス帳、アンケート、音声ビデオ通話、画面共有となっており、フリープランだけでもビジネス用のコミュニケーションツールとして十分機能します。ただし、いくつか注意点があるためチェックしておきましょう。
まず、有料プランに比べ、ストレージ容量が少ない点に注意しなければなりません。また、音声ビデオ通話と画面共有機能を使用した会議は最大参加人数が4名まで、通話時間は60分までとなっています。そのほか、管理者機能での詳細な設定が難しい点や、カスタマーサポートの対象外となるため、トラブルが発生した際は「LINE WORKSコミュニティ(公式FAQ)」を参考に自力で対処しなければならない点があります。
また、将来的に、フリープランの提供が終了し有料化される可能性もゼロとは言い切れないため、長期利用を考える場合は、有料プランへの移行も視野に入れておくとよいでしょう。
初回ログインから基本設定までの手順
ここからは、LINE WORKSを利用するにあたって最初に必要な「ログイン」や「基本設定」の手順を解説します。
まずは、LINE WORKSの初回ログイン時に必要なパスワード設定の手順です。
初回ログイン時に必要なパスワード設定手順
- 管理者から送られてきたIDと初期パスワードを、アプリまたは公式ホームページの所定の欄に入力する
- 任意のパスワードを2回入力する。
パスワード変更後、電話番号によるログインを希望する場合は、以下の手順でドメイン認証を行います。
電話番号によるログイン手順
- LINE WORKSアプリまたは公式ホームページにログインし、携帯電話番号を入力する。
- 端末に届いた認証番号を入力する。
従業員側対応手順
管理者から招待リンクが送られてきた際の初回ログインは、以下の手順で行います。
招待リンクからの初回ログイン手順
- メール内のURLまたは「参加する」をタップする。
- 「加入する」をタップする。
- 名前を入力する。
- IDとパスワードによるログインを希望する場合は、任意のものを入力する。電話番号でログインしたい場合は、電話番号の入力後、SMSに届いた認証番号を入力する。
管理者側対応手順
管理者がLINE WORKSに新規メンバーを招待する際の手順は以下の通りです。
新規メンバー招待手順
- アプリ内の「新規メンバー招待」をタップする。
- 「SMSで招待用リンクを送信」をタップし、自動承認使用を許可する。
- 招待するメンバーの電話番号を選択する。
- 招待したメンバーの登録が完了すると通知が届く。
LINE WORKSのトーク・通話・ファイル共有の基本操作
LINE WORKSでメンバーとチャットを行うときは、相手のトークルームを開き、メッセージまたはスタンプを送信します。ビデオ通話の開始は、トークルームから直接開始する方法と、アドレス帳から相手を選択して開始する方法があります。
複数人でビデオ会議を実施する際は、参加メンバーが登録されているトークルームから開始すると、メンバー全員に通知が届きます。
トークルームでファイルを共有したい場合には、トークルームを開き+マークからファイルを選択して該当ファイルを選び送信ボタンを送るだけで送信ができます。(PCの場合はドラックアンドドロップで可能です。)
複数人で多くのファイルを共有したいときはDrive機能を使用し、リンクまたはフォルダで共有すると便利です。なお、Drive機能の利用には、有料プランのご契約が必要です。
トークルームの作成とメッセージ送信
個別トークルームおよび複数人で使用するトークルームの作成は、以下の手順で行います。
トークルームの作成手順
- トーク画面で「社内メンバーとトーク」を選択する。
- 連絡先や組織表からトークの相手を選択する。
複数人のトークルームで、指定したメンバーにメッセージを送信する場合は、メンション機能を使うと便利です。
メンションメッセージ送信手順
- 「@」を入力し、表示されたメンバーから指定したい相手を選択する。相手の名前を直接入力することもできる。
- 続けてメッセージを入力し、送信する。
以下の手順でよく使うトークルームをピン留めしておくと、一覧の上位に表示されます。
トークルームピン止め手順
- トークルーム一覧から、ピン留めしたいトークを左にスワイプする。
- 「ピン留め」をタップする。
音声・ビデオ会議の開始方法
LINE WORKSの有料プランでは、最大200名まで参加可能なビデオ会議機能を利用できます。実施の手順は以下の通りです。
トークルーム内ビデオ会議開催手順
- 参加メンバーが所属するトークルームの「ビデオ通話」をタップする。
- 音声のみの場合は「カメラをオフにして通話」、ビデオ会議の場合は「カメラをオンにして通話」を選ぶ。
- 通知が届いたメンバーは、「参加」を選択すれば会議が始まる。
- 会議中にスマートフォンやパソコンの画面をほかのメンバーに共有するときは、「画面共有」をタップする。
また、ビデオ会議は招待リンクを作成して開始することも可能です。
ビデオ会議招待リンク作成手順
- カレンダー画面で「ビデオ参加用」メニューをタップする。
- 社内メンバーのみの会議なら「ミーティングリンクを作成」、社外メンバーも含む会議なら「外部とのミーティングリンクを作成」を選ぶ。
- 作成されたミーティングリンクを参加者にメールなどで送る。
- 参加者がリンクをクリックするとビデオ会議に参加できる。
なお、LINE WORKSには録画機能がありません。会議を録画しておきたい場合は、外部アプリの利用を検討しましょう。
LINE WORKSのセキュリティ&管理者設定のポイント
LINE WORKSを安全に活用するためには、セキュリティ設定が重要です。 LINE WORKSにアクセスできるIPアドレスを特定して制限をかけておけば、外部からの不正アクセス防止に有効です。また、監査ログ機能を使い、参加メンバーの利用状況を定期的に確認することも、不正利用の防止につながります。
なお、LINE WORKS MDMを活用すれば、モバイル端末を紛失した際も、LINE WORKSアプリのデータ削除やデバイスの初期化を遠隔操作で実施できます。ログイン時のパスワードポリシーは、管理者によって設定できるため、パスワードを長くしたり、難易度を高くしたりしてセキュリティを強化するようにしましょう。
LINE WORKS運用定着のコツ
LINE WORKSは、本格的な導入の前に少人数で利用してみましょう。限定したメンバーが基本の使い方を覚えてから全社展開することで、スムーズな運用と定着が期待できます。あらかじめ通知や返信のルールを決めておくなど、通知や返信が負担にならないためのルール作りも必要です。
例えば、「複数人のトークルームでは既読のみでよい」、「時間外の既読は不要」、「業務時間外の通知はオフにする」などのルールを策定しましょう。
LINE WORKSによる社内DX成功事例
LINE WORKSを導入し、社内DXを成功させた事例を3つ紹介します。
A税理士法人(士業・コンサル・専門サービス等)
こちらの法人では、以前は外回りの業務終了後に事務所へ戻り、電話連絡や翌日の予定確認、日報作成を行う必要があり、業務に非効率が生じていました。LINE WORKSを導入した結果、移動中でも業務対応が可能となり、日報作成の工数削減だけで月33時間の業務時間短縮を実現しています。
B株式会社(製造・小売)
内定者向けのSNSツールとしてLINE WORKSを活用。複雑な社内向けSNSよりもコミュニケーションが活発化し、内定辞退の防止にもつながったとされています。
C会社(保険)
LINEでのやり取りを希望する顧客に対応できるよう、営業部門でLINE WORKSを導入。連絡のすれ違いなどが解消されたことに加え、顧客からの相談件数が増え、対面なしでの商談も成立するといった成果が見られています。
LINE WORKSで業務効率化を実現
LINE WORKSには、ビジネス向けの便利な機能が揃っています。使用する際は、試験的に少人数から導入をはじめ、まず、管理機能についてマスターしましょう。通知や返信のルールをあらかじめ設定することも重要です。LINE WORKSを導入し、業務効率化を実現しましょう。