急速に変化する市場環境において、マーケティングを成功させるには、施策のスピードと質の両立が不可欠です。
しかし、デザインの専門知識を持つ人材がチームにいない、制作を外注すると時間とコストがかかる、といった課題を抱えるケースは少なくありません。
本記事では、デザインツール Canva(キャンバ) を活用し、マーケティング業務の効率化とクリエイティブの品質向上を実現する方法を具体的に解説します。
なぜ今マーケティング担当者がCanva(キャンバ)を導入すべきなのか?
顧客視点の4C分析や競合を意識した3C分析に基づき、マーケティングロードマップを描く上で、多様なチャネルでの迅速な情報発信が求められます。Canvaは、専門知識がなくてもドラックアンドドロップの簡単な操作で質の高いコンテンツを迅速に作成できるため、変化の速い市場に対応し、施策のPDCAサイクルを高速化する上で強力なツールとなります。
デザイナーに依頼する手間とコストを省き、担当者自身がアイデアをすぐに形にできる環境は、競争優位性を確立する一助となります。

Canva(キャンバ)
簡単操作で誰でもあらゆるデザインを作成できるビジネス版「Canva」
豊富なテンプレートや素材が用意されているため、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単に
プロクオリティのプレゼンテーション、動画、ポスター、メニューなどあらゆるものをデザインできます。
Canvaで作成できるマーケティングコンテンツの具体例
Canvaはデジタルからオフラインまでマーケティング活動で必要となる様々なコンテンツ作成に対応しています。SNS投稿用の画像や動画Web広告バナープレゼン資料など具体的な制作物の例を挙げながらその活用シーンを紹介します。
ビズらくのマーケティングチームもCanvaを導入しており、豊富なテンプレートを活用すればデザイン経験がない人でも誰でも手軽に質の高いクリエイティブ作成を開始できるのが大きな魅力です。
SNS投稿用の画像やショート動画
SNSマーケティングでは、タイムリーな情報発信とユーザーの目を引くビジュアルが重要です。
Canvaには、Instagramのフィード投稿やストーリーズ、X(旧Twitter)の投稿画像、Facebookのカバー画像など、各プラットフォームの推奨サイズに最適化されたテンプレートが多数用意されています。静止画だけでなく、簡単な操作でアニメーションやBGMを追加したショート動画も作成可能です。
これにより、エンゲージメントの高いコンテンツや効果的なSNS広告クリエイティブを、デザイナーに依頼することなく迅速に内製できます。
Web広告で使うキャンペーンバナー
Web広告運用では、キャンペーンやターゲットに合わせて複数のバナーを作成し、ABテストを繰り返すことが成果向上の鍵です。Canvaを使えば、専門的なデザインスキルがなくても、クリックを促す魅力的な広告バナーを短時間で量産できます。
例えば、新しいセミナーの告知やセール情報を訴求する際も、テンプレートを基にテキストや画像を変更するだけで、様々なサイズのバナーを効率的に展開可能です。これにより、広告クリエイティブのPDCAサイクルを高速化し、コンバージョン率の改善を図れます。
セミナーやウェビナーで使用するプレゼン資料
セミナーやウェビナーの成否は、プレゼン資料の分かりやすさと見栄えに大きく左右されます。Canvaには、ビジネスシーンでそのまま使える洗練されたデザインのプレゼンテーションテンプレートが豊富に揃っています。グラフや図表、アイコンを簡単に追加でき、視覚的に訴求力の高い資料を作成可能です。
作成した資料はオンラインで共有したり、PDFとして書き出したりできるため、セミナー後のフォローアップとして配布する際にも便利です。
また、内容を要約してブログ記事などに二次利用する際の素材としても活用できます。
見込み客を獲得するためのホワイトペーパー
見込み客獲得の有効な手段であるホワイトペーパーは、専門的な内容を分かりやすく伝えるデザイン性が求められます。Canvaには、ホワイトペーパーやeBook向けのテンプレートが用意されており、企業のブランドイメージに合ったデザインで作成できます。
グラフや図解などの視覚的な素材を簡単に追加できるため、読者の理解を促進し、最後まで読んでもらいやすい構成にすることが可能です。
完成したデータはPDF形式でエクスポートし、Webサイトからダウンロードできるように設定することで、質の高いリード獲得に貢献します。
イベント告知に使うチラシやポスター
オンラインイベントや展示会、セミナーなどのオフラインイベントの告知には、チラシやポスターといった印刷物が依然として有効です。Canvaでは、プロがデザインしたようなチラシやポスターのテンプレートを多数利用できます。
イベントのコンセプトに合わせてデザインを選び、日時や場所、内容などの情報を入力するだけで、集客効果の高い告知物を作成可能です。
印刷に適した高解像度のPDF形式でデータを書き出せるため、そのまま印刷会社に入稿できます。社内の研究ラボの成果発表会、新作発表会など、イベントの運営においても迅速に対応できます。

Canva機能の説明と導入事例紹介資料
プロクオリティーのデザインを簡単に作れるデザインツール「Canva」について、基本の機能や
使用例をご紹介した資料です。Canvaについて興味のある方はまずこちらをご覧ください。
マーケティング業務にCanvaを活用する5つのメリット
マーケティング業務にCanvaを導入することで、制作プロセスの効率化からコスト削減まで、多岐にわたるメリットが期待できます。無料プランでも多くの機能を利用できますが、企業利用ではチームでの連携を強化する機能が充実しています。
具体的に、デザイン経験の有無にかかわらず品質を担保できる点や、チームでの共同作業が円滑に進む点など、5つの主要なメリットを解説します。
デザイン未経験者でもプロ並みの制作物を作れる
Canvaの最大の特長は、デザインの専門知識や専用ソフトの操作スキルがない担当者でも、直感的な操作でプロ品質の制作物を作成できる点です。
豊富なテンプレートが用意されており、作りたいコンテンツの種類を選ぶだけで、プロのデザイナーが作成したようなレイアウトが適用されます。あとはテキストを打ち替えたり、写真をドラッグ&ドロップで差し替えたりするだけで完成します。
フォントの組み合わせや配色に悩む必要がなく、誰でも簡単に見栄えの良いデザインを作成できるため、クリエイティブ制作の属人化を防ぎます。
豊富なテンプレートでコンテンツ作成時間を短縮できる
マーケティング施策のスピードが求められる場面で、Canvaの豊富なテンプレートは大きな力を発揮します。SNS投稿、プレゼンテーション、広告バナー、チラシなど、あらゆる用途に応じたテンプレートが事前に用意されているため、デザインをゼロから考える必要がありません。
これにより、クリエイティブ制作にかかる時間を大幅に短縮できます。
急なキャンペーンの実施や、SNSでのトレンドに合わせた迅速な情報発信も可能になり、企画から実行までのリードタイムを圧縮し、施策の実行数を増やすことにも繋がります。
ブランドキット機能でデザインの統一感を維持できる
複数の担当者がクリエイティブ制作に関わる際、デザインのトーン&マナーがばらつき、ブランドイメージを損なうリスクがあります。
Canvaチームス プランに搭載されている「ブランドキット」機能を使えば、この課題を解決できます。企業のロゴ、ブランドカラー、指定フォントなどをあらかじめ登録しておくことで、チームメンバーは誰でも承認された素材や配色を簡単に呼び出して使用できます。これにより、制作担当者によるデザインのブレを防ぎ、すべてのマーケティングコンテンツにおいて一貫したブランドイメージを維持することが可能になります。
チームでの共同編集やフィードバックがスムーズになる
Canvaチームス プランでは、複数のメンバーが同じデザインファイルを同時に編集できるリアルタイム共同編集機能を提供しています。これにより、作業の分担や引き継ぎがスムーズに行えます。
また、デザイン上の特定の部分に直接コメントを残せるため、修正指示などのフィードバックが的確かつ迅速になります。
上長への承認申請もCanva上で完結できるため、メールやチャットツールを往復する手間が省け、制作から承認までのプロセス全体が効率化されます。
リモートワーク環境でも、チームの一体感を保ちながらクリエイティブ制作を進められます。
外注コストを削減して内製化を促進できる
これまでデザイン会社やフリーランスのデザイナーに外注していたバナー制作や資料作成などを内製化することで、制作コストを大幅に削減できます。Canvaを使えば、マーケティング担当者自身が簡単なクリエイティブを迅速に作成できるため、都度発生していた外注費やコミュニケーションコストが不要になります。
特に、頻繁に更新が必要なSNS投稿や細かな修正が多い広告バナーなどでは、内製化のメリットは大きいです。
コスト削減だけでなく、外注先とのやり取りにかかる時間をなくし、施策の実行スピードを向上させる効果も期待できます。
CanvaとPowerPointはどう使い分ける?それぞれの強みを解説
プレゼン資料作成ツールとして広く使われているPowerPointとCanvaは、似ているようで得意な領域が異なります。どちらか一方を選ぶのではなく、それぞれの強みを理解し、目的に応じて使い分けることが業務効率化の鍵です。
デザイン性の高いクリエイティブ制作に強みを持つCanvaと、オフラインでの作業やデータ連携に優れたPowerPointの特徴を比較し、最適な使い分け方を解説します。
デザイン性の高いクリエイティブ制作はCanvaが最適
SNS投稿、広告バナー、チラシなど、顧客の目を引きつけ、ブランドイメージを伝えることが重要なクリエイティブ制作においては、Canvaが適しています。プロのデザイナーが作成した数多くのテンプレートや、高品質な写真・イラスト・アイコンといった素材が豊富に用意されているため、デザインスキルがなくても洗練されたビジュアルを簡単に作成可能です。
操作も直感的で、Web上で共有・公開することを前提とした「見せる」ためのコンテンツ作成において、その強みを最大限に発揮します。
オフラインでの作業や複雑なデータ連携はPowerPointが有利
PowerPointは、Microsoft 365のプランにもよりますがオフライン環境でもファイルを開いて編集できるものもあるため、インターネット接続が不安定な場所や、セキュリティポリシーでクラウドサービスの利用が制限されている場合に有用です。 また、Excelで作成した表やグラフを埋め込み、元のデータが更新されると自動で反映されるといった、Microsoft Office製品間の連携機能も特徴です。 社内の多くの人が使い慣れているため、ファイルの共有がスムーズに進む点もメリットと言えます。複雑なデータを用いた社内向けの報告資料などでは、依然としてPowerPointが適しています。
企業アカウントで押さえておきたいCanvaの便利機能
Canvaを企業で導入するなら、チームでの利用を前提とした有料プラン「Canvaチームス プラン」が推奨されます。このプランには、個人利用にはない、ブランド管理やチームの生産性を向上させるための便利な機能が多数搭載されています。
ここでは、特にマーケティング業務で役立つ3つの主要な機能について、その設定方法や活用法を解説します。
ブランドの世界観を守る「ブランドキット」の設定方法
先述の通り「ブランドキット機能」は、企業のデザインに関するルールを一元管理できる機能です。
まず、設定画面から企業のロゴデータをアップロードします。次に、ブランドカラーをカラーコード(HEXコード)で複数登録し、カラーパレットを作成します。さらに、コーポレートフォントやマーケティング活動で使用する指定フォントをアップロードまたは選択して設定します。
これらを一度設定しておけば、チームメンバーはデザイン編集画面からワンクリックで自社のロゴや色、フォントを呼び出せるようになります。
これにより、デザインの属人化を防ぎ、常に統一感のあるクリエイティブを効率的に作成できます。
チームの制作物を一元管理する「フォルダ機能」
チームで制作物が増えてくると、ファイルの管理が煩雑になりがちです。「フォルダ機能」を活用すれば、作成したデザインを体系的に整理し、一元管理できます。
例えば、「2025年夏キャンペーン」「SNS投稿用画像」「セミナー資料」といったプロジェクトや用途別にフォルダを作成し、関連するデザインを格納します。
これにより、必要なファイルに素早くアクセスでき、過去の制作物を探す手間が省けます。
フォルダごとにアクセス権限を設定することも可能なため、関係者以外への共有を防ぎ、セキュアなファイル管理を実現します。
AIがデザインをアシストする「マジック生成」
Canvaには様々なAI機能が搭載されており、クリエイティブ制作を強力にアシストします。例えば、マジック生成(AI画像生成)は、簡単な指示テキストを入力するだけで、デザイン案を複数自動で生成してくれます。
また、マジック作文(AI文書作成)機能を使えば、キャッチコピーやSNSの投稿文のアイデア出しも可能です。画像の不要な部分を消したり、背景を瞬時に除去したりする画像編集機能も充実しており、これまで時間のかかっていた作業を大幅に短縮します。
AIの力を借りることで、デザインのアイデア出しから仕上げまで、制作プロセス全体のさらなる効率化が図れます。
企業でCanvaを導入する前に確認すべき注意点
Canvaは非常に便利なツールですが、企業として導入する際には、いくつか事前に確認しておくべき注意点があります。
セキュリティポリシーとの整合性や、コストパフォーマンス、そしてツールの特性上の限界を理解しておくことで、導入後のトラブルを防ぎ、スムーズな運用が可能になります。
ここでは、導入前に検討すべき3つのポイントを解説します。
セキュリティポリシーと利用ルールの事前策定
企業でCanvaを導入する際は、まず自社のセキュリティポリシーを確認し、クラウドサービスの利用が許可されているか、またどのような条件があるかを把握する必要があります。その上で、チーム内での利用ルールを策定することが重要です。
例えば、未公開の新製品情報や個人情報といった機密情報をCanva上で扱わない、アップロードする写真やイラスト素材は著作権をクリアしたものに限定する、といった具体的なルールを定めて周知徹底します。
これにより、情報漏洩や著作権侵害といったリスクを未然に防ぎ、安全な利用環境を構築します。
無料プランと有料プランでできることの違い
Canvaには無料プランもありますが、企業で本格的に利用する場合は、有料プラン「Canvaチームス プラン」の導入が推奨されます。
無料プランでは、利用できるテンプレートや写真・イラスト素材の数に限りがあり、背景リムーバなどの便利な機能も使えません。一方、有料プランでは、数億点のプレミアム素材が使い放題になるほか、本記事で紹介したブランドキット、承認ワークフロー、AI機能「MagicStudio」といったチームでの生産性を高める機能がすべて利用可能です。
チームでの利用を前提とするなら、これらの機能が業務効率を大きく左右するため、有料プランの導入を検討すべきです。

Canva機能の説明と導入事例紹介資料
プロクオリティーのデザインを簡単に作れるデザインツール「Canva」について、基本の機能や
使用例をご紹介した資料です。Canvaについて興味のある方はまずこちらをご覧ください。
完全なオリジナルデザインには不向きなケースもある
Canvaはテンプレートを基に効率よくデザインを作成するツールであるため、ゼロから作り上げる完全なオリジナルデザインや、非常に複雑で緻密なグラフィック表現には向いていません。
企業のCI/VIの根幹となるロゴマークの制作や、特殊な加工を要するキービジュアルの作成など、高い独創性が求められる場合は、AdobeIllustratorやPhotoshopといったプロ向けの専門ツールが必要です。
Canvaは日々のマーケティング活動で量産するコンテンツを効率化するためのツールと位置付け、必要に応じて専門ツールや外部デザイナーと使い分けるのが賢明です。
まとめ
マーケティング担当者がCanvaを導入することで、デザインの専門知識がなくても、SNS投稿や広告バナー、プレゼン資料といった多様なコンテンツを迅速かつ高品質に作成できます。
豊富なテンプレートの活用は制作時間を大幅に短縮し、ブランドキット機能は企業としての一貫したデザイン表現を維持するのに役立ちます。
また、チームでの共同編集機能により、フィードバックや承認プロセスが円滑に進み、外注に頼っていた業務を内製化することでコスト削減も実現します。
PowerPointなど既存ツールとの強みを理解し使い分けることで、マーケティング活動全体の生産性が向上します。Canva導入検討の際にはぜひお気軽にビズらくにお問い合わせください!

Canva(キャンバ)
簡単操作で誰でもあらゆるデザインを作成できるビジネス版「Canva」
豊富なテンプレートや素材が用意されているため、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単に
プロクオリティのプレゼンテーション、動画、ポスター、メニューなどあらゆるものをデザインできます。